1月13日(水)、東京湾金沢八景の鴨下丸を訪れ、テンヤタチウオを楽しんだ。良型タチウオを中心に本命多発。厳冬期の攻略法も紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・大村隆)
鴨下丸でテンヤタチウオ
受け付けを済ませるとエサの冷凍イワシを購入して船へと向かう。使用するエサは、その日のタチウオの活性にもよるがおよそ10~20尾ほど。イワシは船宿で購入できるが在庫は少なく、また入荷は不安定なので、なるべく事前に用意しておきたい。
右舷トモに入り、タックルの準備に取りかかる。出船前、ライフジャケットの着用、ゴミの海上投棄厳禁、喫煙場所の指定、忘れ物確認のアナウンスがある。
まずはストップ&ゴーで様子見
7時20分、高山将彦船長の操船で桟橋を離れて釣り場へ向かう。振り返ると三浦丘陵の上に冠雪した富士山が朝陽に輝き、絶好のロケーションが広がっていた。
航程10分でスローダウン。「この辺りから探っていきます。用意してください」のアナウンスでエサ付けを始める。(1)テンヤの形状に合わせて、イワシの頭部をハサミで切り落とす(2)まっすぐになるようテンヤ付属のワイヤーで縛って固定。
反応の上に船は停まり「はい、いいですよ。海面下60~50mを探ってください」とスタートの合図。片方の手にテンヤを持ち、竿の弾力を使って前方へ程よくキャスト。ミチイトのマーカーで確認しながら送り込み、下ダナでストップ、そこから誘いの動作に入る。
まずは基本のストップ&ゴーで様子見。(1)竿先を水平に構え、リールをクルクルと2回転巻いて止める(2)5秒のポーズを入れ(3)また巻いて止める(4)この動作を繰り返し、上ダナまで丹念に探る(5)アタリがなければ、また下ダナから誘い上げる。
同船者にドラゴン級の本命
3往復したがアタリはなく、巻き上げてテンヤの点検をしたが異常はない。ドサッバタバタッと背後からの音に振り返ると、左舷トモに座る秦野市の清水さんがドラゴン級を取り込んだところだ。「こちらも早く対面したい」と懸命に誘うが、またも背後からの音。隣席の人も同様のサイズを取り込み、高々と掲げて満面の笑みだ。
2人の誘いを見てみると、どちらとも微速巻きで誘っている。さっそくマネて、下ダナからスローで上げてくると57 m でコツンと竿先を弾くアタリ。そのまま巻き続けるとコツコツときた直後にグイーッと持ち込んだ。逃さずアワセをいれるとズシンと竿は大きく曲がる。
「微速巻き」が効いて本命手中
一瞬、根掛かりしたかのように竿は起きない。ジワリとわずかに浮いた直後から怒とうの引き込みがやってきた。両足を踏ん張り、手巻きを強引に加えてから、電動リールのスイッチをON。強烈な引き込みが訪れるたびにリールは一瞬、ストップ。ズルッとミチイトはわずかに引き出される。
やがて、リーダーが見えたところで竿を立てながら引き寄せ、海中をのぞくと銀色の魚体をくねらせたビッグサイズが浮上してきた。腕をいっぱいに伸ばし魚に近いところをつかむ。ドサッと船中に抜き上げて、首根っこをしっかりと握り、ペンチを使ってハリを外した。
キモは「誘いの変化」
下ダナから微速巻きで探り上げてくると、次も同じタナでコツコツときて直後にフワッとテンションが消える。魚が食い上げたのだ。素早く巻き取り、アワセをいれるとまたもズシンとのってきた。相次ぎ訪れるダイナミックの引き込みを存分に楽しみながら巻き上げて、2尾目を確保。
厳冬期のタチウオは難易度が高く、あれやこれやと誘いを変えなければアタリは訪れない。また食ってきてもハリ掛かりまでひと筋縄ではいかない。それだけに奥深い面白さがあり、多くのファンが夢中になっている。また、この時期のタチウオは上品な脂をたっぷりと蓄えており、食味も絶品だ。
試行錯誤を重ねながら4尾目を取り込んだころ、アタリの間隔が開いてきた。すると船長から竿上げの合図があって、新たな群れの探索に入るが、すぐに制動がかかって再開。合図で投入するとまたコツンと反応が訪れる。