【2019夏】イカダ&カセからのクロダイかかり釣り徹底攻略 盛期到来

【2019夏】イカダ&カセからのクロダイかかり釣り徹底攻略 盛期到来

8月に入ってお盆も過ぎると、イカダ&カセで狙うカカリ釣りのクロダイはいよいよ佳境を迎える。 一日サオを出せば高確率でクロダイを手にすることができて型もそろう、まさにハイシーズンだ。 今回は、炎天下の暑さを乗り切り、真夏の釣り場でクロダイを手にするための攻略法を紹介してみたい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 横山大幸)

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海釣り施設 イカダ&カセ

朝イチはモーニングで落とし込み

釣り方だが、やはり朝一番はモーニング(まきエサ前のひと探り)で、落とし込み釣りで狙いたい。この時期は朝・夕マヅメに動くことが多く、まきエサが入る前からポイント周辺を徘徊(はいかい)している本命がヒットする可能性もある。

1号前後のオモリを付けて静かに落とし込んでみよう。また、釣り座の前方だけでなく、周囲など手が届く範囲で探ることをお勧めしたい。

さて、落とし込み釣りでエサ取りの様子などを把握したら、いよいよ正攻法のダンゴ釣り。この時期、打ち返し直後からオキアミが瞬殺ということも多いと思う。

自然と手返しが速くなりポイントが出来上がっていくのは結構なことだが、速くなり過ぎるのも問題。釣り人側のリズムが狂ってしまうし、ダンゴが不足しかねない。

エサ取り対策

エサ取りが多い時のセオリーとして、アタリが少ないエサをさしエサに選ぶという考え方がある。アタリが出ないさしエサは退屈で、本命以外のアタリだと分かっていても、反応の多いエサを使いたくなるのが人情というもの。しかし、狙う魚はあくまでクロダイ。オキアミ、サナギ、コーンでアタリの少ないエサ、もしくはアタリは出るが取られるまでに時間が稼げるエサを選択しよう。

【2019夏】イカダ&カセからのクロダイかかり釣り徹底攻略 盛期到来エサ取りを攻略する(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

もう1つのエサ取り対策は、大きなハリにさしエサをたくさん刺すという手もある。具体的に、5号以上のハリにオキアミやサナギなら3~4つ、コーンなら5~7つといった具合。エサ取りに大半かじられても、ハリにエサが残っていれば、クロダイの口に届くまでの時間が稼げるだろう。

エサ取りに惑わされずリズムを守って打ち続ければ、いずれボラが現れる。ボラのいない釣り場であれば、いきなりクロダイが寄るだろう。

本命を「掛ける」戦略

本命がダンゴの至近距離まで入ってくれば、何かしら変化が出る。強いダンゴアタリが出たり、取られていたさしエサが残るようになったり、変化の内容はさまざま。何かしら違和感があったら、寄せる釣りから掛ける釣りに切り替えるつもりで集中してみよう。

クロダイが直接ダンゴに突っ込んでくれるようなら幸運。さしエサが出てからの勝負は早く、オキアミでも通用するだろう。仕掛けのナジませ方に悩む必要もない。そんな状況もある。

しかし、実際には高水温期でも食わせるまでに間が必要となることも多い。この時期の「間」とは、ダンゴの煙幕に興奮したボラやエサ取りが落ち着くまでの時間。浮遊するエサを取り尽くした他魚がポイントから離れたところに、本命がゆっくり入ってくる。そして、さしエサにありつくまでの時間だ。

【2019夏】イカダ&カセからのクロダイかかり釣り徹底攻略 盛期到来「間」を読んでタイミングを合わせる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

厳寒期と異なり、乱舞するボラやエサ取りがいるなかさしエサを置きっ放しにするため、持ちのいいエサをさしエサにしなくてはならない。それで、アタリの少ないエサをハリいっぱいに刺すということになるわけだ。

