10月21日(土)、千葉県内房の富津新港にカレイを狙って出かけた。
悪天候が吉となり本命のアタリじっくりと……
あいにく、右前からのやや強い風に加え雨が降りつける悪天候。
しかし、港湾の奥まった同所はウネリや濁りがない。
車が横着けできるポイントで、まだ夜が明けきらぬなかで準備を始めた。
自作の段差仕掛けでエサは5cm程度に切った赤イソメをハリスまでこきあげ、さらに中細の青イソメを4匹前後の房掛けに装着する。
私はハリスなどを装飾しない代わりに、たくさんのエサを大きくぜいたくに装着してカレイにアピールする。
竿は3本出し。
水深8mの場所と小深い船道の2色から1色の至近に投げ分けて、少しでも変化のある所に仕掛けを留め、ドラグを緩めてアタリを待つ。
まだ水温が高い時期であり、エサ取りの活性も高いはず。
最初は竿先を凝視したり、打ち返す時間を早めて様子をうかがう。
この場所は例年、晴天時の日中はヒトデがひん繁にハリ掛かりしてとても厄介。
しかし、当日は荒天のためか他のエサ取りも含めアプローチはなく、雨風はともかくじっくりと落ち着いて本命のアタリを待つことができた。
8時、ジリリと短い音を立ててドラグが作動した。
至近の1色に仕掛けを留めた竿の竿先が、波の波動とは明らかに異なる躍動的な〝お辞儀〟を繰り返す。
ラインをたるませ気味にロッドを手に取り、ドラグを締めてしばし相手の動向をうかがう。
クンクンと明確な反応があり、これに軽くアワセを入れると心地いい重みでハリに乗った。
さした抵抗はなく、マコガレイが海面直下に姿を現した。
慎重を期しタモで取り込んだ。
31cmと小ぶりながら、大きなエサのハリを2本とも丸呑みにしていた。
開幕戦での貴重な釣果に大きな達成感を得た。
ドラグが走り、重量感に高まる期待!
8時半頃に雨脚はさらに強烈になり、横着けした車中に退避。
それでも適時の打ち返しは怠らずにいると、下げ5分の9時すぎに再び好機が到来した。
2色弱の障害物際に留めた直後、長い波長でドラグの作動音が鳴り響いた。
ドラグを締めるとさらに走っていく。
あわててベールを返してラインを出していなした。
スピード感と躍動感は今ひとつも重量感がある。
アワセを入れるとずっしりとハリに乗り、軟調のロッドはゆるやかな孤を描いた。
ググッと下に突っ込む独特の上品な締め込みを繰り返し、「これは良型のカレイだ」と胸が高鳴る。
魚は容易には浮かず、足下にきてようやく海面下にその姿を現した。
45cmのマコガレイは2本のハリを飲み込んでいた。
東京湾産としては大型の部類だ。
雨は降り続いたので、「もう満足」と10時に納竿した。
この釣り場の乗っ込みの好機は、10月下旬から11月いっぱいまで。
産卵の直前となる12月からは極端な食い渋りとなって釣果を得るのは難しい。
大潮、朝夕のマヅメ時は特に確率は高い。
帰宅して腹を裂くと、卵の入りは2分程度だった。
<週刊つりニュース関東版 APC・田中礼児/TSURINEWS編>
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館山自動車道の木更津南ICを降りて、国道16号線を富津岬方面へ。