今年の大阪湾の波止釣りはちょいと異変続き。各波止ではチヌが釣れ続き、豆アジのシーズンに突入したと思えばツバスにハマチにブリ、そしてサワラと青物が怒濤の攻勢だ。7月7日はドラグ音も心地よく、メーターオーバーのブリも登場。そんな梅雨を吹き飛ばす波止の模様を取材した。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS関西編集部・松村)
エレベーター釣法の概要
荒木さんの釣りはノマセ釣りの中でもエレベーター方式と呼ばれる釣り方だ。この方式は関西では古くから親しまれているもので、ウキ釣りや胴つきでのブッ込み釣りとは違って、タナを幅広く探る事ができるのが特徴だ。では、ここでエレベーター釣法の説明をしよう。
システムは簡単で、ミチイトの先にオモリを接続する。ハリスは30cmほどでよく、エダスの先にスナップサルカンを接続して、ミチイトにスナップを通す。釣り方としてはまずエダスを付けずに、オモリだけを投入する。その後、サビキで釣った生きアジをハリに刺して、スナップを開いてミチイトに通し、閉じたらそのままミチイト上を滑らせてエサを海中へ。
エレベーター釣法のメリット
アジの泳ぎによって、ミチイト上を自由に行き来できるから、表層から底層まで、アジ任せでのタナ探りが可能になる。この釣りのメリットを挙げると
・オモリだけの投入なのでエサが外れる心配がなく遠投ができる
・生きアジを遠くへ投げ込む必要がないので、アジが弱らない
・ミチイト上をエダスが滑るので、食い込むまで違和感をあまり与えない
など。
またできるだけ底を狙いたい時などは、エダスの付け根にオモリを付けるとミチイトの上を滑って底へと向かうので、表層にいる青物などから底付近に潜むヒラメやマゴチなどまで幅広く対応できる釣りなのだ。
通常、オモリは六角オモリで投げ釣り同様30号程度を目安とするが、荒木さんはスパイクオモリを使用。
なるほど、スパイクオモリはその形状から想像が付くように海底ではドーナツ状の輪っかから出た突起によって海底でズルズルと滑らない構造になっている。
海底で安定してどっしりと固定できるから、仕掛けやサオ先も安定しているのだ…と理解できた。また、海底べったりにならないように、ミチイトの先には捨てイトを30~40cm入れて、その上でエダスが止まるようにしていたのも工夫だ。