ダンゴが割れてから、しばらく待っても一向にエサ取りが落ち着かないという場合は、意図的に間を作りだすのも有効。10~15分、何もせず場を休めてほしい。昼食を取るなど休憩するのも手で、本命が近くにいれば再開1投目で結果が出ることもあるだろう。

同じ発想で、夕方までに残ったダンゴを打ち切って、ラスト1時間は落とし込み釣りだけで攻めてみるのも面白い。いわゆる「もう帰ったで作戦」で、モーニングと同様に夕マヅメに徘徊する大型を狙ってみよう。

スレアタリを回避しよう

この時期、気をつけなくてはならないのがスレアタリだ。高活性時には、ダンゴが沈下する際の煙幕に沿ってボラやエサ取りが柱状に群がる。上層・中層を問わず、集まった魚がラインに触れるたび穂先が動く。釣り場によっては、穂先が一日中ヒョン、ヒョンと動き続ける日もある。この紛らわしいスレアタリを見送れるかどうかが、1つの焦点ともなる。

ボラをスレで掛けてしまうと、折角出来上がったポイントを荒らしてしまうし、何より腕が疲れる。中層でのスレアタリは実害はなくとも、だまされて打ち返す間、本命に出会うための貴重な時間を無駄にしてしまう。

【2019夏】イカダ&カセからのクロダイかかり釣り徹底攻略 盛期到来スレアタリと本命アタリを区別する(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

対策は非常に簡単で、ただ無視すればいい。本命かどうか迷うアタリは、全て見送るのが正解。タイ系の魚は、のませて釣るのが基本。紛らわしいアタリの主が本命ならば、最後は穂先を押さえ込むが、スレアタリで押さえられた穂先は戻る。どうしても怪しいと思ったときは、サオを数cm持ち上げて聞いてみよう。

紛らわしいアタリが気になるようなら、ラインを少し出して仕掛けをたるませ気味にすると、穂先に出るアタリは軽減される。仕掛けが張っているほど顕著に出るので、スレアタリがひどいときは、重いオモリは使わないようにするのも手だ。落ち着いて待って、分かりやすい本アタリだけでアワせていこう。

暑さ対策

この時期の一番の課題といえば、実は暑さ対策で、今年はどうなることやら。日差しが強さを増す近年、逃げ場のない釣り場では、自分の身は自分で守るしかない。

まず、パラソルは必ず持参してほしい。サオが当たらないよう気にしながらアワせるのは面倒だが、熱中症になってしまっては元も子もない。日焼けを防げれば、帰宅した後の疲労感を軽減できるし、帽子をかぶるよりパラソルの陰で脱帽している方が断然涼しい。

また、水分は十分な量を持参しよう。余るぐらいでちょうどいい。私の場合、飲み物用に2Lの保冷水筒と9Lの小型クーラーを持参している。小型クーラーには水と氷を入れ、そこに缶やペットボトルを浮かべて冷やしている。氷水なら午後の一番暑い時間帯でもキンキンに冷えた飲み物が飲めるし、おしぼりなどを浸して体を拭けば、火照った体を冷ますこともできるのでお勧めだ。

【2019夏】イカダ&カセからのクロダイかかり釣り徹底攻略 盛期到来飲み物は余るくらいたっぷり持参(提供:週刊つりニュース中部版 横山大幸)

安全に楽しもう!

台風や赤潮の発生など、真夏は真夏でいろいろあるが、それでもクロダイを手にできる可能性が一年で一番高い時期なのは間違いないので、熱中症にはくれぐれも気をつけて、ぜひ真夏のクロダイの力強い引き込みを楽しんでほしい。また、海難事故も多い季節なので、ライフジャケットの着用も忘れずに!

【2019夏】イカダ&カセからのクロダイかかり釣り徹底攻略 盛期到来ナイス釣果を目指して繰り出そう(提供:週刊つりニュース中部版 横山大幸)

<週刊つりニュース中部版 APC・横山大幸/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2019年8月16日号に掲載された記事を再編集したものになります。