誰でも楽しめるカサゴの船釣り!あえて極めちゃう【エサ&釣り方編】

誰でも楽しめるカサゴの船釣り!あえて極めちゃう【エサ&釣り方編】

特別な技術は必要なく、初心者でも楽しめることが船カサゴ釣りのいいところ。アクティブに誘ってハリに掛かけるだいご味がある。ゴンゴンと魚体を振ってエサをひったくるアタリに胸が躍り、「釣れた」ではなく「釣った」とテンションが上がる。加えてさっぱりとしているのにうま味が深い白身は絶品だ。小さな工夫の積み重ねで数釣りもできる。冬は年間を通じて大物を狙うのに最適なシーズンだ。防寒対策をしっかりして、赤く輝くデッカサゴをゲットしよう!

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船釣り エサ釣り

エサ

大抵の釣船では、冷凍コウナゴ(キビナゴ)冷凍小ハゼが支給される。

個人的には冷凍コウナゴの方が好きだ。

ここ3年、伊勢湾ではコウナゴの不漁が続いているため、より良質なそれを求めて私はインターネットで愛媛産を購入して使用している。

コウナゴ以外では切り身がお勧め。

サバサンマがよく釣れる定番だ。

脂が乗ったものほど良い。

粗塩をまぶすと、水分が抜けて締まりハリ持ちが良くなる。

また釣り用アミノ酸を振りかけるなど、工夫している釣り人もいる。

その日によって当たりはあるが、コウナゴと切り身があれば十分だ。

中には食い渋りの目先を変える手として、イワムシアオイソメイカの切り身を使うことも。

誰でも楽しめるカサゴの船釣り!あえて極めちゃう【エサ&釣り方編】冷凍コウナゴ。
誰でも楽しめるカサゴの船釣り!あえて極めちゃう【エサ&釣り方編】切り身。

コウナゴ、切り身ともに海中でクルクル回ると食いが悪くなるため、コウナゴは頭部の硬い部分から下アゴへハリを抜き、チョン掛けにすることで回転を防止する。

切り身は端にハリを掛けないと回転してしまうので、注意が必要だ。

また、皮側から刺すとエサ持ちが良くなることも覚えておきたい

カサゴ釣りはナギを狙え

サオ、リール、仕掛け、エサがそろったら釣りに行くだけと思ってしまうが、カサゴ釣りでとても重要なことがある。

それはナギの日に行くこと。

海況が穏やかな日は、荒れた日の倍は釣れると言っても過言ではない。

なぜならば荒れた日は体の維持に精いっぱいで、食い気どころではないからだ。

YAHOO!天気予報の波予測で言えば、青の色付けの波高1m以下、風速4m以下が良好なコンディションの目安となる。

【緩い潮回りがお勧め】

カサゴは岩礁地帯にいるので小潮、長潮、若潮の緩い潮回りの方がポイントに仕掛けが入りやすく、また流されないので釣りも楽。

ただし、大潮であってもその時に釣れるポイントを船頭は知っているので大丈夫。

釣り座

釣り座は一番先にポイントに入れる場所が有利。

釣り船は風を正面に受けるように位置取りをするので、冬場に多い北西の風なら右舷ミヨシが好位置になる。

もうひとつ肝心なことは、上げ潮ではミヨシ、下げ潮ではトモが操船上最初にポイントに入ることが多いため、有利であることだ。

この風向きと干満による釣り座のコツはあくまでも目安であり、その日の状況や各ポイントによっても異なるため計算通りいかないこともあり、自然相手の面白さでもある。船酔いが心配な人は、ミヨシは避けた方が無難。

釣り方

誰でも楽しめるカサゴの船釣り!あえて極めちゃう【エサ&釣り方編】こんな大型も狙える。

【縦の誘い】
初心者の人は縦の誘いから始めよう。

オモリを着底させて静かに上下に誘う。

ドンドン小突くのではなく、隣に迷惑にならない範囲で探っていない場所へ次々とオモリを置いていくイメージ。

オモリの着底時に30cmくらいイトを緩めてやると、エサの自然な落下を演出できて効果がある。

【ハワセ】
ハワセができるようになるとダブル、トリプルと一度に多点掛けすることができ、釣果を伸ばせる。

深場では仕掛けの投入と巻き上げに時間がかかるので、一度に数匹ハリ掛けする重連はとても効率がいい。

コツは一番上のハリを食わせる(着底させる)イメージ。

オモリの着底後、隣とオマツリしないように留意しながら、イトを緩ませて仕掛けを潮流に乗せてふんわりさせる。

根掛かりを恐れてはいけない。

その日の状況にもよるが10秒から30秒たってもアタリがなければ、イトフケ分をゆっくり巻き上げ(この動作も誘いになる)、次の場所を探る。

【横の誘い】
潮の流れと隣と広い間隔があることが条件になるため実行できるチャンスは限られるが、縦よりも横の誘いの方がカサゴには効果的なので覚えておきたい。

イメージはエサの宙づり。

上を向いているカサゴの目の前でエサをぶらつかせる。

縦にトントンではなく、横にズズーッと引く感じだ。

【意外な盲点であるアワセ】
カサゴはアタリも明確で誰にでも釣れるが、そのはっきりとしたアタリに即応してアワせると、スッポ抜けが多発する。

アタリがあっても、ハリに乗るまでは待ってしっかり食い込ませる。

もし空振ってもすぐに仕掛けは巻き上げず(80mも巻き上げて再度落とすと時間のロスになる)、素早く再度落として1分ほど待ってみる。

エサが残っていればアタックしてくることがあり逃した魚を拾える。

冷えた指を温めるひと工夫

誰でも楽しめるカサゴの船釣り!あえて極めちゃう【エサ&釣り方編】重連で数を伸ばそう!

【1】ぬるま湯を小さな魔法瓶に持っていき、かじかんだ指にかけて生気を取り戻す。

【2】移動時や電動巻き上げ時にカイロで手を温める。

この2つがあると温まりやすい。

また指が出っぱなしではなく、入れたり出したりできる釣り用手袋を使う。

普段は5本の指全てをしまっておき、必要なときだけ3本指を出す。

釣りをしていると海水で濡れて冷えてくるので、途中で乾いた別物にチェンジするのも効果的だ。

カサゴ釣りは初心者でも十分楽しめる上、小さな工夫の積み重ねをすると、釣れる数も増えてさらに面白くなってくる。ギュンと曲がったサオから伝わるずっしりとした重量感はたまらない。

釣ってよし食べてよしのデッカサゴ、楽しんできていただきたい。

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<週刊つりニュース中部版 APC・鬼頭佳嗣/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2018年2月16日号に掲載された記事を再編集したものになります。