例年、1月に入ると問い合わせが多くなり、1月末には出船が始まる「ラングイの寒サバ」。和歌山・湯浅から出船するなぎ丸では、1月25日に開幕を迎え、40cm超の良型も交えてまずまずの釣果となった。これから本番に向けて数がまとまり出せば爆釣必至の釣りとなる。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
1.手返しアップで時合い延長
「手返し勝負」と言われるのには、自分自身が数を釣るためと、もう一つ理由がある。それはサバに対して、流し釣りと言うスタイルによるところが大きい。
サバは海底に潜む魚ではなく、中層に群れてエサを探して回遊する。ラングイでのサバの釣り方は、群れを見つけたらシーアンカーを入れて潮に船を乗せて釣る。
この時、サバの群れがまきエサを見つけて寄ってくる事で、船の下に群れをとどまらせておきたいのだ。そのため、乗船者が協力して船上からのまきエサを切らさない事が群れを止め、長く釣り続かせる事につながる。
船は潮に乗って流れるのだが、この時、まきエサをまきつつ流すので、途中で新しい群れが合流してくると、船の下にいるサバが数多くなり爆釣へとつながる。どんどん手返しをして、群れをとどまらせたい理由だ。
2.的確にタナを攻めよう
釣りをする上で重要な事は、タナの設定と掛けた後のやり取り。まず、タナの設定としては最初に船長が群れの位置を魚探などで確認し「〇mで釣ってください」と指示が出る。最初はそのタナに合わせるが、まきエサをすると活性の上がった群れがどんどん上がってくる事もあるし、そのタナで食い続ける事もある。
船長は確認しながらタナに変化があれば、随時アナウンスしてくれるので、正確に聞いておきたい。その理由は、各自がバラバラなタナでまきエサをまくと、群れが散らばってタナぼけを起こしてしまい、まとまって釣れなくなるからだ。理想はみんなが同じタナでエサをまき、少しでも魚を浮かせる事で、手返しにかかる時間を短くして数を稼ぐのである。
3.1尾ずつ強引なやり取りで
もう一つ、やり取り。これは波止のサビキ釣りなどで、サバを釣った事がある人なら分かると思うが、サバは仕掛けに掛かると大暴れして、走り回る。竿先にそれほどテンションが掛かってなくても実は横へ走っている事も多々あるのだ。
横へ走ると当然、周りの人の仕掛けに絡んでオマツリ状態になる。サバは止まらず暴れ回るので、仕掛けどうしが絡んでしまうともう大変だ。そこで、サバが掛かったら、意識的に追い食いは待たず、一気に高速で巻き上げる事。
群れが大きくなると1尾が掛かったタイミングで3尾、4尾と一気に食いつく事もあるし、巻き上げ中にもヒットしてくるので、まずは意識して連で釣り上げようと思わず、1尾ずつ確実にトラブルなく取り込む事を優先しよう。
4.釣れたサバの処理
釣れたサバはそのままにしておくと、身が悪くなるのであらかじめクーラーボックスに潮氷を作って足元に置いていき、放り込んでいく。できれば、釣って手に持った瞬間に、エラをカットして、サバ折りで頭の後ろから背骨を折っておくと暴れずに締める事ができる。
サバ入りのクーラーボックスはそのまま帰港して、港で潮氷の海水を一旦抜いて、改めて氷をかぶせて持ち帰る。潮氷の海水に浸けたままだと、氷が溶けるに従って塩分が薄くなり真水に浸かったようになってしまうので注意が必要だ。
サバのすき焼きが絶品!?
この時期の紀州のサバは脂もほどよい感じで、お造りや〆サバ、かわったところではサバのすき焼きなども美味い。なんせ、煮付けにしても美味しいサバなので、煮付けに似た味付けでいろいろな野菜といただくサバの身は絶品だ。
ラングイのサバはこれから水温が下がってくると、どんどん集まりだし、群れも大きくなってくるので、往復に掛かる時間はあるものの、ポイントに着いて釣り始めると、あっという間にクーラー満タンで早上がり・・・なんて事も珍しくない。
<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>