マイカをターゲットにした若狭湾のイカメタルゲームが開幕と共に、7月上旬には3ケタを超える爆釣情報が飛び交った。そこで今回は、テイルウォークフィールドスタッフ松中奏詩氏とともに人気フィールド福井県敦賀沖で実釣を踏まえながら、アングラーが気になる攻略法を解説してもらった。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
アワセのコツは「掛ける」よりも「乗せる」
なかなか乗らない小さなアタリへの対処法アワセは無理矢理掛けるよりも乗せることを優先に。
さて、新たなタナを突き止めたとしても、仲間が釣られたのを目の当たりにしたマイカたちは、少なからずスッテに対する疑念を持っている。うかがうような「トンッ」と小さく短いアタリが頻発すると、アングラーは躍起になって鋭くアワセようとするが、フッキングミスをくり返すと、マイカたちを一層スレさせてしまう。
では、どのように対処すればよいのか。さっそく松中氏に問うと、シャクルようにアワセルのではなく、ロッドで聞くようにスウィープなアワセを心がけるべきとのこと。
オススメのロッド
これらを実現するには、操作性の良いロッドがマストだ。
METALZON TZ S70ML
全長:7ft/形式:スピニング・2ピース/重量:96g/ルアーウェイト:20~80g(5~20号)/ラインウェイト:MAX PE0.8号/メーカー希望小売価格33,000円(税別)
スウィープなアワセを可能にするには、イカに違和感を与えない柔軟なティップと、ティップとの継ぎ目から極端に硬化しない追従性のあるベリー先端部、そしてベリー中ほどからはフッキングを確実にこなす張りを持ったロッドを使用することだという。ちなみに、松中氏がこのパターンで使用しているのが、テイルウォークのMETALZON TZ C65ML-N。
先調子ながらスムーズな曲がりを残した、乗せ調子のロッドだ。
METALZON TZ C65ML-N
全長:6ft 5inch/形式:ベイト・2ピース/重量:95g/ルアーウェイト:20~80g(5~20号)/ラインウェイト:MAX PE0.8号/メーカー希望小売価格33,000円(税別)
だが、一方で掛け調子のロッドが存在し、有効な使い方があるという。そのシチュエーションとは、タナが固定し、イカの活性が高く、早い勝負で掛けていく場合に有効とのこと。もちろんアワセは鋭く短く行うのが前提。曲がりの少ない掛け調子のロッドで大きくアワセれば、それだけスッテの跳ね方も派手になり、イカを驚かせてしまう。
無理矢理引っかけるためではなく、小さなアワセでもしっかりハリを掛けるために、掛け調子が存在すると考えよう。
METALZON TZ C65ML-K
全長:6ft 5inch/形式:ベイト・2ピース/重量:98g/ルアーウェイト:20~80g(5~20号)/ラインウェイト:MAX PE0.8号/メーカー希望小売価格33,000円(税別)
大型マイカ狙いのポイント
当日の釣りも中盤に入り、お土産を十分確保できたアングラーがあちこちに。釣果に余裕が出てくると、アングラーはサイズを狙いたくなる。
例年ならボトムをしつこく攻めていると大型がヒットするが、今季の敦賀沖ではこのパターンがあまり効果を発揮せず、中層で、アベレージサイズに交じって大型がヒットしている。
この状況でいかに大型を抜けばよいか? 松中氏も今年のパターンでは、確固たる釣り分けは難しいものの、可能な努力と言えば「派手なアクションは避け、おとなしいアクションに徹すること」だという。好奇心旺盛な若いイカは、目立つものに真っ先に反応するため、これのアタックを最小限に抑えることが、大型への近道だ。
注目の『オモリグ』のアクション
釣りは後半戦に入り、イカメタルに対するマイカの反応が鈍り始めたところで、最近注目されているオモリグによる検証をスタートした。オモリグとは、シンカーの上に接続した1mほどのハリスの先にエギを付けた仕掛けでマイカを誘う釣法。
潮が速い場合や、イカメタルに反応が悪い場合に有効な方法だ。オモリグでの釣り方は大まかに3つある。松中氏にそれぞれについて解説してもらった。
A、ワンピッチジャーク+ストップ
ワンピッチで3回ほどシャクリ上げたあと、ピタリと止める。引っ張られている間にエギがイレギュラーなアクションを起こしてイカを呼び、止まったところで、興奮したマイカがたまらずアタックする。
B、速いフォールで誘うリアクションパターン
ロッドを立てたあと、一気に下げ、イトフケを生じながらストンと落として誘うパターン。先行して沈んだシンカーに引っ張られ、エギがイレギュラーな動きで沈む。この動きでリアクションバイトに持ち込む釣り方だ。
この誘いを行う場合の注意点は、フォールのアタリが取れないので、オモリが沈みきってロッドに重さが乗ったときと、エギの沈下速度を憶えておき、エギがハリスの長さ分沈みきったとき(※)の二度、聞きアワセを入れてイカが乗ったか確認する必要があることだ。
※例:ハリス長1m、エギの沈下速度が毎秒10cmなら、オモリが沈みきってから10秒カウントする。
C、テンションフォールパターン
先述したイレギュラーな誘いが、イカに警戒心を与えてしまうような低活性時にお勧めの手法。テンションフォールでシンカーをゆっくり沈め、おとなしく誘うが、そのまま沈めてもハリスはたわんでいるのでアタリが取れない。
そこで、オモリが沈んでロッドに重みが乗った段階で、ロッドを潮上方向へゆっくり横倒しさていくことで、ハリスのたわみを取ってアタリを拾いやすくし、かつエギをドリフトフォールさせて誘うことができる。
松中氏はオモリグでの実釣を開始すると、さっそくAの手法にBをコンビネーションさせた誘いでマイカをキャッチ。次々と連打を演じたあと、マイカの反応を見て、Cのパターンへと移行し、釣果を追加することに成功した。
『オモリグ』にオススメのロッド
前述した『オモリグ』のアクションにオススメなロッドを紹介。
Salty shape DASH METAL IKA S60MH/FSL
Salty shape DASH METAL IKA S60MH/FSL
全長:6ft/形式:スピニング・2ピース(オフセット)/重量:109g/ルアーウェイト:40~140g(10~35号)/ラインウェイト:MAX PE0.8号/メーカー希望小売価格20,000円(税別)
いずれの釣法を行う場合も、松中氏はテイルウォークのフルソリッドイカメタルロッド「Salty shape DASH METAL IKA(ソルティシェイプ ダッュメタルイカ)S60MH/FSL」を使用する。
このロッドは、繊細かつナチュラルな誘いの実現と、イカに違和感を与えないテーパーをコンセプトに生み出されたものだが、シンカーの動きにしっかり追従し、跳ねさせないオモリをブランク特性が、オモリグ釣法に非常にマッチすると言うのが理由だ。
※シンカーが跳ねるとイカに違和感を与え、かつハリスが絡む原因になる。