鷹巣、三国の完全フカセ釣りと言えば、5月解禁の鷹巣沖のマダイ釣り、6月に解禁する玄達瀬のヒラマサ釣りが花形だが、秋も面白い釣りが楽しめる。今回、三国から鷹巣にかけての海域を舞台に、秋の完全フカセ釣りの魅力について紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
秋の完全フカセ釣りの魅力
ターゲットとなる魚は、マダイや青物、アジなどだが、秋は青物の数が狙えるチャンスだ。良い年だと俗に「小マサ」と呼ばれる2~3kgのヒラマサが数釣れ、この魚で大型クーラーが満タンになる日もある。中~大型のヒラマサを獲るにはやり取りに技術が必要だが、このサイズならあしらいやすく、数も多いので腕を磨く機会としてもちょうど良い。
なお、玄達瀬のような特大サイズは望めないが、90cm前後から1mに届くサイズのヒラマサは、毎年秋に近海でも結構な頻度で上がっている。
また、マダイに関しても越冬に備えて荒食いするため、狙いめとなる。特に11月から12月頭にかけ、深場に落ちる前の大型が集中して釣れるタイミングがあり、70~80cm台の大物が日に何度も食ってくるときがある。
もちろんお楽しみは型だけにあらず。越冬前のマダイは身に脂が入り、食味も抜群。乗っ込み期の個体とは一線を画するので、ぜひ食べてみてほしい。
このほか、ワラサやハマチも脂が乗った丸々とした魚体になり、ひとたび大きな群れが入れば爆釣状態が続く。
多様な魚がたくさん釣れて、入門にも最適。おまけに食味も抜群とあって、秋の完全フカセ釣りはいいことづくしなのだ。
タックル
サオは長さ2.7m前後で50号表示(最大負荷ではない)の胴調子のマダイザオ。リールは、使用するフロロカーボンライン6~7号が300m巻けるサイズのもの。アタリセンサーやフカセ専用クラッチを装備した船用リールが最適だ。
なお、船宿にはレンタルタックルが用意されていることがほとんどなので、これを利用するのも良い。
仕掛け
自作も可能だが、枝スとミキイトを編み込みで接続するなど技術が必要なので、市販品を購入するのがベター。仕様はハリス5~7号、全長が6~10mで2~3本バリのものを使い分ける。
仕掛け本体のほか、ミチイトと仕掛けを接続するサルカンの重量を浮力で相殺するため、必要に応じて発泡ウキを仕掛けとミチイトをつなぐサルカンの直上に装着する。ウキの大きさは6~8号だ。
ウキの接続法は、ミチイトの先端にチチワを作り、発泡ウキの穴にチチワを通す。仕掛けを流すとウキはチチワの結び目で留められる仕組みだ。チチワの先端部に仕掛けのサルカンを通すが、スナップ付きサルカンであれば、仕掛けの交換が容易になる。なお、市販仕掛けはすべてスナップ付きサルカンとなっている。