春になればアジが入ってくる――そうした期待は毎年のように繰り返される。しかし現場に立つと、その期待が空振りに終わる年も少なくない。2024年の大阪湾沿岸はまさにその気配を見せている。水温は上がり、条件だけを見れば回遊が始まってもおかしくない。それでもアジの気配が薄い。このズレをどう捉えるかが、春のアジングを組み立てる上で重要になる。筆者の経験から、まさしくこのタイミングの春の大阪湾のアジについて語りたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
春アジ、現れず
実際に泉南、泉大津、南港といった主要エリアでサオを出しているが、いずれの場所でもアジの反応は得られていない。ベイトの気配はある程度感じられる場面もあるが、アジ特有の繊細なアタリや群れの存在感は確認できない。
谷川港、アジおらず(提供:TSURINEWSライター・井上海生)単発で回っている可能性は否定できないが、少なくとも安定して狙える状況には至っていない。釣果情報を見ても、広範囲で同様の傾向が見られ、局所的な当たりがあったとしても再現性は低い。全体として「まだ来ていない」という印象が強い。
アジは入ってくるならば朝マヅメや夕マヅメの釣行で、密度にかかわらず、誰か一人の釣り竿にはアタリを出すものだ。その感じもないので、今は一切皆無という雰囲気が強い。
4月接岸例年のタイミング
例年であれば、大阪湾の春アジは4月後半、いわゆる4週目あたりから動きが出ることが多い。水温の目安としては15℃前後で、このラインを超えると産卵を意識した個体が接岸し始める。サイズはばらつきがあるが、回遊が当たればまとまった釣果が出るタイミングでもある。
春アジはムラがある(提供:TSURINEWSライター・井上海生)過去の経験やデータからも、この時期に期待が集まるのは自然な流れである。しかし今年に関しては、その「例年通り」が通用していない可能性がある。
スタートは遅いか?
考えられるのは二つのパターンである。一つは単純にスタートが遅れているケース。水温やベイトの動きが噛み合わず、接岸のタイミングが後ろにずれている可能性である。
もう一つは、そもそも春の接岸が弱い、あるいはほとんど起きない年である。アジは回遊魚であり、その年ごとの海況によって動きが大きく変わる。過去にも春の回遊が極端に薄い年は存在しており、必ずしも毎年同じパターンになるわけではない。現時点ではどちらとも断定できないが、来ない可能性も視野に入れておく必要がある。
春のアジは、産卵のために沿岸に寄ってくる。そして堤防の壁際などに卵をうえつけるのだ。そのため、考え方によっては手堅いパターンとも思われるのだが、どうもそうでもない。年によっては一切寄り付かないときもあるので、その場合は諦めるしかない。
5月中旬までが時期
それでも、完全に見切るにはまだ早い。経験上、5月中旬までは接岸のチャンスが残っている。この期間内であれば、遅れて入ってくる可能性や、一時的な群れが回るタイミングに当たる可能性もある。したがって、この時期までは継続して様子を見る価値がある。
ただし、アジ一本に固執するのではなく、他のターゲットも視野に入れた柔軟な釣りが求められる。メバル、カサゴなど。春のアジングは来れば釣れるが、来なければ何も起きない釣りである。その前提を受け入れた上で、タイミングを待つことが重要である。
これから来るのか?(提供:TSURINEWSライター・井上海生)春のアジを見る上で求められるのは、何よりも「条件」だ。潮通しのいい海、新月周りの大潮、常夜灯下、水道などなど。このような条件が揃っていれば、多少なり回遊してくる可能性は高い。いくら皆無に思えている年でも、辛抱強く通っていれば突然アタリが出始めることもある。みなさまも自分のフィールドで、ぜひ今年の春アジをサーチしてほしい。残り時間はまだ十分にある。
<井上海生/TSURINEWSライター>


