問診票
手軽なライトタックルで行うアジ釣りはしたことがありますが、130号〜150号といった重いビシで深場のアジを狙うビシアジはまだしたことがありません。基本的な釣法やタックル、釣果を伸ばすためのアドバイス是非よろしくお願いいたします。
診断結果
東京湾・相模湾ビシアジの人気は何と言っても潮の速いポイントに生息する、魚体も美しく食べても美味な良型アジが釣れる点です。ビシサイズが30〜40号のライトアジは、釣れるサイズはビシアジに比べ平均的に落ちますが、タックルも軽量化、ポイントも近場で船酔いの心配も少なく、沖釣り入門には最適な釣りになっています。ビシアジがなぜ130〜150号、時に180号といった重いビシを使うかといえば、それは狙うポイントが50mから時に100mと深くなることと、走水が代表するように概して良型アジが居る場所は潮の流れが速いためです。
処方箋
深場の底付近にいるアジを釣るためには、潮が速くてもビシ・仕掛けが底に着き、簡単に浮き上がらないことやコマセがしっかり振り出されなければならないことが重いビシを使用する理由なのです。理由が理解できたら、具体的な釣り方を解説していきましょう。
ビシアジ基本タックル
専用のアンドンビシを胴長30センチほどの片天秤に装着。ほとんどの船宿でレンタルできます。
ビシが130〜180号になるので当然ライトタックルは使用出来ず、この錘を背負ったときでも錘負けせず、しっかりコマセが振り出せ、正確にタナ取りができるロッドが必要です。
具体的には7.3調子で1.8m前後、アジが掛かった時には6.4調子に曲がり込む粘りがあるタイプならバラシも軽減され置きサオでも対応出来るのでお勧めです。リールは電動でPEライン3-4号を200〜300m巻けるキャパのものが必要になります。
仕掛けは全長1.8〜2mでハリスは2〜3号、ムツ針10〜11号の2本針もしくは3本針です。良いものが市販されています。
天秤にはクッションゴム1.5ミリ30㎝前後を介して接続します。餌はほとんどの船宿が用意するイカの切り身を食紅で染めたものを米粒大にカットしたいわゆるアカタンの他、イソメを2㎝長にカットしたものを使います。
ビシアジ釣り方
アジの遊泳層は通常は底から1〜2m上です。しかし起伏のあるポイントでは時に底から3〜5m上になることもあります。
いずれにしても船長は「底から○mでやって下さい」と指示を出します。
例えば船長から底から2mと指示がでたらビシが着底したら底から1m巻き上げコマセを撒き、さらに2,3回コマセを撒きつつ2mまでビシを上げ、コマセ煙幕の中に餌の付いた針を誘導してアタリを待つのです。
底から3mの場合は、ビシ着底後2m巻き上げた後、コマセを振りつつ3mまでビシを上げアタリを待ちます。しばらく経ってもアタリが無い場合は再び錘を着底させ、同じことを繰り返します。これが基本です。
これだけ読むと簡単に思えますが、このタナ取りとコマセワークが、潮が速い状況や二枚潮になってくると簡単ではなくなります。実釣では速潮、二枚潮の中で釣ることが多いことがビシアジの難しさであり面白さでもあるのです。
タナ取りとコマセワーク
ビシが着底する時に大きく横に流され道糸の傾きが大きくなったり、糸フケが出来た時はまずは糸フケを巻き取り、1m底から巻き上げたらいきなりコマセを振り出さず、そのまま数秒待ちます。
上潮が速く糸フケが出来ている場合は、ビシは自分の位置に近づく形で再び着底し底を叩きます。同じ行為を2,3回繰り返しビシが自分の位置にさらに近づき、出来るだけ道糸が真っ直ぐ立った時点で、はじめて既述のタナ取りとコマセワークに移ることが肝心です。
またこのように上潮が速い場合は、投入後、ビシが底潮に入った頃を見計らってリールスプールにサミングを掛けたり、一時的に道糸の出を止めることで道糸の傾きを正しビシを着底させる方法も、余計な糸フケを作らない工夫の一つです。道糸が立っていない状態でタナ取りやコマセワークを行っても、ポイントもタナもズレてしまっていますし、他者とのオマツリにもつながってしまいます。
速い底潮攻略法
ビシが着底する時に大きく横に流され道糸の傾きが大きくなった時、糸フケを取って1m巻き上げ数秒待ってもビシが底を叩かないときは、上潮では無く底潮自体が速い状況です。
この場合は自ずとビシが底から浮き上がり、軽くロッドをしゃくるだけ、もしくはシャクリがなくても速潮でコマセがビシから横に流れ出し、仕掛けも横になびき同調しやすくなっています。
ビシが浮き上がりタナに合った時点でアジが居れば高確率に勝手に喰って来るパターンです。潮が速いポイントには良型アジが多く、船長も型狙いでこのようなポイントを狙う場合も多いので、ビシは130号に加え潮に負けない150号、時に180号を持参したほうがチャンスを逃しません。
緩い底潮攻略法
潮が流れていない時、緩い時は、ビシを降ろしたとき道糸が素直に立つように底まで降ります。
注意を要するのはビシ着底時、横に道糸が傾いても、先述の行為で道糸を一旦立てた後、あまりビシに潮の抵抗を感じない時は上潮だけが速く、底潮が流れていない(緩い)状況です。
いずれにせよ、この時ははじめに述べた基本的なタナ取りとコマセワークを行いますが、仕掛けもコマセも横に流れず、縦方向に下がる形になり、付け餌がアジの居る層より深くなっている場合があります。
通常のコマセワークでアタリが出ないときは、指示ダナよりさらに1mコマセを撒きながらビシを上げて待つとアタリが出る場合があります。