いよいよ乗っ込みシーズンを迎えたダム湖のヘラブナ釣り。ここでは、直近の釣況を踏まえ、室生ダムの乗っ込み攻略法を説明したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター久保一美)
乗っ込みヘラ開幕
3月の声を聞くと、いよいよヘラブナが産卵期(乗っ込み)を迎えるシーズンで、待望のダム湖のヘラブナ釣り開幕となる。
水温の下がる冬場は、ヘラブナの体温も低下することから深場に集まりエサを食わない。しかし、そんな状態も3月になると一変、水温の上昇とともに巣離れして、桜前線と同時に浅場へ乗っ込んでくる。
乗っ込み開幕の条件
まずこの時期一番大切なのが、水位だ。室生ダムは例年、年末から年始には満水位だが、今年の水位は減水で、3月22日にほぼ満水位状態になった。
そして、ダム湖へそそぐ上流の宇陀川、内牧川、そして荷坂川、さらに天満川などの谷川から強雨などで濁水が入れば、水温上昇とともに一気に浅場へ乗っ込んで産卵を迎える。これは本湖のみならず、副ダムにあっても本湖から遡上して川筋でも産卵する。
ヘラブナの状態
次にヘラブナの状態だが、前述の通り満水位になった3月22日ごろから天満川の川筋の地蔵橋ワンドを中心にハタキが開始され、40~45cm級が釣れだした。
ただ、これは第一回目のハタキであり、今後の降雨や水温の上昇で減水位の夏水位となる5月半ばまで、第2回、第3回とハタキが行われる。従って、乗っ込み期の釣りは5月20日ごろまでと考えていいだろう。
仕掛け&エサ
この時期は障害物周りとなることや、50cm近い腹パンベラも釣れることから、太仕掛けが無難。図の通りミチイト2号、ハリス1号は必要だろう。エサもマッシュベースになることから、ハリは9~16号の太軸バリがいい。比較的浅場の草や障害物に産卵することから、ウキにあっても小ウキのパイプトップも必要。
エサはマッシュベースで、すでに浅場に回遊していることから、フ系(集魚材)のエサは必要ない。マッシュ、巨べら、マッシュだんご、藻べらといったエサをブレンドするといい。
この時期、私がよく使用しているエサを紹介すると、巨べら200cc、新べらグルテン100cc、水200ccを先にブレンドした後に、藻べら100cc、BBフラッシュ100ccをブレンドしたものだ。
活性のない時は、新べらグルテン100cc、新べらグルテン(底)100cc、水180ccの両グルテンでもOK。
釣り方のキモ
乗っ込み期のヘラ釣りは、産卵のために浅場に入ってくる抱卵ベラが狙いとなる。浅場でバシャバシャ産卵しているヘラは口を使わず、掛かっても大半がスレ。ウキを消し込むような大きなアタリには手を出さないこと。食いアタリは一節、二節の〝ツン〟、〝チクッ〟といったものが多い。
もう1点は、底にこだわらないこと。根掛かりするようであれば10~20cm底を切った釣りでも十分食ってくる。
室生ダムの近況
最近の状況だが、3月23日、24日に地蔵橋下流左岸の柳周りでサオを出した。サオは12尺、ミチイト1.5号、ハリス0.8号で、ハリは上バリがセッサ10号、下バリは同9号とし、タナを測ると約3mであったことから、2mで打ち始めた。
エサは巨ベラ200cc、新べらグルテン100cc、水200cc、藻べら100cc、BBフラッシュ100cc。
モジリも少ないため約30分近くエサを打ち、ボウル2杯目でジャミのハスがスレであったが掛かった。その直後、ウキが返った後ツンと一節のアタリで41cmの体高のあるダム湖特有のヘラが釣れた。続いて同様のアタリで42cm、40cmと連発し、午後2時半ごろに45.5cm、46cmと尺半級も連発の好釣果を得た。
3月23日は41~46cmを17匹の釣果だった。室生ダムは魚影もさることながら毎年50cm級も釣れることから、今後が楽しみだ。
<久保一美/TSURINEWSライター>
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