初夏の波止やサーフはキスのパラダイス。ダイナミックな投げ釣りも楽しいが、ライトタックルで狙うチョイ投げのキスも手軽で魅力たっぷり。今回は誰でも楽しめるチョイ投げキスのハウツウを詰め込んだぞ〜。
概況
夏を代表する身近なターゲットといえばキス。
投げ釣りや船釣りなどで狙えるほか、ライトな感覚での陸っぱりでのチョイ投げで親しまれるようになって久しい。
今年もいよいよ砂浜の女王キスにあえるシーズンがやってきた。
キスの動きを見てみると、大阪湾など身近な波止やサーフで釣れ出すのが5、6月。
そこからいわゆる乗っ込み期に入り8、9月が産卵期となる。
産卵を終えたキスが次は越冬での体力を蓄えるために荒食いするのが10、11月でこれが落ちギスと呼ばれるシーズン。
以降は深場に落ちて越冬をして、春の水温上昇とともに再び接岸を始める。
陸っぱりやイカダ、船などから深場に潜むキスを狙った釣りが越冬ギス釣りだが、釣り場は限られる。
初夏は接岸してきたキスが産卵のために、浅いエリアでよくエサを食べるシーズンで、いろいろなサイズが入り交じって楽しめる。
また、ごく浅い砂浜などにも潜むため、遠投しなくても手軽に釣ることができる。
釣り場
キスの釣り場となるのは潮通しがある程度いい、砂泥底のエリア。
深さは数10cmもあればキスが潜む可能性は高い。
防波堤や磯など足場はさまざまでも、沖が砂泥底ならキスは狙える。
ということで、最初は砂浜や小さな防波堤など足場のいい場所から楽しむといい。
そんな場所では豪快に長い投げザオをフルスイングして爽快に楽しむのもいいが、2m前後のシーバスロッドに軽いオモリを使ったチョイ投げなら、力のない女性や子どもも十分楽しめるので魅力。
ここではチョイ投げをテーマにキスの釣り方を紹介していきたい。
ロッド
チョイ投げのタックルは元々専用のサオがなく、シーバスロッドやコンパクトロッド、さらに感度を重視して、ロックフィッシュ用やアジング用などのライトなロッドを代用する人が多くなっている。
キスのアタリ……というよりは底の変化をとらえやすい感度……といったところだ。
小型のスピニングリールにPEライン1号程度、リーダー3号前後を巻いておけば十分。
オモリは水深や風の強さなどによってかえるが、浅場でなぎの日なら3号程度、重くても10号まででサオの適合ウエートに見合ったオモリを使う。
オモリが軽いように感じられるが、細いPEラインを使うことで抵抗が小さく、案外飛距離が出る。
慣れれば70~80m投げることも可能だ。
そして、オモリが軽いほど着水音も小さく、キスに警戒心を与え難いので食いもよくなる……という寸法だ。
天秤
さて、チョイ投げに使う小型のテンビン(3~10号)は、最近では各メーカーから発売されているので利用したい。
多いタイプはL字型と逆V字型。
L字型は投げ釣りに使うテンビンをそのまま小さくしたようなタイプで、遊動式、固定式があるが基本的に固定式でいける。
逆V字型はその名の通りV字を逆さまにしたような形状で、頂点にリールからのライン、足の片方にオモリ、もう片方に仕掛けが接続される。
特長は仕掛けを引きずるときに、ラインと仕掛けが一直線になることでアタリがダイレクトに伝わる点。
仕掛けはモトス1.5号にハリス1号程度で、扱いやすいように全長は70cm~1m程度。
エサ
工夫したいのはハリ。
軸の太いタイプよりも、できるだけ軸が細くてキスが吸い込みやすい競技用のキスバリがお勧め。
サイズは6~7号で2本バリくらいが扱いやすい。
チョイ投げ用の市販仕掛けでも、競技用バリを使ったものが発売されている。
エサはキスには定番となるイシゴカイ、アオイソメがメーン。
そんな時は釣具店で売っている石粉を持参してゴカイを数匹ずつ石粉にまぶしてハリに刺す。
基本的にはハリの軸に対して真っすぐになるように刺して、1、2cmの長さでカットする。
イシゴカイの場合は1匹掛けで長く垂らさないと食わないこともあるので、現場でいろいろと試して工夫してみよう。
生の虫エサが苦手な人のために、ゴカイに似せた人工エサもある。
<週刊つりニュース関西版 編集室/TSURINEWS編>