伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「グルテン四季は万能選手」。中間的な性質を持つこのエサにクローズアップ。今回は使い手によって作り方も変わるという話。それだけグルテン四季はキャパが広いということなのだが。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
TSURINEWS編集部
2019年12月23日
ヘラブナ釣り 淡水の釣り
グルテン四季の使い方
前号でも予告したとおり今回は、万年中級者の記者が好んで愛用するグルテン四季の使い方を、伊藤のアドバイスを絡めて紹介してみよう。
ではまず、グルテン四季の特徴から教えてもらえますか?
伊藤 さとし
「ところで、どうしてグルテン四季が好きなの?」
このボソ感がグルテン四季のよさ(提供:週刊へらニュース 編集部)
単品で使えるし、宙でも底でもOK。比率も粉1水1で簡単だからです。
伊藤 さとし
「なんでブレンドしないの?ボクが知っているグルテン四季の使い手は、わたグルなどを混ぜる人が多いよ。ボクもそのクチだけどね」
うーん…なぜって聞かれても。あえて言うなら必要ないからですかね。
繊維質を強める必要がない??
伊藤 さとし
「つまり繊維質を強める必要がないと?」
難しいことはよく分かりませんが、グルテン四季単品でエサが持たなかった経験がないからでしょうか。ある意味、そこまで魚影の濃い釣り場で釣りをしていないとも言えますけど。…って何ですか、その疑いの目は?
伊藤 さとし
「実のところ、単品でもエサを持たせる方法があるんじゃないの?隠さずに暴露しちゃいなよ(笑)」
隠すなんてとんでもないですよ。ただ私の場合は、グルテンでもグリグリとかき混ぜてしまってますけど。
伊藤 さとし
「かき混ぜるってどういうこと?まさか練るんじゃないよね?」
練ったりはしません。一本指でほぐしつつ、ちょっとネバリが出るまでかき混ぜるだけです。
伊藤 さとし
「ネバリって?それって要は繊維質のことじゃないの」
そうとも言うかもしれません。
ネバリって??さらに詳しく!
伊藤 さとし
「もっと詳しく話しちゃいなよ。もったいぶらないでさぁ(笑)」
そんなつもりは毛頭ないですよ。要は水を入れてかき混ぜたら、固まり始める前に一本指でほぐすようにかき混ぜる。普通はここでおしまいにするのでしょうけど、私の場合はそこからさらにかき混ぜて、指にグルテンが引っ付いて離れなくなるまでかき混ぜているだけです。
記者のやり方(提供:週刊へらニュース 編集部)
伊藤 さとし
「なるほどね。つまりそれが繊維質ってことなんだよ。固まったものをほぐしただけではグルテン繊維が強くならない。でもそこまでかき混ぜ続けると繊維が表に出てくるから、指にまとわりつくようになる」
これってダメでしょうかねぇ?
伊藤 さとし
「そんなことはない。実際、それでよく釣っている記者さんの姿をボクは見逃してないからね。でもそこまで混ぜるってことは、マッシュのネバリも多少は出ているはずだから、バラケ性(マッシュの抜け)という面では不利かもしれないね」
やはりお叱りをうけましたか。たぶんそうだろうと思ってました。
持ちorバラケ性??
伊藤 さとし
「いや。でもね、それをどうハリ付けするかで、水の中に入ってからの状態が変わるよね。つまり記者さんの場合は、持ちをよくしたぶんだけ、どこかで差し引きしてるんでしょ。たとえば表面をあまり触らないとか圧をかけないとか?」
はい。方法はともかく私なりにはやっているつもりです。
伊藤 さとし
「キモはそこだね。でも順番として間違ってないよ。グルテンって、持つものを持たなくすることはできても、持たないものを持つようにするのは難しいし、グルテンのよさが出なくなる可能性が高いんだよね」
具体的には?
伊藤 さとし
「持たなくさせるには前述したとおり、ハリ付けや手水である程度は調整できるよね。でも持つようにするには練るしかない。両ダンゴみたいにあとから粉を足すこともできないしね」
なるほど、確かにそうですね。グルテンを練るってあまり聞いたことがないような気がします。
伊藤 さとし
「ないことはないよ。たとえばアルファ21というエサは練っても使えるエサだからね。でもわたグルにはそれが効かない、練ると目詰まりするから膨らみが悪くなる。つまり、わたグルの特徴を阻害してしまうからね」
結局、記者の使い方は正解??
では私の場合もグルテン四季のよさをジャマしてるのでしょうか?
伊藤 さとし
「場合にもよるかな。でも釣れるエサが正解のエサだとするなら、記者さんの使い方があながち間違っているとも言えないってことだしね」
釣れるエサが正解!(提供:週刊へらニュース 編集部)
うーんなるほど。それよりも、次号では伊藤さんの使い方を詳しく教えて下さい。
【グルテン四季は万能選手:第1回】から読む。
<週刊へらニュース 伊藤さとし /TSURINEWS編>
この記事は『週刊へらニュース』2019年12月6日号に掲載された記事を再編集したものになります。