鷹巣、三国の完全フカセ釣りと言えば、5月解禁の鷹巣沖のマダイ釣り、6月に解禁する玄達瀬のヒラマサ釣りが花形だが、秋も面白い釣りが楽しめる。今回、三国から鷹巣にかけての海域を舞台に、秋の完全フカセ釣りの魅力について紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
釣り方
釣り場でのゲームマネージメントは、船長が魚探の情報や潮速を見て、知識と勘で判断し大筋を組み立ててくれる。
私たち釣り人が行うのは、その先の細かい工夫。例えば2~3人で釣りをするなら、各自で役割分担し、発泡ウキのサイズを変えたり、アタった距離(タナ)を共有するなどしてチームプレーで釣果を伸ばす。
また掛けた魚を獲り込んだり、仕掛けを回収する間にも寄った魚が散ってしまわないよう、定期的に少しずつまきエサをまく。釣りの最中や誰かがやり取りしている間に、他のメンバーがこの役目を担う。
仕掛けの操作
投入直後、10~15mイトが出るまでは、手でスプールからミチイトを引き出し、少しずつイトを送る。イトが潮に乗ったら、あとは潮流に任せる。
潮が素直に船の下側に流れるときはいいが、上潮だけ流れてイトが緩んだり、アンカー潮と呼ばれる潮で沈んだ仕掛けが船のトモからミヨシに流れてしまう場合は、アタリの想定される地点まで仕掛けが流れたら、いったんクラッチを切ってイトを張り、再び流し直すなどしてアタリを取りやすくする。
やり取り
アワセについては食ってすぐに大アワセしても、イトがフケているため空振りになる。そこで、アタリがきたら素早く全速巻きにして、「巻きアワセ」を行う。サオに魚の重量が乗ったら巻きスピードを落とし、適宜追いアワセを入れる。
ファイトについては、5~7号のハリスで80cmを超えるヒラマサやブリ、大ダイと渡り合うので、強引なやり取りはNG。ヒラマサの場合は根ズレを防ぐため、多少強引なやり取りも必要だが、ドラグを駆使し「切れないギリギリ」でうまく対処する。
その他の魚の場合も、魚が突っ込んだらイトが出る程度にドラグ調整し、口切れを防ぐよう心がける。加減に自信がなければ船長に調整してもらおう。
取り込み
船下まで寄ってからも、ヒラマサやブリ、ワラサはもうひと暴れする。特にヒラマサの場合は、船底でハリスを切って逃走する場合がある。残り20m以内まで来たら、もうひと暴れすることを念頭におき、立ち上がってサオを送るなど、急な対処ができるよう体勢を整えよう。
ラストは、魚をどう誘導するか船長が指示をくれるので、それに合わせる。誤った行動をとると隣の人と絡んだり、スクリューにイトを巻かれたりすることになる。魚が落ち着いたら、船長がハリスをつかんで手繰り寄せ、タモですくってくれる。ここまでくれば右往左往せず、あとはプロに任せよう。