伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「両トロロをやってみよう」。今回は基エサの作り方編。コツはトロロ繊維を切らないようにと言うのだが……。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
基エサ作りの手順
さて今回はいよいよ美緑を使用した基エサ作りを紹介する。伊藤アドバイザーの聞きとりやすくやさしい声を生でお届けできないのが残念だが、どうにか活字にしたので見てほしい。なお、今回は美緑の裏書きどおりのブレンドで作る。
(1)極上とろろハード1分包を、エサボウルの中で広げるようにしてよくほぐす。とくに固着した部分はていねいにほぐして、全体が均一にフワッとなるようにする。
(2)水300㏄を3回程度に分けて全体(裏側も含む)に浸透させる。計量カップから直接注ぐのではなく、手のひらで一度クッションさせつつ、上から軽くトロロをたたきながら注ぐと全体に水を行き渡らせやすい。とにかくこの段階では焦らず、じっくり水を浸透させることが肝要。
(3)5分ほど放置。
(4)とろスイミー50㏄をまんべんなくトロロの上に振りかけて『エサボウルを回しつつ縁から中心に向かって折り畳むように軽くたたく』(←この作業を以降はAと表記)。そして差し込む。とろスイミーは吸水に時間を要するので、この段階では多少まばらでも構わない。
(5)美緑300㏄を数回に分けてトロロ全体に振りかけたら、作業Aをていねいに繰り返す。トロロの繊維を切らないようにするのが鉄則だが、それを恐れて不十分な混ぜ方だとかえって麩材とトロロが均一に混ざり合わない。美緑の利点はトロロ繊維を切りづらい点にあるので、怖がらずに作業Aを行おう。
(6)ある程度、麩材とトロロが全体になじんだら使う分だけを小分けし、さらに作業Aを30~40回繰り返してでき上がったものが基エサ。残りは直射日光と風が当たらない所(クーラーボックスなど)に保管する。
怖がらず丁寧に
「コツはとにかく怖がらずにていねいに作業Aを繰り返すことだね。ダマになってたり、色が一部分まだらだったりするほうがよくないから」
こすり付けるようにはしないのですね?
「それはない!それをやるとトロロの繊維が切れちゃうからね。あえて切る(開かせる)ってことも釣況次第ではやるけど、基エサ作りの段階ではタブーだね」
でも正直、これだと基エサの量が少なくないですか?すぐに使いきってしまいますよね?
「であれば倍の量を作ればいいだけのことなんだけど、トロロの量が増えるほど均一に作るのが難しくなるから、不慣れなうちはこのくらいから始めたほうがいい。それで何回か作って慣れてきたら量を増やせばいいんじゃないかな」
つまりアレですね。前日に自宅でトロロを仕込んでくるのは、現場で何度も基エサを作るのが面倒だからってこともありませんか?
「まあ、そうだね。ダンゴエサと比べて確かに基エサ作りには時間を要する。ならば大量に家で仕込んで、それをクーラーボックスなどに入れて持ち込んだほうが、はるかに現場での作業はラクになるし、そのぶんだけエサ打ちを中断することも少なくなる。せっかちな記者さんは自宅派かな?」
おそらく(笑)。でも美緑って、事前作りにも対応しているんですよね?
「もちろんだよ。現場で作れる即効性があるにも関わらず経時変化も少ない。まして直射日光も風も当たらず、冷えた保管庫内であればなおさらだよね」
であれば基エサ作りに関しては素人の記者でも何とかクリアできそうですね。でも問題はハリ付けなんですよねぇ……。
「だよね。トロロを嫌う多くの人がそこをネックにしてるからね。では次週は、いよいよ実践的な使い方編をやろうか」
待ってました!よろしくお願いします。
次回も「両トロロをやってみよう」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>