伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「GD(グルテンダンゴ)を用いた浅ダナ両ダンゴ」。デビューしてまもなく数カ月がたとうとしている新エサを使って伊藤がメーター両ダンゴを披露する。今回はGDの特性を生かした釣り方などについて考えてみよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部)
なぜGDはメーターが向いているのか
前号では『グルテンダンゴ(以下GD)はメーター両ダンゴに向いている』という話だった。もちろんそれは伊藤さとしの感覚であって、人によってはチョウチン両ダンゴのほうが適していると感じる人もいるだろう。ではもう一度このエサの特徴を整理しよう。
1.タナに入るまでほとんどバラけない
2.水がダンゴの芯に浸透し始めると急激に膨らみだす
3.粒子が細かく軽い
4.集魚成分を含まない
これらの特徴から、なぜ伊藤はメーターが向いていると言ったのか。つまりは伊藤のエサ作りとハリ付けでは、メーターダナまで持たせるのがリミットだと感じたからでは?
「それもあるね。逆の見方をするなら、メーターまで持てばいいエサを作ったとするなら、ちょうどいいタイミングで芯が膨らみだす。だから食いやすいエサになってカラツンも減る。理屈としてはそんな感じかな」
では、もし18尺チョウチンならどうしますか?
「仮にメーターと同じブレンドでタナまで持たせるなら、練り込むかハリを大きくしてハリ付けサイズも大きくするか、ウキの浮力を極端に上げるかなどのやり方があるけど、ことGDを使ってって話ならマッチした対応とは言えない」
なぜですか?
エサの配合でGDの特性を生かそう
「とくに練って持たせるのはよくない。なぜなら『タナに入って早く膨らみだす』というGDの特性を殺してしまう」
つまり練らないで持たせる方向を考えるわけですね?
「そういうこと。GDの裏書きにもあるとおり、対になるエサがあるのを知ってるかな?」
カルネバですよね?
「そう。カルネバのように軽くてネバる(持つ)特性を持つエサをミックスして、狙ったタナまでエサを持たせる。さらには、膨らみはじめるタイミングを調整する。そうすればいかなるタナであってもGDが持つ特性を生かしたエサ作りができると思うんだよね」
つまりこういうことですか。GDの特性を最大限に生かしたエサ作りをすると、伊藤さんのハリ付けとセッティングではメーターが合っていると感じた?
「まさにそう。だからもしボクが長竿チョウチンで使うなら、カルネバのような持つエサを多めに配合するなどして、練らなくても持つようにすればいいのかなって感じてるわけ。ただし、持つ持たないの話は状況によっても変わるから」
状況とは魚の活性や魚影の濃さ、ジャミの有無などですよね?
「そのとおり。さらに付け加えるなら、どう持たせたいのかによっても変わるよね。ナジミ途中でほとんどバラけさせないで持たせるのか、それとも開かせながらか」
小エサ一発取り
取材時のエサや前号での解説からすると、伊藤さんの場合は小エサの一発取りがGDの特性には合っているという話でしたよね?
「そう。むしろ大エサで持たせるならGDを使わなくてもできるだろうしね」
であれば仮にタナがチョウチンであっても、できれば小エサで釣っていきたいと感じているわけですね?
「いい悪いではなく、そのほうがGDの特徴を生かせるんじゃないかってことなんだけどね」
では次号では武蔵の池での実釣を交えて、GDを使ったメーター両ダンゴの釣り方について詳しく考えていきましょう。
次回もGD(グルテンダンゴ)を用いた浅ダナ両ダンゴです。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>