アジング成立の最大のポイントは、アジが「どこに溜まるか」を見極めることだ。回遊魚ではあるが、実際の釣り場では驚くほど局所的に固まる。そのカギを握るのが主食であるプランクトンで、「プランクトンが寄る＝アジが寄る」と考えるのが最もシンプルで効果的だ。ここではアジの習性とプランクトンの動きを踏まえ、狙うべき5つのピンポイントを紹介する。
（アイキャッチ画像提供：TSURINEWSライター・井上海生）
アジング基本の「キ」
まず、アジングにおける基本のキともいえるポイントから2つだ。
常夜灯の明暗境界
アジングの鉄板ともいえるのが常夜灯周りである。特に明暗の“境目”は一級ポイントだ。光が差し込む範囲では植物性プランクトンが光合成され、そのプランクトンを捕食するアジが寄ってくる流れが成立している。
ただし、光の真下よりもやや離れた、「境界」に着くことが多いのがアジの習性である。微妙に明暗が途切れるようなゾーンを丁寧に通すことでヒットに繋がる確率が一気に高まる。光の真下は、魚も狙われやすい場所とわかるからだろう、意外に反応しづらいものだ。
まずは明暗（提供：TSURINEWSライター・井上海生）水道
水道（すいどう）と呼ばれる潮が絞られる場所も見逃せない。港内でも外海でも、潮が横へ流れるスポットは必ずプランクトンが運ばれており、それを追ってアジも必ず横切る。
ここで重要なのは、回遊の「レーン」を探すことだ。たとえば橋脚の脇、堤防のくびれ、港内へ潮が流れ込む角など、地形的に潮が収束する場所は必ずチェックしたい。潮が走るとき、アジはジグ単でもよく反応するが、潮が速すぎる場合は軽量では届かない。ウェイトの使い分けが釣果の差になる。
見逃せないポイント
続けて、やはりプランクトンパターンから読み解いて2つ。
足元際
意外と見落とされがちだが、アジは足元にも溜まる。特に足元が護岸となった「壁」のある港では、壁際にプランクトンが滞留することがあるため、アジがその面に対して縦方向のコースで着きやすい。
角度をつけて足元へ落とし込むだけで釣れることも多く、上層から中層、ボトムまで探ると連発に繋がることもある。遠投ばかりに意識が向きがちな釣り人ほど、この足元の爆発力を体験すると驚くはずだ。
足元を釣ってみよう（提供：TSURINEWSライター・井上海生）風下側
風が吹き抜ける方向、つまり風下側はプランクトンが流されて集まりやすい。またアジの目線は上向きであり、風下の表層に溜まったプランクトンを捕食するため、水面直下のレンジに浮く傾向が強くなる。
強風時は釣りにくいが、軽量ジグヘッドでもレンジが合えば食わせやすい。風が吹いた日は、ただ「釣りづらい」と判断するのではなく、あえて風下の明暗や壁際を攻めることで好釣果に繋がる。
河川を打ってみよう
最後に見逃せないのが「河川の流れ込み」だ。海に面した漁港や堤防の近くに河口がある地域では、河の水が運んでくる栄養素によってプランクトンが豊富になり、アジが驚くほど寄るケースがある。
淡水の流入を嫌う魚も多いが、アジは驚くほど適応力が高い。塩分濃度が薄くなる表層を避け、中層に定位する傾向があり、流れ込みの脇を通すと連発することも珍しくない。夜の河口は周辺施設からの灯りも効きやすく、潮が効くタイミングではトップクラスのパワースポットとなる。
アジは汽水域にもいる（提供：TSURINEWSライター・井上海生）アジングで釣果を安定させるためには、「アジそのもの」ではなく、「プランクトンの動き」を読むことが最も重要である。常夜灯の明暗、水道、足元、風下、河川流れ込み。
この5つのポイントを押さえれば、どのフィールドでもアジを見つける確率は格段に高まる。状況に応じてレンジを探り、プランクトンの集まる場所を的確に読むことが、アジング上達の最短ルートである。
＜井上海生／TSURINEWSライター＞
