山上湖がいよいよシーズンイン。山梨県富士河口湖町にある精進湖でも、良型地ベラがポツポツと口を使い始めた。今週はヘラブナ推薦釣り場としてこの精進湖を紹介する。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース熊谷充)
精進湖・赤池の概況
春は風との闘い。できれば風に強いポイントを選びたい。そこで有望なのが赤池エリア。本湖に面していないので大波が立ちづらく、多少の風なら苦にならない。良型地ベラ相手なので難易度は高いが、攻略しがいのある魚ばかりだ。
4月24日現在、ほぼ平常水位。良型地ベラが主体で、放流物の数釣りはあまり期待できない。
朝は平穏でも午後近くになると風が強くなるのが、この時期の特徴。そのため風に強いポイント選びが何よりも重要。
近年はブラックバス釣りも盛ん。とくに好天だと多くのバサーが湖面に浮かぶが、強風で本湖が釣りにならなくなると赤池エリアの人気が高まってしまう。不慣れなバサーだとウキ近くを舟が通ったり、ロープにエレキがぶつかったりと釣りのジャマになるケースが出てくるが、よほどのことでないかぎり大目に見てあげよう。
ポイント
魚が浅場を意識しているためか、水深が浅めの浮島ロープ周辺の魚影がとくに濃い。次いで黒岩ロープ周辺。水深がたっぷりあるコタツ、新ハヤマ、新赤池の各ロープは底釣りではなく、宙釣りに分がある感じだ。
なお各ロープとも可能であれば振れ止めロープ付近に着舟すれば、前後の揺れはかなり軽減される。
各ロープとも舟の向きに制限はない。通常は沖向きだが、風向きがよくなければ岸向きも可能。よって岸向きに転じる可能性があるなら、岸側に竿が振れるだけのスペースがあるロープの位置にあらかじめ着舟しておくといい。もしロープのすぐうしろに溶岩帯などがあると竿を出せない。
釣り方とエサ
「底釣り」と「宙釣り」の2パターンを紹介しよう。
底釣り
大岩、浮島、黒岩ロープなどの竿18~19尺以内で底に届くエリアが有望で、それ以上深い所では宙釣りがいい。エサはグルテンセットまたは両ダンゴ。
良型地ベラが主体なので、放流物のように早いアタリはあまり期待できない。待って待ってドンのようなアタリになるので、最後までエサを持たせることが重要。触って落とさないのは、エサが持っていないか、魚が上ずったかのどちらかだ。
前者ならエサ持ちをよくする対応になるが、練り込んで持たせるのはあまりオススメできない。ダンゴにしろグルテンにせよ、開きや膨らみを持たせつつ決めアタリまで持つように芯が作れるブレンドに変更してみよう。
後者なら置きバラケを数発打って様子をみる。この際、上下ともエサはダンゴでハリは上差し。チモトは押さえずに、表面を丸くきれいに整えるだけにする。グルテンエサは舞い上がりやすく、空振りが続くと上ズリを助長する。何度も続くようなら、あえて両ダンゴにして魚の口を下に向けさせるようにしよう。
舟の揺れ対策も忘れてはならない。とくに底釣りはラインテンションがかかるとアタリが出にくくなるので、なるべくウキにテンションがかからない釣りを心がけたい。
以下は舟の前後揺れが大きくなった時の対処法。
(1)ウキ止めの位置を、穂先から最低でもウキ全長1~2本分空けて余裕を持たせる。
(2)沖に振り込まず、なるべく穂先の真下にオモリを着水させるか、振り込んだら竿尻を手前に大きく引いて、仕掛けがナジみ込んだら元の位置に戻す。
(3)舟の揺れ幅が大きくなったら竿を竿掛けに置かず手持ちにして、ウキがなるべくフリーになるように舟の動きに合わせる。
宙釣り
竿10~13尺でタナ1本半前後、または竿10~18尺のチョウチン。エサは良型地ベラが主体ならウドンセット、放流物メーンであればグルテンセットまたは両ダンゴがいい。
まだ盛期ほど活性がないので、難しい釣りを強いられることが多い。とくに流れが発生すると、難易度は増す。
だがアタらない=セット釣りとは限らない。流れの影響が明白であるなら、あえて共エサで挑むのも一つの手法だろう。
<週刊へらニュース熊谷充/TSURINEWS編>
精進湖