海の中で繰り広げられる食物連鎖の頂点に立つ大型の青物たち(ヒラマサやブリ)にヒラメ、マダイ、大型の根魚などを、その自然の摂理を利用して狙う釣りが「落とし込み釣り」。ハイシーズンを迎えるこの機会に挑戦してみてはいかがだろうか。
落とし込み釣りのタックルの選び方
先に食物連鎖と書いたが、大まかに説明をすると、海の中では、プランクトンを小魚のイワシや小型のアジが食べ、さらにその小魚を中型魚や大型魚が食べる流れを指す。
エサとなるイワシは8月には10cm前後だったものが、10~11月になると13~18cmほどになる。
青物はこのイワシやアジを捕食して体力をつけ、冬を過ごして翌春の産卵へとつなげていく。
【竿】
まずはサオ選びから始めよう、11~12月になると青物の大型が多くいるのでサオもそれなりのものを選びたい。
もちろん、イワシやアジが付いたときの小さな魚信が分かる感度の良さがあり、本命(青物、ヒラメ、マダイ、根魚など)の引きに対応ができるサオを選ぶこと。
この釣りは一日中サオを持っているので(リールをセットして)持ち重りしないものを選ぼう。
ベイトは、イワシは13~17cm、アジは12~15cmになっているので付いた魚信は分かりやすくなるとは思うが、サオ先が軟らかい方が乗りも良くなるようだ。
サオの調子は6対4と7対3があるが、大物に対応しやすいのは7対3の調子と思う。
また、ブリ、ヒラマサの5~8kgクラスが釣れだすので、サオはH(ヘビー)表示のサオが安心だろう。
【リール】
リール(電動)も慎重に選びたい。
青物はハリ掛かりすると一気に走りだすので、その力に負けないリールを選びたい。
SHIMANOなら3000番、DAIWAなら500番を目安に選ぼう。
購入の際は、PEラインの6号が300m巻けるかを聞いておくこと。
ドラグ設定は仕掛けの号数によって調整するが、締め過ぎると大型青物の急激な締め込みでハリスを切られるので注意したい。
初心者はベテランや船長に調整してもらうといいだろう。
【仕掛け】
仕掛けは、釣れている魚のサイズ、場所(船によってはポイントが違ってくる)などを考慮して選ぶ。
ベテランに相談をするか、利用する船に尋ねて選ぼう。
予備は7~8セットは必要だ。
今の時期の青物は大きいのでそれなりの仕掛け(16号、18号)を使って大物とのやり取りに勝ってほしい。
【ハリ】
なお、ハリにフラッシャーと呼ばれる白い髪の毛より太い繊維が付いているものと、ハリの胴の部分を平打ちしているものがあり、平打ちのハリにはベイトのみならずシイラ、サワラ、イサキなどが食ってくる場合もある。
【オモリ】
オモリは、釣り場によっては80号を使うところもあるが、北部九州では100号が主体になっている。
予備で5、6個は持参すること。
落とし込み釣りは、ベイトがポイント
釣り場に着いたら船長がベイトがいるかを確認して釣り開始となる。
仮に水深が85mあり、ベイトが45~70mの間にいれば、「45~70mにいるので掛けて下さい」と指示がでる。
仕掛けを投入して指示ダナまで沈めるが、沈下スピードが(自分では)速過ぎると思って指で調整すると、かえってベイトが掛かりにくくなる。
ベイトが掛かった時にはサオ先が小さくブルブルと震えるので分かるので、そのまま海底まで落としてアタリを待つ。
もしもベイトが掛からなければ再度仕掛けをベイトがいるタナの上まで巻き上げて再びベイトのタナへ落としてやる。
ベイトが掛かってサオ先が震える間はベイトも元気だが、それも長くは続かない。
時間は2~3分が限度だと思っていいだろう。
ベイトが弱れば青物は食ってこないので、ベイトが弱ったように感じたら、すぐに巻き上げて入れ直すか、ベイトがいなければ仕掛けを落としても釣りにならないので船長から仕掛け回収の合図がでる。
ベイトに本命が食いついたら、ヒラマサが掛かった場合はいかに海底から引き離すかがポイントになる。
海底から10m以上浮かすと、まずは成功と思う。
その後は魚の大きさによってゆっくり巻き上げるといい。
初心者は魚が掛かった時に慌てて高速で巻き上げるため魚と綱引き状態になってしまい、仕掛けが切れてしまうことが多い。
魚が逃げる時の強さは魚の重さの3~5倍の力になると見積もってもいいだろう。
太い仕掛けにしても簡単に切られてしまうので注意したい。
魚を無事に海面まで浮かせたら船長にタモですくってもらうこと。
最後に
ライフジャケット着用はもちろんのこと、仕掛けオモリの予備は十分に。
また、初めて挑戦する人はベテランや船長にアドバイスをしてもらうとレベルアップも早いと思う。
<週刊つりニュース西部版 APC・飛高宏佳/TSURINEWS編>