霞ヶ浦の地ベラ狙いが好機を迎えた。取材日前後は低気温でやや食い渋ってしまったが、今後安定した晴天が続けば魚が接岸傾向となり、各流入河川の河口や排水機場周辺などを中心に大釣りが期待される。型も35~45cmと素晴らしく驚くほどの美ベラがそろう。名ポイントを狙うもよし、車で湖岸線を流してモジリのある所を狙ってみるのも面白い。今回は霞ヶ浦(西浦)の土浦入・高浜入を中心にガイドする。
霞ヶ浦(西浦)概況
文献によると西浦、北浦、外浪逆浦、鰐川、北利根川、常陸川の各水域を総称して霞ヶ浦と呼称する。水際総延長は約249.5kmで日本最大の琵琶湖よりも15km長い。今回はそのなかの西浦エリアに的を絞る。
土浦方面に伸びる水域を土浦入(いり)、石岡方面を高浜入、両者が交わる出島沖の広い水域を三叉(みつまた)沖などと呼称し最深部は約7m。
近年はキャットフィッシュ(アメリカナマズ)が勢力を拡大し、ヘラ狙いの天敵になっている。
とくに初夏~初冬の高水温期は釣りにならない。地元の常連も「霞で竿を出すのは長くても5月いっぱいだね。」などと言うほどなので、6月頭までが釣期と見ていいだろう。ただし、梅雨に入り大雨が降ると一時的にヘラの活性が上がることがある。
霞ヶ浦(西浦)のポイント
西浦と二文字で片づけても、そのエリアはあまりにも広大だ。だが釣れているエリアを見ると、ある法則がある。
①流入河川の河口周辺
②大小問わず田畑などへの水を操作する排水機場(水門)周辺
③構造物(船溜り、桟橋、消波ブロック、そして乱杭など)の周辺
④周囲と比較して明らかな地形変化エリア
⑤犬走り護岸がある比較的良好な足場
⑥釣り人の姿がある
とくに⑥がとても重要で、平日休日問わず釣れているエリアには、必ずと言っていいほど常連が竿を出している。そしてその常連が入っているポイントを観察してみると、大方①~⑤のいずれかまたは複数に該当するはずだ。
つまり「釣りたいなら常連を探せ」なのだが、そうは言っても広大なエリアをどう探すのか。幸い一部を除き湖岸線沿いを車で走れるので、労力はさほどかからない。問題は効率だ。
風予報と時間のポイント
まずは当日の風予報を見て風向かいになるエリアは除外する。たとえ風速3m程度でも向かい風だと波をかぶって釣りにならないので常連もまず入らない。ただし水際がジャカゴの場合は波が押し寄せても吸収されるので、多少の向かい風なら好んで入る常連もいる。
次に時間。夜中などあまりに早く到着すると、常連がまだ到着していないので参考にならない。
日の出時刻の前後30分を目安に捜索を開始するといいだろう。
また自分で目ぼしいポイント(モジりなどがあった)を見つけたらとりあえず釣り台を置いて、仲間に道具の見張りを頼んで捜索に向かうという手もある。
ただし湖岸線を流す際は脇見運転に注意しよう。
タックルとエサ
幅が狭い川の河口付近を除き、釣り方は中長竿(15~24尺)の底釣り。
そこから当日の流れや波高の強弱に合わせてバランス、ハリスオモリ、ドボンを使い分ける。エサはグルテンセットや両ダンゴなど好みで。
「ダンゴは余計な魚が寄りやすい」と言われるが、それは両グルテンでも同じ。それよりも積極的に魚を寄せたほうがいい。常連の中にはグルダンゴを多用する人も。
注意点はエサ持ち。とくに流れが強く波高もあるとエサは引きずられるし、トップの上下動も加わり簡単にハリ抜けしてしまう。「バランスでやれそうだ。」と思っても、エサが持たなければ釣りにならない。よって仕掛けの動きを止められるドボンオモリやガン玉は必ず準備しておきたい。
さらにエサ使いも重要だ。持ち過ぎるとマブナやコイが増えるので、多少でも開くエサを仕掛けで持たせるイメージがベター。グルテンならアルファ21単品でひたすら待つ釣りではなく、グルテン四季単品、新べらグルテン底+アルファ21などを使う。
両ダンゴなら硬ネバではなく軟タッチで糸を引くようにバラけさせると早いアタリが狙える。ただし一日数回のアタリしか出ないようなら、グルテンセットにして下バリに持つグルテンを付けてじっくり待つ。
アクセス
常磐自動車道土浦北IC~R354を霞ヶ浦方面へ。土浦入方面へは木田余跨線橋東信号を右折。高浜入方面へはそのまま直進で霞ヶ浦大橋。
これから農繁期になるので無余地駐車は厳禁。
風向かいのポイントに入ると大波を食らうことがあるので、荷物などは土手の高い所に置く。
<週刊へらニュース 棚網久/TSURINEWS編>
霞ヶ浦(西浦)
入釣料無料、釣り台必携、水汲み用ひも付きバケツ・カート用意。