バイクで釣りに行くという行為は、自由度の高さと引き換えに、見えにくい負担を積み重ねていく。機動力は魅力であるが、その裏側には体力、集中力、そして安全面でのリスクが常に存在する。特に春のように釣行頻度が増える季節では、その限界が顕著に表れる。ここでは実体験に基づき、バイク釣行の現実的な限界について整理する。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
バイク釣行の限界について
まず距離の問題である。片道80kmを超えるあたりから、明確に負担が増す。行きは気分も高揚しており、そこまで苦にならないこともあるが、問題は帰路である。釣りによる疲労が蓄積した状態で同じ距離を走ることになり、集中力が大きく低下する。
行くまではいいけれど(提供:TSURINEWSライター井上海生)特に夜釣り後の帰宅では、眠気も加わり、判断力が鈍る。さらに装備の制約により、荷物の軽量化を強いられるため、快適性や安全性を犠牲にしている場合も多い。結果として、釣りそのものよりも移動の負担が支配的になり、釣行全体の質を下げてしまう。
高速道路には乗るな?
高速道路の利用については慎重に考える必要がある。結論から言えば、使わない方が安全である場合が多い。まず風の影響が大きい。横風や大型車の巻き込み風は予測しづらく、体力と神経を削る。加えて速度域が高いため、常に緊張状態を強いられ、精神的な消耗が激しい。
さらに問題なのは、その疲労が釣行後に一気に表面化する点である。釣りを終えた後、すでに疲れている状態で高速を走るのは、リスクが大きすぎる。移動時間の短縮というメリットはあるが、それ以上に安全面でのデメリットが目立つ。
精神的にも体力的にもスピードを維持したまま走るのはしんどい。特に長距離釣行では、一般道を使った方が結果的に安定するケースが多い。
年代とバイク釣行
年齢による影響も無視できない。若い頃は問題なかった距離や疲労も、30代後半に差し掛かると明らかに質が変わる。回復力の低下により、疲労が翌日以降に残りやすくなる。さらに集中力の持続時間も短くなり、長時間の運転が苦行に近づく。
釣りそのものは楽しめても、移動の負担がそれを上回るようであれば、本末転倒である。バイク釣行は体力と密接に結びついているため、自分の状態に応じて距離や頻度を調整する必要がある。
バイク移動は体力が必要(提供:TSURINEWSライター井上海生)リスクを避けて安全にバイク釣行を
もっとも重要なのは安全である。バイクは事故が起きた際のリスクが極めて高く、軽微なミスが重大な結果につながる可能性がある。釣りの帰りは疲労と満足感が混在し、注意力が散漫になりやすい。この状態での運転は非常に危険である。
無理な距離設定を避け、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要である。また、少しでも異変を感じたら休憩を取る判断も必要になる。釣りは趣味であり、命を削ってまで行うものではない。
バイク移動をラクにする方法も
楽しく続けるためにも、自分の限界を正しく認識し、安全を最優先にした行動を心掛けるべきである。
疲労を軽減するためには、いくつかの方法がある。たとえば、ロングスクリーンの導入だ。スクーターに取り付けることができるロングスクリーンは、身体に当たる風をかなり軽減してくれる。
だが、一方で向かい風を受けやすくなる事実もあり、これが全面的に良いとは言えないところもある。その他快適装備でバイク釣行がいくらかマシになることは間違いないが、あくまで「ある程度まで」と思った方がいい。
ロングスクリーンでラクに(提供:TSURINEWSライター井上海生)ちなみに筆者は、先日の大阪市内から泉南の南端までのバイク釣行で、「これはちょっと今度から無理かもしれない」と感じたものである。おそらく体調次第では、事故を引き起こしていたかもしれない。リアルな38歳の男の実体験からして、80km以上のバイク釣行は危ないと思いますよ、と注意喚起しておきたい。
<井上海生/TSURINEWSライター>


