伊藤さとしのプライムフィッシング【両ダンゴの宙釣り・管理編：第3回】

「あれ？どこまで話したっけ？」

「そうだったね。ゴメンゴメン。復習すると記者さんのハリ付けは、どちらかと言えばていねいなほう。ところが触りが出ない。そこでエサを軟らかくする。すると途端にエサが持たなくなるだったよね」

「と言うことはだよ、根本的な問題は軟らかくする前のエサで触りがでない点だよね。だって触りなりアタリが出れば軟らかくなんかしてないのだから」

「であればもう少し開く基エサを作ってみたらどう？またはもっと仕掛けをゆっくり落下させるとか」

「いやいや、そこじゃなくて問題はウキの動きでしょ。ボクが思うに記者さんのエサは、そもそもが持ち過ぎなんだと思うよ。エサがしっかりし過ぎているとか、ウキの浮力が強すぎるとか、ハリスが短いとか。あとはハリが大き過ぎるってのもあるかな」

「断定はできないけどこのいずれか、もしくは複数の要因で、作ったエサの開きが悪い。さらに言うならハリ付けがていねいだから、余計にエサが持ってしまう＝開きが足りないってことかな」

「ではこうはどう？エサって重いエサを軽く使うこともできるし、その逆もある。またネバるエサをハリ付けや仕掛けとかで開かせることもできるし、またその逆で開くエサを仕掛けとハリ付けで強制的に入れ込むなんてこともできる」

「そんなことはない。実は気づかないうちに、みんなが自然にやっていることだと思うよ」

「ボクの場合はどちらかと言えば開くエサをウキとか仕掛けで入れていくタイプかな。でもその逆のほうが反応がいい時もある。そういう時はネバるエサを作って、それをウキなりハリスなりハリの大きさや重さで開くように仕向けるかな」

「そういうこと。あとは、もし今のままのエサを使うなら、もう少し仕掛け全体を軽くするとかもいいかもね」

「管理釣り場の場合、寄せるうんぬんよりも反応＝触り。これに尽きると思うんだよね。反応がいいってことは＝魚も寄せられているってことだしね」

「一気に軟らかくし過ぎてるとか、食わせようとして無意識にハリ付けが小さくなってるとか。覚えがない？」

「あとはネバり過ぎてピンポン状態になってるとかも考えられるかな」

「開きが悪いと食い気のない魚までもタナ付近まで呼び込んでしまい、かえってエサがナジませにくくなる現象のことを言うんだよね。そういう感じになったことはないかな？」

「食い気のある魚ならそれをひったくって食ってしまうけど、食い気がないとただナジミをジャマするだけになっちゃうことがあるんだよね。だから食いが悪い時ほど、開きって重要になるってこと。大事なことだから覚えておくといいよ」