11月23日(木・祝)、東京湾門前仲町の深川冨士見が主催する「ハゼ釣り乗合競技会」が行われた。大型船と練り舟にわかれ、総尾数で順位を競った。当日は大型船の1号船で乗船取材した。
それぞれのスタイルで挑む
あいにくの雨のなか、7時30分には参加者が揃った。
6代目石嶋広士さんから開会のあいさつ。
釣り座の抽選の後に、この大会で30回ほど入賞している市川俊之さんから「悪天候なので、1尾ずつ確実に上げたほうがいいですよ」とのアドバイスで各船へ移動。
8時に準備の整った練り舟が岸を離れる。
続いて2号船、1号船が出船。
ポイントの運河までは橋下ギリギリを通るので、「竿は寝かせておいてください」と声がかかる。
船上では和竿を対で操る人や、万能竿にスピニングリールスタイルの人も。
また、レンタルの竹竿で釣り方から聞いている初挑戦の人もいる。
ハゼ釣りの魅力は敷居の低さにもあるだろう。
高田東空さんと龍村悟さんは船釣りもハゼ釣りも初挑戦。
仲乗りの指導を受けて2時間後には、取り込みも慣れた手つきになった。
中山徹さんは「船長のアドバイス通りエサを小さめにして、枝バリを短くしたらアタリがでるようになりました」と本命を上げて笑顔。
運河の周りは高層の建物が多い。
江戸前の風情も楽しめる!
各船がそれぞれの釣り場に向かったが、途中で練り舟がすれ違う。
この風景には、環境が変わっても同宿が継承し続けてきた江戸前の風情がある。
左舷ミヨシでは、三年ぶりに参加の横川秀樹さんが江戸和竿を対でだしている。
「雨の影響も考えて、並継の和竿を持ってきましたが、硬めなのでアタリがあっても逃してしまっています」と言いながらも次々上げる。
塚本敏明さんも和竿を操りながら、真剣な眼差しで竿先を見つめる。
隣の渡辺純夫さんは、休みながら無理しないスタイル。
手返しよくしないと釣果が伸びないこの釣り。
右舷ミヨシの柴田光司さんは「寒さでかじかんでしまった手が動いたら、もっと釣果を伸ばせるんだけどね」と言いながらも、最終的には142尾。
小移動があり、その後は型がよくなった。
しかし、雨が上がるとアタリがでにくくなって、あっという間に沖上がりの時間。
結果発表!
公正のために隣同士、また船の代表者や仲乗りが数える。
船宿に戻ると暖かい豚汁が用意されていて、冷えきった体をあたためたところで表彰式。
上位入賞者はもちろん、全員が抱えきれないほどの賞品を受け取った。
市川さんは「小さいのが掛からないように大きめのハリを使いました」と言うが、そのハンデも関係ない実力で練り舟の1位。
5代目石嶋一男さんから「ハゼは例年よりいいです。きょうは雨のなか、ありがとうございました」と締めくくられた。
屋形船では懇親会が行われ、豪華な食事が用意された。
お互いの健闘や雨のなかでの釣りをねぎらいながら、歓談に花がさいた。
6代目は各席を回りながら、改めて参加者に日頃の感謝を伝えていた。
<週刊つりニュース 編集部/TSURINEWS編>