外房・片貝沖のヒラメが部分解禁。それから約ひと月過ぎた8月30日(金)、増栄丸から釣行した。3.4kgの肉厚ヒラメを頭に、船中で37尾、さらにゲストにハタもまじるほど好調だった。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・大村隆)
増栄丸で船ヒラメ釣行
集まった7人は右舷4人、左舷3人に分かれて座る。私は空いていた右舷胴の間へ。トモには常連の小沢千尋さん、左には「ヒラメの挑戦は3回目です」という中学三年生の三浦蓮さんが入る。2人にあいさつしてタックルを準備。
4時半、熱田正二船長の舵取りでまだ暗い岸壁を離れる。航程35分でポイント着。「時間はあるのでゆっくり準備してください」のアナウンス。水平線に見える見事な朝日に手を合わせて、安全と大釣りを祈願する。
足元のオケには仲乗りが配ってくれた3尾の中羽イワシが元気に泳いでいる。やがて定刻になると「はい、いいですよ。水深は25mです。魚礁周りなので根掛かりに注意してください」のアナウンスでスタート。
オケのイワシを小網ですくい、目を覆うようにして軽く握る。親バリを口の中から上あごの硬い部分に刺し抜く。孫バリは背びれ先端の横に掛ける。
エサ、オモリの順に落とし込み、リールのスプールを親指の腹で軽く押さえて、サミングしながら優しく送り込む。オモリが着底したら、海底から50cm~1m上を泳ぐようにイメージしながらタナを切り、ヒラメからのアタリを待つ。
1kgアップのヒラメがヒット!
早くもトモの小沢さんが湾曲した竿を抱えて巻き上げにはいる。すぐに船長が「右舷トモで掛かったよ」と仲乗りに合図、タモを手に駆け付けてくれる。やがて食べごろサイズの肉厚ヒラメが無事にタモへ滑り込む。小澤さんは「幸先よし」と嬉しい笑顔。
「次はこちらの番だ」と一心不乱に竿先を注視するうちにククっと待望の反応。「まだまだ、じっくり待つぞ」と自らはやる気持ちを抑えるうちに、グイーっと力強い引き込みがくる。そこで竿を大きく立てると、グッグイン!とハリ掛かり。
竿尻をしっかりと脇に抱えて、重量と引き込みを竿の粘りにゆだねて巻き上げにかかる。時折、スプールが止まり、わずかだがミチイトが滑り出る。頃合いを見て仲乗りがタモを入れ、1kgアップの肉厚をすくってくれる。早々に片目が開き「きょうはいけるぞ」と思ったが、その自信はすぐに崩れ去った。
2人の仕掛けに1匹のヒラメ?
次の流しでもアタリはあり、これを食わせて巻き上げにはいったが、見ると三浦さんのミチイトがこちらに伸びている。上がって来た1kgほどのヒラメの口には、2人の孫バリが掛かっている。これには仲乗りも困り顔。「どうぞ」と三浦さんに譲ったところ、彼の快進撃が始まった。逆に私は負のスパイラルに突入。
船は小移動を繰り返し、ここぞというポイントを次々攻める。三浦さんは魚信をうまくとらえて追釣していくが、こちらはアタっても竿先で弾いてしまい、ハリ掛かりしない。すぐにエサを放してしまい、食い込みのプロセスに至らないのだ。
小澤さんは順調で、時折、ハタ交じりで上機嫌。私だけがカヤの外だ。
柔らか目の竿に変更で追釣り
黒い雲が湧き、大粒の雨が降り始める。稲妻が走るのをみた船長は「安全第一です」とすぐに竿上げの合図。雷の影響がない場所に移動する。
しばらく雨は降り続くが、三浦さんの快進撃は止まらない。「こちらもなんとかしなくては」と軟らか目の竿にチェンジして心機一転すると、弾くようなアタリはなくなる。魚信をとらえた後、テンションを保って食い込みを促すとグッグイと確実に食い込んでいき、ハリ掛かりに至るようになる。3尾を追加して気持ちに余裕ができる。