山梨県富士河口湖町にある精進湖は、今季増水と減水で直近はかなりの食い渋りだ。しかし、何かのきっかけで秋の荒食いに突入する日は近い。今週は、精進湖の舟釣りを紹介する。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース熊谷充)
精進湖の概況
本来なら初秋の好機になる、山梨県富士河口湖町にある精進湖の舟釣り。大雨による急激な増水→水位を戻すための減水によって、直近はかなりの食い渋り。
この記事を読んですぐに同湖へとはすすめづらい釣況だが、減水停止など何かのきっかけで秋の荒食いに突入する日は近い。山上湖のさわやかな風のなか、今シーズンを締めくくる良型ラッシュを体験していただきたい。
8月中旬に精進湖周辺を襲った線状降水帯によって、同湖のみならず周辺の湖は急激な大増水に見舞われた。現在は減水に転じたが、はつかりの浜にあるはずの初島は8月30日時点で水面から出ていない。
増水時は季節外れの乗っ込み気配となり、場所によっては良型ラッシュとなったようだ。だがその反動が、今になって襲ってきている。ハタキ後の一服に加えて日に数cmの減水、さらに天候不順による水温低下とネガティブ要素ばかり目立つ。
復調の兆しは現時点で見えてこないが、水位が復調するどこかで秋の荒食いに突入するだろう。なお現在の釣況は、いい人で10枚前後。
残念ながら数枚の日もあるようだが、不思議とオデコは少ない。つまり釣況は悪くとも、同湖自慢の魚影の濃さがアシストしれくれている証拠だ。
精進湖のへらぶなポイント
はつかり荘周辺のポイントでイチオシは、現時点なら大割れロープだ。同湖を代表する好ポイントだけに、エサ打ち回数が多くて居着きの魚を狙える。ただし居ても食わないので、口を使わせるにはこれまで以上の工夫が求められる。
竿を出していないので何とも言えないが、モジリだけなら初島やホテル下ロープ周辺が際立っている。
増水によって、それまで浅場だったエリアに魚が移動しているのは間違いないが、それらが口を使うかどうかは定かではない。ギャンブルかもしれないが、このエリアを底釣りで狙ったら、もしかするかもしれない。
中の湖にも魚はいる。現にエサを打っていると、ウキの近くでモジリが出るくらいだから。なのに口を使わない。釣り方の問題か。
なお、中の湖なら既設ロープ以外にも好ポイントがある。舟を岸着けしてカケアガリの途中を狙うなど、増水時だからこその狙い方もあるはずだ。
精進湖での釣り方とエサ
精進湖での釣り方とエサを解説しよう。
宙釣り
ここまで食いが渋いと、両ダンゴで釣りきるのはかなり難しい。実際、竿頭で目立つのは角麸やトロ巻きセットだ。だがこの時期だからこそ、両ダンゴで楽しみたいという人も少なくない。ならば定番のチョウチンではなく、中尺竿を用いた中途半端ダナ狙いを提案したい。
誰も狙っていないエリアのタナや、舟からウキの立つ位置が離れるなどの食い渋った時の打開策で、過去に何度か助けられた経験がある。
竿は13尺以上で、理想は14~16尺。タナは2本前後を狙う。これで短竿浅ダナと同レベルのリズムで打ち返す。注意したいのが、ウキの大きさ(浮力)。竿が長くなったからといってウキを大きくせず、あくまで短竿タナ2本のイメージのウキを使うことが大切だ。
逆の見方をするなら短竿浅ダナの釣りのまま、竿だけを長くしてタナ2本前後を狙うと解釈してもらえればいい。
底釣り
待てる釣り=食い渋り対策とするなら、底釣りほど強い釣りはない。ただし、それは良質な底があってこその話。ここまで増水すると、それまでの底釣りポイントが崩壊してしまっているし、またそもそも底に届かなかったりする。つまり新たな底釣りポイントを見つけなければならない。
何尺で底に届くのか。届いたとしても底の状態は。さらに根掛かりは。など心配のタネが尽きないのが底釣りのネックだが、仮に良底を見つけられれば渋いなりの好釣果を得られやすい。
なお新規底釣りポイントにおいては、既存ポイントよりも長くガマンが必要だ。前者は1~2時間が移動の目安だが、後者なら2~3時間は打ちを続けたい。なおエサは両ダンゴでいい。宙釣りと異なって底釣りはジャミが多いので、グルテンは通用しづらい。
<週刊へらニュース熊谷充/TSURINEWS編>