大阪湾の沖波止紹介:神戸港西エリア3つの沖堤 秋は青物&タチウオ好機

大阪湾の沖波止紹介:神戸港西エリア3つの沖堤 秋は青物&タチウオ好機

大阪湾には渡船を利用して四季折々の釣りが楽しめる沖堤防が数多く存在する。そんな中から今回は、テトラと基礎石が育む釣魚の楽園ともいえる神戸港西エリアの沖堤防を紹介しよう。

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(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)

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堤防釣り 海釣り

神戸港西エリアの沖堤防

神戸港の沖堤防は、ポートアイランドを境に東エリアと西エリアに分かれている。以前の投稿で紹介した東エリアの各防波堤がいずれも垂直ケーソンの形状なのに対し、今回紹介する西エリアの各防波堤はいずれもテトラが積まれており、ケーソンを支える基礎石の海底の様子も所々起伏があるのが特徴的だ。

渡船と近辺の釣り具店

このエリアの沖堤防は略図のようになっており、屈指の好釣り場として有名な和田防波堤をメインに、その南の沖に造られた新波止、ポートアイランド第1期工区の名残りとして東向かい側に姿を見せる短いポートアイランド赤灯波止の計3か所が、渡船利用の釣り場としてあげられる。

大阪湾の沖波止紹介:神戸港西エリア3つの沖堤 秋は青物&タチウオ好機和田防波堤周辺の沖波止(作図:WEBライター・伴野慶幸)

渡船店は、谷一渡船なども不定期に渡しているが、常時渡しているのは河内渡船。常設店舗を構え、乗船手続きも店で行うほか、アミエビやオキアミなどの冷凍エサや氷、簡単な釣具なども販売している。

もっと手広い品揃えを求める場合は、河内渡船と協力関係にあり、このエリアの釣り場の事情にも精通しているフィッシングマックス神戸ハーバー店が近辺にある。

渡船店の場所、利用方法、釣果情報など、詳しくは各店のホームペーシで確認してほしい。

渡船利用時の注意点

渡船利用時には、救命胴衣の装着が義務付けられているほか、安全面やスムーズな乗降の点で、船長の指示には必ず従ってほしい。

河内渡船のルール

河内渡船では、

1.船に乗り込む直前に、船長に乗船券を見せる。
2.船の屋根のテント敷に置けるのはロッドケースのみで、その他の荷物は船の外枠に設けられた棚に置くか、船内に持ち込む。
3.船内の入口付近は通路として一定空間を空ける。

といった乗船時に独特のルールがあるので、利用経験の少ない人は、常連など慣れた人の乗船時の様子を参考にするといいだろう。

また時節柄、新型コロナウイルス感染防止対策として、マスクの着用や釣り人同士のいわゆる三密行為を避ける行動にも注意が必要だ。

夏場は暑さ対策が必須

さらに、夏場から彼岸の頃までは、熱中症や脱水症状対策も怠れない。アルコール類や甘味の強い飲料は避けて、薄目のスポーツドリンクやお茶系の飲料を十分に持参して、こまめな水分補給を心がけてほしい。暑さが特に苦手な人は、氷や瞬間冷却パックなどを持参するのもよいだろう。

ゴミの持ち帰り

あと、つい見逃しがちなのがゴミ対応。サビキ釣りやエサ釣りではどうしてもゴミが生じる。水分補給のためのペットボトル飲料などもしかり。以前はゴミ袋にも流用できたレジ袋が、7月1日から有料化されたので、エサ店では無料ではもらえない。釣行の際はビニール袋の持参もお忘れなく。ただし、波止の上にゴミ箱はないので、必ず各自で持ち帰るように。

3つの波止の特徴

では3つの波止の特徴を順に紹介する。

和田防波堤

大阪湾の沖波止紹介:神戸港西エリア3つの沖堤 秋は青物&タチウオ好機和田防波堤(提供:WEBライター・伴野慶幸)

正式名称を第1防波堤といい、ポートアイランド西側に位置する全長1140mの沖防波堤で、神戸港の沖防波堤の中でも、様々な釣り方で四季折々の釣り物が狙える屈指の好釣り場だ。

防波堤の構造は、外向き(沖向き)はテトラ帯、内向き(陸向き)は垂直ケーソン構造で、手前から沖20mぐらいまでは海底に基礎石が詰まれ水深は浅い。海面との高低差は内向きで4m余りなので、タモ網の柄は5mあれば十分だが、外向きはテトラの傾斜分と足場の悪さを考慮すれば、釣り座を構える場所によっては6mのタモも選択肢と言えよう。

テトラは魚の居付きのいい場所なので多くの釣り人は外向きを好むようだが、不慣れな人や初心者・ファミリーなどは、安全上、決して無理せず安全な内向きの釣りにも目を向けてほしい。実際、内向きの基礎石も、テトラに負けないぐらいが釣魚を育んでいる好釣り場で、釣法次第で釣果をあげることができる。

和田防沖新波止

大阪湾の沖波止紹介:神戸港西エリア3つの沖堤 秋は青物&タチウオ好機和田防波堤沖新波止(提供:WEBライター・伴野慶幸)

和田防の白灯台から南の沖に見える全長約300mの防波堤で、正式名称を第1南防波堤という。西向きは垂直壁面のケーソンで、海面からの高低差は約4mと比較的安全で、足場もいいことから、回遊魚とヘチ釣り・落とし込み釣りでのチヌの好釣り場として人気が高い。特に回遊魚は、波止が北北東から南南西に向けて作られていることから、西向きが格好の釣り場となり、朝マヅメにはルアーマンやノマセ釣りの釣り人が数多く居並ぶ。

東向きはテトラ帯で、フカセ釣り、前打ち、ミャク釣りのフィールドとなっている。斜めに積まれている和田防とは違い、新波止のテトラは平坦に敷かれていて釣りやすさを感じる。タモ網の柄は和田防と同様に、西向きの垂直ケーソンでは5m、東向きのテトラでは6mが適している。

ポートアイランド赤灯波止

大阪湾の沖波止紹介:神戸港西エリア3つの沖堤 秋は青物&タチウオ好機ポートアイランド赤灯波止(提供:WEBライター・伴野慶幸)

和田防の東側白灯台から第二航路を挟んだ対岸にその姿を臨むことができる。ポートアイランド第一期工区の一部として、西端から南向きに突き出る全長わずか100mの目立たない防波堤だが、好んで渡る常連もいる穴場的存在。足場がよく、海面との高低差は4m余りと安全な釣り場で、タモ網の柄は5mあれば全域で対応できる。東側にはテトラが積まれていて、フカセ釣りのフィールドになっている。

また、入れる人数は少ないが、灯台周りも好ポイントの一つで、遠投のウキサビキ釣り、ルアー、ノマセ釣りでは回遊魚、ミャク釣りでは根魚やカンダイが狙えるほか、「ポイ投げ」と呼ばれる近投の投げ釣りではキス釣りが楽しめる。西向きは垂直ケーソンで、基礎石をこまめに探るミャク釣りが面白い。

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