冬になると盛り上がるのが、カットウ釣りで狙うヒガンフグとショウサイフグだ。誘い方、アワセ、仕掛けなど各釣り人が工夫する要素も多くて、一度面白さに目覚めると、すっかりやみつきになってしまう人も多いようだ。そのためか、近年ファンも増えている。そこで12月15日、愛知県・南知多町の片名漁港から出船しているおざき丸に乗り、今季のカットウフグを取材した。
カットウ釣り開始!
午前6時半に出船。
当日は平日ながらも久しぶりの好天とあって、釣り人も多かった。
乗船者の中には、週刊つりニュース中部版APC(アングラーズペンクラブ)でおなじみのフグ釣り名人・大橋浩さんの姿もあり、ポイントまでの移動中で話が盛り上がった。
少し走ったところで最初のポイントへ到着。
水深は13mで、開始の合図で各自が一斉に仕掛けを投入して探っていく。
カットウ釣りでは、付けエサを突くアタリを取って掛けるとういより、フグがエサに接近していることを想定して、一呼吸置いては空アワセを入れて掛けていくのが主流のようだ。
しばらくして、右舷後部の小野寺さんに掛かり、上がったのは25cmほどのヒガンフグ。
その後もポツポツとフグが上がり、さらに船を流し直すと、今度は大橋さんにヒット。
30cm弱のヒガンフグが取り込まれた。
時期にもよるかもしれないが、今季は食べごろサイズのヒガンフグが多いようで、これに1kgを超えるジャンボヒガンフグが交じるという具合。
11日には1.5kgと1.1kg弱の大物が上がったようで、これだけのサイズが狙えるとなると、寒さを押して出かける価値は十分ありそうだ。
ポイントを移動!
その後、アタリが遠のいたところで、船は伊良湖岬の方に向かって移動して、次に入ったのは渥美半島の先端付近内側の岸にテトラ帯が見えるポイントだ。
流し始めてすぐ大橋さんのサオが曲がり、掛かったのはベタ底とのこと。
その後、船中で釣果を追加しつつ、小1時間ほど探った後に船は再び移動し、1級ポイントとして定番の伊良湖岬外側のポイントへ入った。
流し始めてすぐ、自作のカットウ仕掛けで探っていた左舷後部の人にヒットして、30cmほどの良型ヒガンフグが上がる。
さらに左舷前部でも大きくサオが曲がっており、定番外道のマダコや高級&珍味の赤ナマコも掛かっていた。
カットウをやっていると、頻繁ではないが確実に顔が見られる獲物で、勝手知ったる人はタコを収めるための網袋をしっかり用意している。
この日はマダコの当たり日だったのか、左舷前部の人はその後も2kg級の立派なマダコを連発。
さらに30cm超のヒガンフグも追加し、重量ベースではぶっちぎりのサオ頭といった勢いだ。
このポイントに入ってから船内は一気に活気づき、カットウ・食わせ釣りの両スタイルで、食べごろサイズのヒガンフグやショウサイフグが次々取り込まれていく。
さらに、右舷後部の苅谷さんと右舷大ドモの人が、キロアップには届かないものの、35cmほどの立派なヒガンフグをキャッチしていた。
キャビンの反対側が騒がしいので見に行くと、なんと45cmほどのヒラメが取り込まれていた。
ヒラメはカットウ釣りでの外道でまれに見られるが、タコやナマコに比べればかなりレアで、価値ある1匹だ。
その後も船中全体では20~30cmのヒガンフグが顔を出し続けて、さらにマダコやナマコなどおいしい外道が釣果に花を添え、にぎやかなムードで沖上がり時間を迎えることができた。
今回、期待のジャンボサイズは出なかったものの、シーズンはまだまだこれからで、お楽しみは後に取っておく方がいい。
「ジャンボ」と呼ばれる1kgオーバーの狙いめは、1月後半から早春の産卵期にかけてだ。
今のうちに中型の数釣りで腕を磨き、来るべき大物期待のシーズンに満を持して出かけよう。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>
おざき丸