日本は四方を海に囲まれた島国であり、季節や場所によってスーパーに並ぶ魚介類も様々。今回は、7月に旬を迎える東日本のサカナを紹介します。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
北海道の旬 スルメイカ
太平洋、日本海沿岸の各地で夏期を中心に広く漁獲されています。
一年中とれますが、夏から秋にかけてが最も旬と言われており、生食でよし、煮ても焼いてもよしと最高の食材です。
特に函館のイカは津軽海峡の良質なプランクトンを食べてしっかり育つので身が厚くなり、濃厚な味になると言われています。
また、イカは「鮮度が命」です。
現地でしか食べられないイカ刺しのシャキシャキとした食感と、上品な甘みが口に広がり、しょうが醤油や山わさびとのハーモニーにもう箸は止まりません!
東北の旬 マンボウ
一般的にはあまり食材としての認知度は低いかもしれませんが、東北地方では夏の始まりである7月、マンボが最もおいしい時期だと知られています。
あまり食材として利用されないのは漁獲量が少ないことが原因ですが、定置網などでマンボウを漁獲する地方では定番料理や郷土料理として食べられています。
実はマンボウのお刺身は、白身で大変柔らかく淡泊な味わいです。
生身は魚とは思えないような質感で、見た目はイカのようですが、触ると鶏のささ身のような感触をしています。
また、マンボウは身もさることながら、肝や腸は格別に美味しいと言われます。
マンボウは肝臓や腸は独特のうま味とクセがあり脂ものっています。
その食べ応えはまさしく焼き肉のようで熱狂的なファンもいるほどだとか。
珍味として楽しんでみるのも悪くないかもしれません。
関東の旬 イワガキ
千葉県の銚子で水揚げされるイワガキは養殖のマガキと違い、初夏から夏にかけタマゴを胎内に持つため栄養源であるプランクトンを大量に吸収して大きくなり、プリプリした食感が特徴です。
冬に食べるマガキに対し季節がら夏ガキとも呼ばれ、もっぱら生で食べるため地元では生ガキと呼ばれています。
海のミルクという別名があるほどのクリーミーな味わいと、ほんのりと鼻を抜ける潮の香りは夏のこの時期にしか味わえません。
また、生食以外でもカキフライのような揚げものや、焼く・煮るといったように熱を加えても、プリプリとした身の食感を堪能する事が出来るでしょう。
北陸の旬 サザエ
夏に産卵期を迎えるサザエは、産卵前の7月頃は栄養がたっぷりで非常に美味な季節です。
数も多く取れるこの時期はお造り、つぼ焼き、サザエご飯などまさに「フルコース」。
例年、石川県などではサザエやカキなどが食べられるお祭りが開催されますが、今年は新型コロナウイルスの影響で開催は難しいかもしれません。
しかし、ネットで注文すれば数日中には自宅に新鮮なサザエが届きます。
外出を控えていても美味しいサザエをぜひご堪能下さい。
東海の旬 アワビ
アワビといえば三陸地方などが有名ですが、三重県鳥羽・志摩地方のリアス式海岸でも岩礁域が広がる海女漁業が行われています。
三重県では漁業調整規則により9月頃から12月末までの間、産卵期の保護を目的に禁漁とされており、産卵前である7月のアワビは身に栄養がたっぷり詰まって味も食感も最高です。
また、アワビは縁起の良い食べ物とされており、伊勢神宮にも献上されているほか、妊婦さんが食べると目のきれいな子どもが生まれてくるという言い伝えもあるそうです。
和食、フレンチなど、バリエーション豊富に絶品アワビが食べられるこの季節、三重県のアワビをぜひ味わってみてください。
<近藤 俊/サカナ研究所>