古和浦のグレ釣り場を紹介
2020年も残すところ後わずかとなり、磯のグレ釣りも晩秋の釣りから寒の釣りへと移りかわろうとしている。北寄りの季節風が吹き始めると、20℃近くあった海水温も徐々に低下。特に三重・紀東方面の各磯は16℃前後まで下がるとエサ取りも急激に減ってきて、本格的な「寒グレ」のシーズンを迎える。
そこで今回は、磯のグレ釣り初冬期の中型(30~40cm級)が数釣りできるうえ、厳寒期に大型(40~50cm級)が高確率で狙える釣り場として、三重・南伊勢町古和浦の磯群を紹介したいと思う。
古和浦エリアの歴史
古和浦は約17年ほど前に解禁された磯場で、まずは古和浦漁港を出て東側の赤島から大島にかけての沖磯群とビシャゴ、仙台島、アシカなどの湾内磯までが渡船区域として渡れるようになった。
それから数年後、西側のオワセから市屋島までの西磯群が解禁となった釣り場で、当初は10軒の渡船店でスタートした磯渡しも、現在では4軒が各日毎の磯割りによって営業を行っている。
釣れる魚はグレはもちろんのこと、良型のイサギや70cmを超えるマダイ、秋口にはハマチやメジロといった青物が回遊し、湾内のチヌ釣りはロクマル(60cmクラス)が狙えるとあって、磯が解禁される前からかなり有名であった。
大型イシダイも有望
また、解禁初日から多くの底物師が訪れ、連日、大型のイシダイが釣れ続き、それがどの磯からでも釣れていたので、あまりの魚影の濃さに驚かされたことを今でも覚えている。近年は少し釣り荒れが影響してか、爆釣の情報を聞くことも少なくなったが、それでも乗っ込みシーズン時には50~60cm級の良型イシダイが上がっているようだ。
グレに限っては、解禁時の釣れっぷりとまではいかないものの、2020年のシーズンも、晩秋の時期に沖磯周りで30~45cm級の口太グレが尾長グレ交じりに釣れていたので、寒グレシーズンを迎える頃には45~50cm級の大型も姿を見せることだろう。
古和浦磯の攻略法
最後にこのエリアの特徴と攻略法を紹介しよう。
特徴
磯の特徴としては地方の磯からハナレ磯など、バラエティーに富んだ磯で構成されており、特に東磯は離島さながらの雰囲気をかもしだしていることから、私自身もどちらかといえば東磯の当たり番を好んで釣行している。磯の数では紀東方面の磯場の中でも屈指の釣り場といっても過言ではないと思う。
水深は一部の磯を除いて全体的に浅場が多いように思われるが、底根や溝が複雑に入り組んでおり、グレにとって格好の住み家となっているようだ。
釣り方
従って、釣り方はウキ下2~3ヒロを基本に、エサ取りの活性や磯の形状に合わせて、タナを随時、調整していくようにすればよいが、磯によっては竿1.5本、2本と深くして良型がアタってくることもしばしばあるので、渡る磯が決まれば、事前に船長のアドバイスを受けておくと、より大型のグレに出会える近道になるだろう。
古和浦の磯群で45~50cmオーバーが高確率で狙えるオススメの磯は東磯では平家島、大島、沖の平島、赤島、西磯群では市屋島、トビヤ、角石のハナレ、角石の地など、甲乙つけがたい好磯がひしめきあっているので、事前の情報取集をしっかりとした上で狙いの磯が決まれば、4軒の渡船店の磯割りを調べて予約を入れるようにしよう。
<兵頭良弘/TSURINEWS・WEBライター>