春以降の水温が上がる時期になるとサビキ釣りで狙えるアジやサバ、イワシといった小魚が沿岸を回遊しはじめます。こうなると、これらをエサとする大型の肉食魚(フィッシュイーター)たちも動き出すため、面白いのが小魚をエサにした泳がせ釣り(ノマセ釣り)。今回は堤防から狙える大型肉食魚を釣るための泳がせ釣りをテーマに、基礎知識やターゲット別の4大釣法を解説していきます。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部 松村計吾)
泳がせ釣りの4大釣法
陸っぱりでの泳がせ釣りの釣り方は
・投げ釣り、ブッ込み釣りなどのスタイル
・ウキ釣りスタイル
・胴突き探り釣りスタイル
・エレベーター釣法
が4大釣法といえます。ここでは、これから試して欲しい4つの釣法について、それぞれの主なターゲットや狙い方などを解説していきます。
投げ釣り仕掛けの泳がせ釣り
釣りの経験者なら大体の人になじみがある、投げ釣りスタイルでも泳がせ釣りが可能です。投げ釣りのスタイルで狙うターゲットはマゴチ、ヒラメがメインになります。そのため堤防でも砂地の絡む場所や、サーフでの釣りに適しています。
投げ釣りのタックル&仕掛け
竿は投げ釣り用や、遠投も可能な3~4号の磯竿を使います。リールは投げ用などの大型スピニングリールに、PEラインなら2~3号に15mほどの力糸、もしくはナイロンライン5号程度を巻きます。
仕掛けは遊動式テンビンにハリスを1.5~3mほど。ヒラメに代表されるようにけっこう歯が鋭い魚が多いのでハリスはかなり太めを使用します。
マゴチやヒラメは甲殻類もエサにするため、根が絡む砂地も好ポイントですが、全体に太仕掛けとなる分、あまり根が荒いポイントでは根掛かりすると糸が切れず、釣り辛いことも多くなります。
投げ釣りの釣り方とコツ
マゴチやヒラメは基本的には砂に埋もれて獲物を待ち伏せするタイプの魚で、特にマゴチはあまり動き回らないので、投入したら定期的にポイントを変えて広範囲を探るといいでしょう。ベイトはカケアガリなどの起伏に集まるので、海底に変化があるポイントがあれば重点的に攻めてみるといいです。
アタリがあったら、泳がせ釣りでは十分にエサをくわえ込むまで待ってからアワセます。また投げ釣り以外の仕掛けでも共通しますが、置き竿にする場合は大物に竿をもっていかれないようにドラグを緩めて糸を軽く引っ張るだけで出ていくようにし、尻手ロープなどで竿を固定して置きましょう。また、取り込み用に大型のタモも必要になります。
投げ釣りに向いているエサ
投げ釣りスタイルでのノマセ釣りのエサは丈夫なアジが定番です。この釣りでは生きたアジをハリに掛けてから「投げる」のを基本とするため、投入時にアジがハリから外れないようにセットする必要があります。
基本的には付け方は親バリは鼻掛け、孫バリは背掛けがオススメです。ちなみにイワシを使う場合は、鼻が軟らかいので口掛けにするといいでしょう。孫バリを腹掛けにするのも下から捕食するマゴチ、ヒラメには有効なものの、弱りやすくなるため一長一短といった感じです。
また、エサはシロギスやハゼといった底生魚も使われますが、キスは着水の衝撃に弱く、投げる釣りにはあまり向いていない印象です。ハゼはベタ底で捕食を行うマゴチ狙いにはいいですが、あまり泳ぎ回らない魚なのでゆっくりサビくなどの誘いが必要になります。