芦ノ湖の概要
「天下の険」と、うたわれた箱根。東海道の要衝であり、旅人にとっては難所だったはず。今では、誰もが知る観光地であり温泉街。その中央に位置するのが芦ノ湖だ。
約3千年前に起きた噴火によって、神山が山体崩壊して旧早川を堰き止めた堰止湖である。箱根湾へ注ぐ明神川が唯一のインレットで、水源の大部分は湖底からの沸き水である。
本来のアウトレットは早川だが、利水権が静岡県にあるため、緊急時を除いて、かんがい用水路の深良川に流れ出ている。
湖畔を中心に多くの名所名跡や保養施設が点在し、毎年正月に行われる箱根大学駅伝の折り返し点としても有名。湖には遊覧船が運航され、外輪山の向こうには富士山が望める景勝地。
芦ノ湖トラウトはデカイ!
釣り場としては、日本で始めてブラックバスが放流された湖で、毎年10月1日のワカサギ刺網漁解禁日の初物は箱根神社に奉納し、宮内庁に献上されている。
サケ科魚類も数多く生息。ニジマスを中心にブラウントラウト、サクラマス、イワナ、ヒメマス、コーホサーモンと魚種豊富だ。
遊漁期間は、3月1日がルアー&フライ限定の特別解禁日、3月2日から12月14日までが一般解禁期間となっている。
芦ノ湖におけるトラウトゲームの最大の魅力は、そこで釣れるワイルドな大型魚。ときには、70cm超級のスーパーレインボーや80cm超級のモンスターブラウンがヒットする。
サクラマスやヒメマスは自然繁殖しているものの、ニジマス、ブラウントラウト、コーホサーモンは放流魚主体の釣りとなる。ルアーやフライでのキャスティングは、解禁からゴールデンウィークまでと晩秋の時期だけだが、トローリングやレイクジギングでは解禁期間を通じて釣りを楽しむことができる。
エリア選択が重要
管理釣り場と違い、釣況は年によって大きく左右されるので、漁協やボート店のホームページや携帯サイトを閲覧してからの釣行をお勧めする。
立岩の突端から百貫の鼻の突端を結んだ以西は禁漁区となっているが、それ以外の湖全域が釣りのポイント。
ボートを借りる場合は、箱根湾、元箱根湾、湖尻湾の3カ所に通年営業しているボート店が10軒ある。ウェーディングで狙う場合は、成蹊、白浜、七里ヶ浜などが遠浅になっており、バックスペースが取りやすい。
詳細ポイント
風が吹くときは、魚が溜まりやすい風下のワンド奥を狙い、無風時は、回遊ラインとなっている岬の突端を狙うのが釣果アップにつながる。
また、ニジマスやサクラマスなら遠浅のワカサギ層狙い、ブラウンやイワナなら急深のカケアガリ狙いがいいだろう。
昨年の私は、元箱根と湖尻から計22回の釣行で、いずれもローボートでの釣り。
元箱根ではワンド奥や岬周りで回遊待ちの釣り、湖尻では魚の着き場を求めて広く探る釣りをする。浅場を探るならフライ有利、深場の釣りならルアーに分があるように思う。
ポイントは、元箱根湾からボートで出舟するなら庭石、成蹊、箱根神社下、吉原窪、弁天の鼻、箱根湾なら大島、コベリの鼻、関所下、三ツ石、トリカブト、白浜、湖尻湾なら九頭龍、防ヶ沢、神宮、桃源台、キャンプ場前、早川水門、七里ヶ浜、深良水門、亀ヶ崎と多くのポイントが点在する。
数を釣りたいなら各湾内、大型を狙うなら九頭龍、大島、トリカブトが実績が高い。