今シーズンのカワハギは、どのエリアも釣果が上がらずに苦戦を強いられている。だが、そんな状況でも「一筋縄ではいかない魚との駆け引きや、ハリ掛かりしてからの力強い引きを味わいたい」という思いから、乗合船へと足しげく通うファンは多い。私もこの時期はカワハギ中心の釣行になる。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・田中義博)
儀兵衛丸でカワハギ釣行
10月5日(土)に、相模湾長井の儀兵衛丸から釣行した。
舵を握るのは、梶ヶ谷泰宏船長。近況を聞くと「今年は水温が例年以上に高いことが影響していると思いますが、魚がいる場所を見つけることが難しいです。数はでないものの、良型が顔を見せてくれている事が救いです。きょうも少ないチャンスを逃さずに頑張っていきましょう」
同宿は半日船スタイルの2便体制。私は7時出船の午前船に乗り込む。右舷トモには高橋さん、左舷ミヨシには鈴木さんが入り、私は右舷胴の間に座を構え、定時に出船。
船中に本命の姿見えず苦戦
まず船を進めたのは亀城根の水深18m。「漁師も網を入れるならここ、という場所なんだけど、どうだろうね。始めてみましょう」のアナウンスで第1投。
まずは魚の気配を感じることを優先に、底からプラス2mまでの幅で聞き上げと聞き下げの誘いで狙っていく。誘いのスピードはゲストの有無で変化させていく。
だが、オモリを着底させるとトラギスやベラのアタリばかり。宙を攻めるとハリをかじる様なアタリはあったが、仕掛けを上げるとハリが取られる始末。キタマクラをはじめとするフグの仕業であることが多く、船長は早々にここに見切りをつける。
その後も亀城根周りで2時間ほど実績ポイントを転々と攻めていくが、状況が変化することはない。
この時点で船中本命の姿はなし。私もカワハギらしい気配は感じられないままの時間が過ぎていく。
25㎝本命カワハギ船中連発
船長は浅場を諦め、やや船を北上。水深40mを起点に徐々に深みへと下がっていくポイントをセレクト。
北寄りの風と表層の潮の流れが重なり、余分なイトフケが出やすい状況。やや強めに仕掛けを動かさなければ底付近の仕掛けは動かない。
また、下オモリを底に付けた状態ではよりイトフケも出やすくなるため、私は底上1m前後のタナで宙の釣り。高橋さんは、仕掛け上部に中オモリ。鈴木さんは大きめの集寄を付け、横の釣りをメインに攻めているようだ。
すると、まずは高橋さんが本命らしいアタリをとらえリーリング。続けて鈴木さんも巻き上げをスタートさせる。2人そろって本命をゲット。どちらも25cmに迫る良型だ。
さらにその直後にも再び2人続けて竿がたたかれ、同型を追釣。私1人蚊帳の外になってしまう。
誘いを狭く&ゆっくりで本命手中
2人の釣り方がハマッているということは、カワハギがエサを食うスピードが遅いということ。そこで、宙の釣りであっても誘いの幅を狭く、スピードを落とす。
すると、ハリを噛むチリチリというアタリをキャッチ。それを消さないよう誘い続けていくと、口の中にハリが入りアタリが増幅。ゆっくりと大きく聞き上げるようにアワセをいれる。
巻き上げるには距離があるため、途中、竿が強くたたかれた時にはバラシが頭をよぎったが、竿でいなしながら無事にキャッチ。型見ず、を逃れられたことでホッと胸をなで下ろす。
同じ誘いで2尾追釣。たまたま同じ場所に、同じ誘いに反応する個体がいたのだと思うが、その後は11時の沖上がりまでノーシグナル。
当日の船中釣果は22~25cmが2~3尾だった。