大自然の中、美しい渓魚を求めて河川へと通う渓流釣り。解禁直後は良かったが、その後徐々に釣果が落ち込んで……といった経験はないだろうか。今回は、そんな時に狙ってみてほしい「竿抜けポイント」にフォーカス。攻略法を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)
竿抜けポイントとは?
ここで言う「竿抜けポイント」とは、端的に言ってしまえば多くのアングラーが「釣りにくいと感じる場所」のこと。まずはその条件をみていこう。
頭上に障害物
真っ先に挙げられるのが、渓流ならではの「頭上に障害物がある場所」だ。長い竿だと穂先をぶつけてしまったり、ラインが絡まってしまう等のトラブルに見舞われる。春以降は大量のクモの巣や、背の高い雑草等も該当する。特に川べりに生えた雑草は川面に向かってオーバーハングしてくることも多いため、竿のコントロールが大変難しくなる。
この場所をどう攻める?(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)流せる距離が短い
渓流餌釣りは、仕掛けを川の流れに馴染ませる事で、餌を自然に流して食わせる釣り。流す距離であるストローク幅が狭いと、餌が流れに馴染む前に仕掛けを流し終えてしまう。場合によっては障害物に引っかかってしまうしまうので、それらを計算に入れたやや特殊な流し方が必要となる。
単純に狭い
自分自身が動ける範囲が狭かったり、ポイントや川幅自体が狭かったり。小規模支流によくある事例だ。そのため、「狙える場所が少ないから」と、こういうポイントは見落とされがちだ。
案外魚影が濃い、狭い里川(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)水中に障害物
シーズン初期は水量が少なめで、降雪により折れた木がそのまま川に鎮座していたりする。流れが複雑化する上に姿を隠せるとあって、渓魚が居着きやすい反面、アングラーにとっては根掛かりのリスクが跳ね上がる難所と化す。やはり流し方に工夫が必要だ。
攻略のためのテクニック
次に、先述した場所で使える実践テクニックを紹介していく。
3WAYズーム活用
多くの渓流竿にはズーム機能が搭載されている。通常は5~6mのマックスサイズで使用する事が多いだろうが、狭い場所では積極的に最短サイズで使用してみよう。当然仕掛けも短くすることになるが、竿抜けポイントで釣果を得たいのであれば、この手間を怠るべきではないと著者は考える。極端に狭い場所で釣る場合、著者は3.4-4.0-4.5mの3WAYズーム竿を使用し、3.4m(仕掛け全長は3.3m)を積極的に使用している。
キャスト
狭い場所では、当然ながらピンポイントで仕掛けを投入しないと対応できないことが多い。まずは広い場所でキャスト練習をしっかりと行い、精度を上げておこう。どうしてもコントトールが難しいのであれば、オモリをワンサイズ大きくしてフワっと投入しても良い。
立ち位置を逆算
通常は遡行中にポイントを発見し、その立ち位置から投入……という流れが基本だ。だが竿抜けポイントを狙うなら、ポイントを発見後、投入点を探して見定め、その投入点に仕掛けが届きやすい場所へ自分自身が移動する、という手順が基本となる。この時、投入点へ近付くのではなく、渓魚を警戒させないためにも可能な限り離れる方向へ動くのが好ましい。同時に、流れを読む能力も鍛えておきたいところだ。
仕掛けを動かす
狭いポイントでは、投入後から自然に流す事を意識しすぎると、水中の障害物に絡まってしまう事が多い。魚が食ってくるであろう「ここぞ」というピンポイントで自然に流れていればOKと考え、その場所に到達する流れに乗るまでは、不自然では無い程度で積極的に竿や仕掛けを動かしていく。渓流餌釣りは竿を動かす機会が意外と多い釣りだ、と心得てほしい。
実際のポイント紹介
では最後に、著者が釣果を得ることが出来た実際の「竿抜けポイント」を紹介しよう。
小規模流れ込みに障害物
この場所は流れ込みが複数ぶつかるものの、1.5畳低度の狭い場所。かつ流れの中に流木が引っかかっている。攻略法としては、3.4mの竿にBのオモリをセットし、一番大きな流れ込みの左脇のヨレ(黄色い〇)へ投入して一気に沈め、画像右側に向かって竿を軽く引く(緑の矢印)。その後、緩めて底流れへ乗せた瞬間に赤〇の所でヒットした。
狭い場所に流木(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)ボサがある場所
こちらは川幅自体が3mも無いほど狭い里川。大岩の横から流れ込み、僅かに深くなっているが、前方にはボサがある上に流せる範囲が1mも無い。そのため、自信の立ち位置を可能な限り後ろに下げ、3.4mの竿にG4という軽めのオモリを針から30cm上にセット。
大岩と手前の岩の間(黄色い〇)にオモリを打ち込むイメージで投入する事で、軽い餌(ヒラタ)のみが奥の流れに巻き込まれるという寸法だ。思惑通り勝手に餌が流れてくれて、赤〇の所でヒットした。
ボサの辺りが好ポイント(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)狭い+頭上に木
この場所のエグレは座布団一枚程度という極端に狭い場所。かつ頭上には木がある状態で、周囲の足場も悪く、確実に竿抜けになる。著者はまずギリギリまで屈み、3.4mにした竿のジョイント部を持つことで3m弱の竿として扱う事にし、仕掛け全長も2.7m程度に調整。
G3オモリ+キンパクをセットし、右奥の流れ込み(黄色い〇)へと投入……と同時、竿を左方向へと倒して流れに引き込むことで、すぐに赤〇の所でヒットさせることに成功した。
こんな所にも渓魚はいる(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)テクニックを駆使して釣果アップ
著者は渓流釣りを始めた頃、中々釣果が上がらず苦戦していた。そんな時でも現地ですれ違う名手らしき方々は、確実に釣果を得ておられた。転機になったのは、名手から言われた「人がやらなそうなところ、あれこれやって狙ってみ?」という助言だ。
今回紹介した方法やポイントは、当時は「仕掛けの変更が面倒」「木に絡まりそうだから止めておこう」とスルーしていたような場所ばかりだ。食い渋りの状況であれば、これらのネガティブな感情を押し殺し、いかに忍耐強く狙うことが出来るかが釣果の分かれ目だと著者は考えている。多少のテクニックが必要だが、釣果アップのために、是非トライしてみてほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>

