この時期に釣れるマダイは「桜鯛」、「花見鯛」と呼ばれ、さまざまなシーズンで狙えるマダイの中でも特に人気が高い。そんな「桜鯛」を、伝統釣法『高仕掛け』にて和歌山県加太沖で狙ってきた。
当日の状況
3月26日、加太の船マダイに釣行した。
乗船した船は加太港のベテラン船・多部丸。この日は乗合で、参加者は加太の船マダイ釣りにもよく通っている南さん(右舷ミヨシ)と南村さん(左舷胴の間)、その他にこの船の常連客である林さん(右舷トモ)の3人。
状況としては、3月からあまり食いが上向いていなかったが、それでもおいしい「桜鯛」が釣れたらという思いで、各自乗船し、午前5時30分に出船。ポイントに向かいながら、それぞれ準備を整える。
加太の伝統釣法「高仕掛け」
加太沖の釣りは大きな特徴があり、それは「高仕掛け(高道具)」と呼ばれる、全長15m以上もある仕掛けを使うこと。そして、ハリに刺すのは透明なピンクのビニール片だ。
仕掛けだが、加太の船のほとんどが自前の船頭仕掛けを用意しており、根掛かりなどしてもすぐに代わりの物を渡してくれる。ちなみにこの日、多部丸で用意された船頭仕掛けは長さ18m、ミキイトとハリスはともに3.5号、ハリスの長さは40cmほど、ハリ数は6本、オモリ30号であった。
そして、お勧めのタックルだが、南さんのを例にとるとサオが2mほどのタイラバロッド、リールが両軸の中型、PEライン1.5号、リーダーはフロロカーボンライン4号1ヒロぐらいを用意するといい。
ハリ付けにひと工夫も
また、南さんはビニール片をハリに刺す時にとても便利な道具を使用している。それは、100円均一ショップで買ったスポンジ。ハリをビニール片の幅の広いほうの先端中央に刺していくのだが、スポンジの上に置きながらすると簡単にできるのだ。
30cm級アジから顔見せ
さて、準備が整ったところでいざ実釣開始。最初のポイントは50~60mのカケアガリ。誘い方は単純で、仕掛けが底に着いたら巻き上げていく、ある程度巻き上げたら底に落とす、の繰り返し。この日は「底から15回ほど巻き上げたら落として」と船長からの指示。
食いが渋いことを考えてか、各人ゆっくりめの手巻きで誘っていく。すると、南村さんにヒットするがバラシ…。そして再び南村さんにヒットするが、これは30cm級のアジ。こちらもおいしいお土産なのだが、やはり欲しいのはマダイ。
次は南さんに掛かった! ゴンゴンというマダイの引きで、早々に初釣果かと思われたが、バラシ…涙を飲んだ。