ベテラン釣り師の60年前の自由研究は【新宿歌舞伎町周辺でのザリガニ釣り】

ベテラン釣り師の60年前の自由研究は【新宿歌舞伎町周辺でのザリガニ釣り】

小学生の子供がいる家庭ならば、子供たちと一緒になって何かを考え、どんなことに興味を持たせていくかを実際のこととしてお話しできるのですが、そろそろアラコキ年代になり始めようとするジイには、少々容易ではなさそうです。ですが、今回のこの特集記事は、自身の体験談もということなので、ひと昔10年と言われますが、6昔ほど前のことでも今でも十分に小学生の夏休み自由研究としてのヒントになるかもしれません。

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(アイキャッチ画像提供:pixabay)

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丸山明

ゴムボートから始めたボート釣りも25年を過ぎ、もうover60です。釣りを極めたいです。

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淡水の釣り 小魚釣り

60年前の自由研究

今は、播磨灘の景観が好きで、明石沖やら家島諸島でボート釣りをして、四季折々の魚を追いかけています。しかし、育ちは「歌舞伎町」でした。区役所通りの鬼王神社の周辺を校区に持つ小学校のころです。東京オリンピックが開催され、東海道新幹線が開通した時代ですから古いお話です。

先生が夏休み前に自由研究は何にするかと聞いたので、歌舞伎町の怪しげなエリア探訪はどうかと言ったら、いきなりひっぱたかれました。精神注入棒なる竹竿を持っていて、よくしなり痛いのです。日常茶飯事のことですが、聞くから言ったのにという感じです。

小学生でも夕方までの歌舞伎町は、遊びのエリアでしたし、町内に友人も多くいたので別に問題ありませんでした。ただ、通りから見える路地の奥には怪しげな建物が存在していて、なにやら宇宙人のようなおねえさんが立っています。何屋かわからないながらも子供なりに不思議な世界を見ている興味がありました。

北は、戸山公園から南の新宿御苑くらいの南北に長いエリアが、遊びの冒険エリアでした。怪しげなおねーさんから戦時中の地下通路も残る、子供には広大なエリアで、日々走り回っていた時代です。

歌舞伎町周辺でザリガニ釣り

歌舞伎町の怪しげなエリアに興味津々なれどひっぱたかれたので、何にしようかと子供ながらに考えました。本を読んで感想文的なことは、学級委員でもないのでできっこないし、がらでもない。

毎日自転車に乗って遊びまわっている場所を考えると、近所の公園に池があるのを思い出しました。ザリガニが釣れ、網で小魚もすくえるのも知っていました。

ザリガニは、子供の相手として大物で、大きなハサミを振り上げる姿は、勇ましい姿です。あれだあれっ!仲間と釣りに行こう。それを自由研究にするんだ。

都会のど真ん中でも親水性ある公園が存在しました。そういうところは、親にも連れられて何回か行った覚えがありますし、学校の行事での何回かの体験は、貴重な子供のデータです。まともなことは覚えず遊びまわる題材がしっかりとしているのは、子供のころから変わらない天分かもしれません。

ベテラン釣り師の60年前の自由研究は【新宿歌舞伎町周辺でのザリガニ釣り】都会のど真ん中にも生息するザリガニ(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

ザリガニを釣って絵を書こう

エサは、家から勝手に持ち出した煮干しにするめ。適当な棒に荷造りのひもがサオと糸、前に買ってもらった子供用の玉網、そして、小さなバケツを自転車に括り付け、いざ出陣です。

水草や石の周りに隠れるようにしていて、そこへエサを入れてしばらくすると、大きなハサミでエサを抱えています。そろりそろりと引っ張って、捕まえました。ハサミにやられないようにおっかなびっくりバケツに獲物を貯めこみました。

身体に比較しても大きなハサミを高く振り上げて、威嚇する姿はなかなか恰好がよく、そりゃ面白いのなんので、夕方まで遊んで帰りました。確か、何匹か持って帰り、暫くエサをやって飼った覚えがあります。現代の公園は、何でも禁止の立て札ですが、当時はそんなものありませんし、自由な空間がたくさんありました。

当時は、記録媒体はフィルムカメラくらいのものですが、子供が気軽に手にできるものではなく、ひたすら絵を描くことが子供の記録媒体だったのです。画用紙に、鉛筆で絵をかいて、水彩絵の具で赤く着色しました。精神注入棒でひっぱたかれた甲斐あって、なんとかまともな宿題を作ることができました。

絵にするのが大事

絵心が私には不足していましたが、大きなハサミと赤い姿で、なんとなくザリガニになりました。今の小学生なら、こんな自由研究もスマホ写真になるのでしょうが、絶対に絵で描くことをおすすめします。対象を深く知ることにつながるからです。

また、絵を描いて説明することを覚えることは、大人になってからも相手を説得する大事な要素になるはずです。ほっといてもこれからの時代にパソコンは必須でしょう。でも、あえて絵を描くことができる子どもが、育ってくれればと思います。

<丸山明/TSURINEWSライター>