ヘラブナ釣りの二大イベントである春の乗っ込みと初冬の放流。放流は人為的なものだが、産卵は魚の本能によるもので、日時は人間の知り得る範囲ではない。しかし場所は特定できる。4月11日はハタキ場に入っていないヘラブナはどこにいるのか、状況を読みながらの宮崎・瓜田ダム釣行となった。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・楢崎人生)
瓜田ダムでヘラブナ釣り
2020年4月11日、数は出ないが釣れれば尺上の瓜田ダムでヘラブナを狙う。釣行日から数日前が満月大潮だったがハタキには入っていなかったようで、ポイント選択としてはハタキ場の付近を狙うのが定石だ。だが今回はあえてハタキ場付近を避けた。
ヘラブナにとって産卵は種の保存に賭ける重要なイベント。ハタキ場付近に入ったヘラは産卵直前。ただでさえ魚影の薄い瓜田ダム。産卵準備中のヘラブナに余計なストレスを与えたくはない。ではハタキ場以外のヘラブナはどこにいるのだろうか。10m近い水深のある場所に座を構え、どのタナにヘラブナがいるのか探りながらの釣りを開始した。
状況を探りながらの釣り
水温は17℃。これでハタキが始まらなかったのが不思議なくらいだ。状況が読めないので両ダンゴのような強い釣りから入らず、丈八チョウチンのうどんセットから始める。
朝一は無風。ブラックバスは跳ねているがヘラのもじりはほとんどない。丈八では特にこれといった反応も得られず、季節的にも水温的にもヘラブナがこれ以上深いタナにいるとは考えにくいので、丈六にサオをかえて探る。そのうちにヘラがもじり始めた。タナが浅いもじり方をしている。サオを丈二にかえ、メーターセットで再開する。
この日の当たりはメーター
丈二のメーターは開始早々から答えが出た。両目を開くことも難しく2枚を超えれば大釣りと言える瓜田ダムで、2時間7枚という釣果。当然全て尺上だ。ただし寄せて食わせたというよりその場を通過したヘラを拾った感じだ。前アタリがあるわけではなく、ウキが不意に一目ほどじわっと沈む。水温からいえばダンゴに食ってきてもおかしくないが、全てクワセを食っていて、それも冬のような弱いアタリだ。釣れてはいるがヘラブナの活性はそれ程高くないようだ。
また風の有無や陽の射し方でタナが微妙に上下するようで、アタリが遠のいたら少し浅くしたり深くすることで、枚数を伸ばすことができた。ヘラの活性が高ければ魚の方から寄ってくるのだろうが、釣り人側がタナを合わせていく状況というのはシビアな証拠だろう。ひとまずこの日の当たりを探り当てたことに安堵した。
強風によるタナの変化。再び探る釣りへ
正午に昼食休憩に入ると予報通り風が強くなってきた。同時にもじりもなくなり、さらにはアタリも遠のいてしまった。丈二でサオいっぱいまで探ったがウキは動かなくなってしまった。こうなるとヘラブナがどのタナにいるのか皆目見当がつかない。寄せて食わせる釣りができるような活性ではないので、かなり難しい釣りが強いられる。
最終的に丈六チョウチンで2枚追加してこの日は納竿となった。