深夜の小川で響く「カポカポカポカポ…」という小気味いいノック音。静寂を破る「ジュボッ」とか「ボシュ」といったバイト音、そして「あぁぁ!アワせちゃった!」という釣り人の悲鳴。そう、みんな大好きナマズゲームだ。今回は、狙うべきポイントについて、12連敗中の筆者が紹介しよう。
(アイキャッチ画像撮影:週刊つりニュース関東版 編集部)
キーワードは「田んぼ」
田んぼに通水する時期にシーズン開幕。基本的には初夏~秋の釣りだが、冬場でも温排水が絡むポイントであれば通年釣れることもある。
まずは「田んぼ」を探して、そことつながる水路を探そう。田んぼとホソ・小川が通水していればチャンス。ナマズは大きい体に似合わず、いわゆる「ホソ」と呼ばれる小さな水路に入りこんでくるので、田んぼがあれば日本全国で狙えるターゲットのひとつだ。
どうしてもポイントが見つけられない場合は、小川で竿を出している釣り人を探そう。対象魚を聞けば「バス」、「ナマズ」、「ライギョ」の三択になると思う。もちろん「ナマズ」と回答されたからと言って、決して先釣者の邪魔はしないように。
大きな河川では漁業権に注意
大きな河川で竿を出す場合は漁業権に注意しよう。河川を管轄している漁協がナマズをコイやフナと同様に漁業権を設定していることがある。その場合は遊漁券を忘れずに購入すること。
また、多くが「日の出から日没まで」が釣り可能な時間と決められている。そのため夜間は、竿を出すことが禁止されている。もし、ナイトゲームを楽しみたい場合は、管轄している漁協があるのか、ある場合はその漁協の遊漁規則で夜間の釣りが禁止されていないか必ず確認しよう。
ナイトゲームの注意点
日が完全に落ちてからのほうがナマズの活性は高まるのでチャンスタイム。ナイトゲームの時に欠かせないのがケミホタルなどの発光物質。
ナマズ専用ルアーの場合はケミホタルが挿入できるように作られていることもある。ナマズを寄せる、というよりは自分のルアーがどこを泳いでいるのか判断するために使われる。
ルアーの位置が把握できないと、岸際のここぞというポイントを狙って攻められなくなるので夜目に自信がない人は必ず用意しよう。また、夜間で必携なのはヘッドライト。
ただし、これは手元を照らしたり水際に行くまでに使う。水面を照らしてしまうとナマズがビックリしてしまうので、キャストする前には絶対に照らさないこと。先述したとおり、思っているより手前を泳いでいることもあるので、警戒されないよう、注意を払っておこう。
基本的な釣り方
基本的には、ナイトゲームもデイゲームも釣り方は同じ。ポイントへダウンクロスに投げてゆっくりとリーリングしてくるのが基本のアクション。吸い込むようにバイトしてくるのだが、とにかく水面での捕食は下手。
この魚はルアーの動きを見切って食わないというよりは、ルアーを見失ってしまいバイトに至らないことが多い。巻きアワセのつもりでしっかり乗るまでスローリトリーブで探ってみよう。
ダウンクロスで投げていれば、ミスバイト時にルアーが魚の前方に残るためセカンドバイトを誘発できる。ハリに触れていなければ何度かバイトしてくる可能性はあるので、同じ筋を流してみよう。
ナイトゲームで狙うなら
ナイトゲームでおすすめの狙うべきポイントを3つ紹介。
岸際
夕マヅメはデイではほぼ探っても意味がないオープンな足元にいることもあるため、岸際に寄る前に遠くからキャストして探ってみよう。少しでも魚が待機できるエグレや水草などがあれば潜んでいる可能性がある。
排水パイプ周りなどの流れ込み
田んぼからの排水でホソへ水を流していることがある。水量は多ければ多いほどいい。流れ込み+流れのよどみがあるとチャンス。丁寧に探ろう。
田んぼの間を流れるホソ
わずか50cmの幅しかなくても入り込んでくることがあるので、小さいからといって見逃さずに探ろう。
デイゲームで狙うなら
クリアウォーターならサイトフィッシングも楽しめるが、ナイトゲームよりも警戒心はどうしても高くなるため、前述のポイントに加えて身を潜められるカバーが必要になる。
例えば、流れ込みの近くに沈む土管など、安心して魚が居られるポイントがあれば絶好のポイント。これを意識すれば釣果アップに期待できる。
水生植物のエグレ
ちょっとした変化のあるところに潜むナマズ。木や枝にひっかけて提灯釣りで探るのもアリ。
水中ストラクチャー
土管や流木、ウィード、ゴミなどが水中に沈んでいることもある。クリアウォーターなら見えているナマズを探してみよう。居心地のいい場所には多数のナマズが潜んでいることもあり、時にナマズマンションなんて呼ばれることもある。
橋の下
太陽の位置にもよるが、橋脚のような日陰にはナマズが潜みやすい。日が当たっているカバーより、日陰になるカバーに魚はいると思ってルアーを撃っていこう。
貴重な釣り場がなくならないために
身近な水路で大物とのファイトを堪能できるのが魅力の釣りだが、住宅地の中にもポイントがあるため、周辺住民の迷惑にならないよう駐車場所や夜間の騒音には注意しよう。
また、キャストしたいポイントへ入るために藪こぎが必要になることも多いので、服装は暑くても長袖を勧める。自分で出したごみは持ち帰るなど、基本的なマナーを守ってナマズゲームを楽しんでもらいたい。
<小谷/TSURINEWS・WEBライター>