スーパーの鮮魚コーナーに並ぶマグロなどの刺身のトレーに、赤い液体が染み出しているのを見たことがないでしょうか。あの液体はいったいなんなんだろう?血?実はあの謎の液体「ドリップ」にはたくさんの旨味が含まれています。おいしく魚を解凍するにはこのドリップの流出を抑えることが重要です。今回はそんなドリップの謎に迫るとともに、適切な魚の解凍方法を解説していきます。
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魚を解凍する6つの方法
美味しさをキープしながら失敗しにくいオススメの解凍方法は「氷水解凍」か「冷蔵庫解凍」になりますが、その他にもいくつか解凍方法があるので比較していきましょう。
時短なら流水解凍
ボウルなどの容器に冷凍した魚を水に直接当たらないようにシップロックなどに入れ、流水にあてます。魚の大きさにもよりますが時間的にも短い時間で済むのがメリットです。触ってみて、中心がまだかたい状態が半解凍状態、触ってやわらかくなっていれば完全に解凍できていると言えます。
刺身なら氷水解凍
氷水解凍は氷水にシップロックごと魚を入れ、随時氷を足して冷たさをキープしながら時間をかけて解凍する方法。時間がかかりますが、鮮度がキープされやすく身へのダメージが最小限に抑えられます。刺身などで鮮度良く食べたい魚に特にオススメです。
簡単な冷蔵庫解凍もOK
冷凍した魚をジップロックごと、冷凍庫から冷蔵庫に移すだけの簡単な解凍方法。少し時間がかかりますが、ゆっくり解凍できるので身へのダメージを抑えられます。魚の厚みや種類などによって差はありますが、6時間程度で完全に解凍されます。
温塩水解凍はマグロに
また海水魚は解凍の際冷蔵庫に入れる前に温塩水につける方法を取ると、余計な水分が抜けるほか冷凍時に出たドリップを洗い流せるのでより美味しくなります。特にドリップによって色が変わりやすいマグロの刺身を冷蔵庫解凍する際にオススメの方法です。
やり方は冬場が35℃前後、夏場なら15℃を目安にした水1Lに、大さじ2杯の塩を入れた塩水をまず作ります。そこに冷凍した魚をそのまま入れて2分ほど漬けます。取り出したら軽く水で洗い水分をよく拭き取ってから、キッチンペーパー&ラップor脱水シートにくるんで冷蔵庫に入れ解凍します。
電子レンジは?
電子レンジの解凍モードで解凍する方法は解凍時間は早いですが、加熱ムラが起こりやすく、急速に解凍するため魚の身にダメージを与えるので、美味しく食べるという観点からは正直おすすめはしません。本当に時間がなく、味は二の次の場合にしましょう。電子レンジで解凍する際はキッチンペーパーに乗せて、出てくるドリップを吸収しながら解凍するのがコツです。
常温はNG
常温ではドリップとしてほとんどの旨味が出てしまうほか、細菌が繁殖しやすい温度帯に長時間さらされることになるため衛生的にもおすすめできません。