愛知県・南知多町の師崎港から出船している石川丸へ。始まったばかりのタチウオは、東海地方のほとんどの乗合船が、8月17日が台風明け後の最初の出船日だったようだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・石川友久)
当日の状況
当日の予報では、波の高さは1mでウネリを伴うとのことだったが、釣行中にウネリは確かにあったが釣りには影響なく、石川丸は満船で乗船中に船酔いで休憩している人は見かけなかった。
むしろ、気になったのは台風通過後の猛暑で、海上は風があるので体感温度は意外と低いが、この日は風があるにもかかわらず暑い。
言葉では表現しにくいが、汗が止まらず、楽しいはずの釣りが暑くてしんどいと思える状況。私は海上では必ず長袖を着用するようにしており、最近のものは素材の風通しが良く、暑さを軽減してくれる。
船の設備にもよるが、海上での釣りは日差しが避けられないことも多く、暑いあまりに肌を露出してしまうが、日差しは予想以上に強く、曇りであっても日焼けすることがあるため、暑さと合わせて日差し対策も必要だ。
また、暑さで大量の汗をかくため、いつもより多めに飲み物を準備することをお勧めしたい。
石川丸でエサタチウオ
当日は名東区の自宅を午前2時に出発、3時30分に石川丸の乗船場へ到着して支度を始めた。港は微風で気温は28度。午前3時45分ごろから受け付けが始まり、テンビン・オモリ・仕掛けを受け取った。テンビンとオモリはレンタルで、釣り後に船宿へ返却する。タチウオコースは第5石川丸で、左舷胴の間を釣り座とした。
午前5時ぐらいに出船して、開始時刻まで海上で待機。時間になると一斉にポイントまで移動し、師崎沖で開始となった。しかし、全く反応がない。他の遊漁船も釣れていなかったようだ。
ここでの釣りは30分ぐらいで、反応がないことを確認すると見切りをつけて伊良湖沖へ移動。
伊良湖沖で本命キャッチ
ポイントへ到着すると少々ウネリがあったが、釣りに影響しないレベル。
「水深は60mで、40~50mぐらいで反応が出ている。一応30mまで上げ、タチウオがいるタナを探るように」と船長からアナウンスが流れた。指示通りに仕掛けを底へ着け、ゆっくり上げてくる。
ただ巻きでは全く反応がなかったため、電動リールの表示で1~2の速さで小刻みにゆっくりジャーク加えながら仕掛けを上げると、50m前後でタチウオの前アタリがあった。
タナが把握できたので50m前後を集中的に55mまで落とし、45mまで仕掛けを上げることを繰り返す。前アタリがあっても本アタリにならず、繰り返すうちやっと本アタリをとらえ、最初のタチウオをキャッチ。
午前7時ぐらいで、満潮をすぎて動き始めたころで、潮止まりで食いが渋っていたところに潮が動きだし、食いが良くなったのではないかと考えた。この後は連続でタチウオをキャッチ。
タナの40~45mに集中
午前11時ぐらいに伊良湖沖周辺の水深50mのポイントへ移動。水深が変わったため、しばらくタナを探る。
他の人もアタリが止まり沈黙が続いたが、40~45m付近で前アタリがあったため、この深さを集中的に仕掛けを投入したところ、再びタチウオが釣れだした。
すると、周りの人もタナを把握したらしく、私の周囲でも再びタチウオが釣れだし、午後12時30分に納竿となった。
港に到着後、よく冷えたスイカと麦茶、揚げ物が振る舞われた。特にこの日は暑かったため、とてもありがたかった。
当日のヒットパターン
この日は、タチウオがヒットしているタナをいかに早く見つけ、ロッドのアクションとして仕掛けをゆっくり上げながら小刻みにゆっくりジャーク。これを手返し良く行えた人が、釣果を大きく伸ばしたようだった。
しかし、ヒットパターンが日によって変わるため、釣れるまでいろいろ試行錯誤してヒットパターンを見つけるかことがカギになるようだ。
船長、アシスタント、常連さんはどうすれば釣れるのか知っているようだが、私も含めなかなか来ることができない人は、常連さんなどのやり方を見て、まねすることから始まるのではないか。周囲で釣れている人は、どのタナなのか、どんなアクションをしているのかを注意深く観察することも必要だ。
タチウオ釣りの仕掛けとエサ
船宿指定のオモリ80号でテンビンは貸し出しで、先端には市販品の仕掛けを付ける。タックルは先調子の専用ロッドがベストで、胴調子だとアクションをかけずらい。
タチウオ釣りで使用するエサはサンマの切り身だが、船によってはサバを使用する所もある。切り身の先端をまず皮の方から刺し、さらに身の方から刺す。
ここで重要なのはハリを刺す位置で、切り身の中央部分に刺すこと。位置がずれると、仕掛けの落下時あるいは 上げる時に回転し、枝スがよじれてダメージを受けてしまうため気をつけたい。
タチウオの数を稼ぐため、仕掛けを連結している人もいた。仕掛けが長くなるため扱いにくくなるが、一度に2匹掛かることもあるので、タチウオの活性が高ければ数釣りの方法としては有効ではないかと思う。この方法をする場合、長めのサオをお勧めしたい。
当日の最終釣果
この日はタチウオを31匹キャッチ。サイズは、ほぼ指3本がほとんどで、指4本は7匹。指5本クラスも交じっていたようだが少なく、この日は船中で1~2匹ぐらいだった。
釣った魚は、夜に刺し身で食して、今年初めてのタチウオはとてもおいしかった。タチウオ釣りは始まったばかり。型は小さいが魚影が濃いため、今後が楽しみなターゲットだ。
<週刊つりニュース中部版 APC・石川友久/TSURINEWS編>