3月中旬、グッと冷え込んで季節外れの雪が舞うなど厳しい状況は続いたが、ようやく好陽気になり、サクラの開花とともに春本番を迎えた。埼玉県東松山市と吉見町の境を流れる市野川は良型の魚影がすこぶる濃いことで知られているが、3月24日の実釣取材では昼までに40cmオーバー交じりでオール尺上のツ抜けをマークするなど、絶好調モードに突入した。沖走りする良型とのやりとりはたまらないものがある。ぜひ、体験しに出かけてほしい。
概況&ポイント
埼玉県大里郡寄居町の溜池を源とする市野川は、大きく蛇行しながら南下し、比企郡川島町で荒川と合流する一級河川。
全域で水深は浅く、少なくとも20年間、放流は行われていないが魚影はすこぶる濃い。
【慈雲寺橋周辺】
アクセスがよく、比較的釣り台を置きやすいのが慈雲寺橋周辺。
現在、橋の700mほど上流にある流川橋から約400m下流にある市野川水管橋までの1kmほどの区間がオススメ。
水深は1mもないところがほとんどだ。
川幅は広いところでも20m強だが、慈雲寺橋から100mほど上流にある横見排水機場からの流れ込みまでのポイントは、土手を広げる以前の川の状態が残っており、左右に分けたほぼ川の半分の右側は浅くなっている。
水深は30cmもないほどで、基本的に右岸側に魚は居着かない。
そのため釣り台を出す左岸からだと18尺竿の振り切りでちょうど浅くなる手前にエサが打てるため、厳寒期などでも竿の選択に迷わなくていい。
盛期は12月中旬から5月いっぱいくらいまでだが、今の時期は朝夕だけでなく、日中など時間を問わずに数釣りが期待できる。
回遊の仕方など、多少の癖はあるものの、ほぼ全域で引きの強い良型野ベラに出会えるだろう。
釣り方とエサ
流れ川のため中・外通しの釣りが基本。
橋直下はコンクリート護岸だが、それ以外の左岸は水中に続くジャカゴ護岸。
掛からないようにジャカゴが切れた先にエサを打つために最低でも12尺竿以上が必要。
厳寒期は長めの竿が必須だが、橋直下から100mほど上流までは最長でも18尺あれば問題ない。
その他のポイントは日並みによって24尺まで用意したい。
ただしこの時期は、13~15尺程度でも問題ない。
仕掛けは道糸1~1.5号。
ハリスは道糸に合わせ0.5~0.8号ほど。
大型対策というより、水深が浅いためハリ掛かりした瞬間、沖走りする傾向にあるから。
ハリも太軸のものが好ましく、厳寒期でも極端に軽いタイプは必要ない。
オモリは通常の流れなら0.8~1号で十分。
エサは時期的なものもあるが、グルテンセットか両グルテンで。
比較的流れが弱いことから状況によってバランスの底釣りでエサを流しながらでも釣れるが、これは厳寒期より活性の高いこれからの時期に試すといいだろう。
ウキはかんざしタイプでないとダメと言うことはなく、使い慣れたものでOK。
<週刊へらニュース APC・若松恵治/TSURINEWS編>
入釣料……無料、釣り台必携。
圏央道川島IC~国道254号を北上し、古凍信号を右折。県道345号(小八林久保田下青鳥線)を東進。市野川に架かる慈雲寺橋を渡り、直角カーブを曲がってすぐ左折すれば左下に河川敷に下りられる道がある。