11月4日、単独クロ釣りに出かけてみた。午前6時すぎ、鹿児島県肝属郡南大隅町の田尻漁港から渡船・鶴丸を利用し、上げてもらったのは枇榔(びろう)島近くの女瀬。ここは大きい瀬で、私が釣座を構えたのは『正面』と呼ばれる所。
『水道』と呼ばれる釣座には3人の釣り人がサオを出している。
全層釣法で探っていく
8時に釣り開始。
当日のターゲットは秋の青物(シマアジ、カンパチ、ヤズなど)。
バッカンにボイルオキアミ3角を入れ、海水を張って浮かび上がらないようにする。
つけエサはボイルオキアミ2Lサイズ。
仕掛けは3号サオにミチイト・ハリスともに5号を使用したウキフカセ。
ボイルオキアミをぱらぱらまきながら潮に任せて上層から下層まで全層釣法で探っていくが、サオを曲げるのは尾長グロ30cmやウミゴイや小型イシガキダイだけで、青物は回遊してこないまま干潮の正午を迎えてしまった。
このままだと土産が少ないので青物狙いをあきらめ、クロ(メジナ)狙いにチェンジする。
仕掛けをクロ使用に変更
まきエサにクロ用のブレンド材でオキアミと同じ沈下速度の『グレゼロ/HIROKYU』1袋とオキアミ生半角を加えて軽いまきエサを作る。
つけエサは『生イキくんグレ/HIROKYU』を準備した。
仕掛けもクロ用(別図)に変更する。
まきエサをまいて足元の海中をのぞくと黒い魚が群れている。
イスズミだ。
小さなものから大きなものまでたくさんいる。
その下にはクロらしきものがちらちら見えるのだが、上げ潮に変わると潮は佐多岬灯台方面に右へ流れるようになった。
まきエサを足元のサラシに入れイスズミを寄せる。
仕掛けをサオ2~3本潮下に入れてクロを狙うが、あっという間につけエサが取られる。
ハリスを短くしてエサ取りの正体を確認すると、ハリ掛かりしてくるのはやはりイスズミ。
00号のウキに、ハリスにオモリを打たずにゆっくりつけエサを漂わせるとイスズミにやられてしまう。
イスズミの層を突破してクロのいるタナにつけエサを届けるため、ウキの浮力がある0号に替えて、ハリスを長めに取る。
ジンタンのJ4~J6を2段打ちして速めにつけエサが沈むように工夫する。
仕掛けを30~40m潮下に遠投して、離れ瀬前の潮の壁や、離れ瀬から本流の合流点に向かう潮筋を狙うと、これが正解で、クロの42cmぐらいが釣れた。
この時期、良型となる40cmオーバー「取ったでごわす!」雄たけび一発。
作戦成功でうれしい。
同じ要領で午後3時の納竿までに30cm前後の尾長6尾、42cmまでの口太(クチブト)グロが釣れた。
一方、『水道』で釣っていた岩重さんも40cmのクロを釣っていた。
今回、秋のターゲットの青物は回遊がなく不発だったが、良型クロが釣れて良かった。
<週刊つりニュース西部版 APC・新増初生/TSURINEWS編>
鶴丸