11~12月は気候が著しく変化する時期。そのため釣果のムラも激しい時期だが、好条件では50cm近いサイズのクロも不意にヒットすることがある。今回は、初冬のクロ狙い磯フカセ釣り攻略法を紹介。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 APC・横田宏徳)
釣り方
潮通しの良いポイントで本流の引かれ潮やサラシ場の切れ目など狙う範囲が広いのが今時期の特徴と思われるが、日当たりが良く潮がゆっくりと動く沈瀬の多い湾内のポイントも有効。また、水温が少しでも上昇したら食い気が立つこともあり、その点では朝マヅメよりは日が上がってからの方がこれからの時期は良いことが多いと感じている。
越冬や産卵時期に備え、エサを活発に食っていくが、一方でエサ取り(主にスズメダイ・フグ・キタマクラ・トウゴロウイワシ・カワハギ・小アジなど)も多い。
まきエサのまき方は足元にエサ取りを集めておいて、ポイントとする所に少量まいていったらよいと思う。理由は、エサ取りを狙うポイントに集めないようにするため。エサ取りが少なければ、直接ウキに被せても問題ない。
狙うタナについては、始めはハリからウキ止めまでの長さを2ヒロ~サオ1本分(約3~5m)として、エサが取られる場合はウキ止めの位置を下げたりハリスを少しずつ切ったりして浅めに調整していくとよい。
もし、エサが残る場合はウキ止めの位置を少しずつ上げていき、深めに調整してみる。エサ取りの状態や魚の活性を確認しながら小まめにタナを調整することが重要であると思う。
注意点としては、まきエサを入れすぎるとクロの活性が落ちることが多いと感じているので、まきエサを一点集中するよりは複数のポイントに散らしてまくことでクロを動かしたり、一定時間をおいて休憩を挟みながらポイントを温存することでクロの食いを持続しやすいと実釣を通して感じている。
装備品について
釣り場での装備についてであるが、安全のため、フローティングベストと磯靴の着用は必須。万一忘れた場合は渡船で貸与も可能な場合もあるが、渡してくれない可能性もある。フローティングベストの股ひもは必ず装着しておくこと。理由は海中に落下した場合に外れる恐れがあるから。
九州北部の日本海~響灘~玄界灘にかけては季節風に弱く、突如高波に襲われることがある。前述の海域に関わらず、荷物類は安全で高い場所に置くようにし、さらにピトンとロープを使用して固縛すると確実である。また、暗いうちや釣りの途中で仮眠するときも同様に安全で高い場所を確保した上で行うこと。
ゴミについては必ず持ち帰り、釣り場のまきエを洗い流してきれいにして帰ること。これも渡船によってはゴミ箱を完備していることがあるので、船長の指示に従うこと。マナーを守っていかないと、釣り場が立ち入り禁止になるかもしれない。