春アオリイカのシーズン前哨戦、秋に小型だったイカは成長して1kgを超えるサイズも釣れるようになる。春から初夏にかけて産卵期を迎えるが、4月前半は産卵とは関係ない個体もいる。ただ、狙う場所は産卵期同様に藻場が点在する場所がメーン。使用するエギは、イカによりアピールするように3.5号前後の少し大きめを駆使した大型狙いのエギングが面白い。
タックル
【エギ】
サイズは2~5号まである。
これからの時期はアオリイカのサイズが良いため3.5号を使う人が多い。
エギには沈むスピードが速いタイプ、遅いタイプもある。
カラーは豊富にラインアップされ、布でボディーを覆っているものがほとんど。
布地のカラーと下地のカラーの2種類で構成されているものが多い。
アピール力が強いオレンジやピンクは定番カラーで時間帯に関係なく使用される。
アオリイカの活性が低く感じたときにブラウン系などの暗めのカラーが有効になることも。
メーカーによっては使用する時間帯に合わせた特別なカラーも用意されている。
【ロッド】
エギングでは広範囲を釣ることが求められるためエギを遠投する必要性が高いので8ft以上で硬さはM(ミディアム)が使いやすい。
【リール】
スピニングリール2500番クラスでスプールは浅溝タイプが標準的だ。
【ライン】
ロッドのシャクリでエギを操作するため、ライン自体の伸縮は厳禁。
そのため伸びがないことが特徴であるPEラインを使用する。
また、ラインは細い方が水切れが良く、遠投もしやすい。
操作性からも0.6号、0.8号が使いやすい。
ラインと結束するリーダーはフロロカーボンラインの2号、2.5号。
また、エギと繋ぐ部分にはスナップを使うとエギの交換がしやすい。
釣り場所は海底の砂地に藻場がいたるところに点在するところ。
そのような場所にアオリイカは好んで居着く傾向が強い。
地磯のワンドや漁港の波止など実績のある場所は、毎年期待できることも間違いない。
釣具店で釣具購入時に確認しておくことも大事だ。
また、同じ場所に通うことで潮が当たる場所や流れる方向も分かってくる。
経験を積むことで釣果にも反映される。
地磯は潮の干満によって行ける場所、波止でも潮目ができる場所が変わってくる。
これらの変化も覚えて効率良くいろいろな場所を釣ることで、より釣果に近づくことができる。
潮の満ち引きでアオリイカも回遊してくるので、回遊待ちをして釣る人もいる。
産卵期は冬季に水温の変動が少ない沖の深場にいたアオリイカが、水温が高くなる浅場に上がってきて藻場に産卵する時期。
4月は気温は上昇していても、海の中はまだまだ水温の上昇が遅れがち。
産卵が本格化するのは5月以降になる傾向がある。
アオリイカが潮に乗って回遊してきても水温が低い間は、活性も低い傾向だ。
水温計で海水温を調べて、できる限り水温が高い場所を探す。
海水温は18度が目安。
適水温は20~25度といわれており、この範囲内がベストといえる。
逆に海水温が14度以下からアオリイカの生存率が下がるともいわれているため、14度以下の場所は可能性が低い、と場所移動の目安に考えてよい。
釣り方
エギの操作は、エギをピョンっと跳ね上げるようにロッドを上にシャクって動かす。
活性が高くて中層に浮いてヤル気のあるアオリイカを狙う。
ターゲットが中層に浮いているからエギは中層からアクションさせてもよい。
4月はまだまだアオリイカの動きも鈍い傾向にあるころ。
エギをフワフワっと動かす感じでロッドをシャクる。
エギが沈んでいる時(フォール)や少しの間でも一定の位置で留まっている時(ステイ)に攻撃を仕掛けてくるので、ラインは張った状態の方が、アオリイカが食腕で触ってきた時やエギを抱いてきた時の感触が分かりやすく、アタリを感知しやすい。
ヒットするとロッドを立てて、そのままの姿勢を保ちリールを巻く。
エギのハリにはカエシが付いていないので、ラインが緩むと逃がしてしまう原因に繋がる。
また、サイズも良いのでリールのドラグ調節も大事。
しっかり締めているとアワセ時やジェット噴射で逃げようとした時に身切れしたりするためドラグは少し緩めがよい。
取り込みはタモや専用のギャフがあると安心だ。
最後に
ライフジャケットの着用はもちろん、地磯に行く時は磯靴を使用。
夜釣りは漁港でもキャップライトは必須だ。
アオリイカは食べることが魅力といっても過言ではない。
ただ、スミを吐くため直接クーラーボックスに入れると後で洗うときが大変。
持ち帰り用にチャックが付いたビニール袋があると便利。
アオリイカは目と目の間に急所があるため、ピックなどで刺すか、手でチョップしてシメてもよい。
衝撃を与えた後に色がすぐに白くなるとシマった証だ。
産卵期に入ると大型化するが釣り過ぎには注意したい。
また、イカの禁漁期間がある場所もあるので注意を。
<週刊つりニュース西部版 編集部/TSURINEWS編>