従来のルアー(疑似餌)で狙うメバル釣りは、ソフトルアーを用いた攻略法がスタンダードだったが、近年はハードルアーを用いたプラッギングが流行のきざしを見せている。今回はいよいよ本番を迎えた春のメバルシーズンに向けて、私が普段釣行している伊勢湾奥港湾部のナイトゲームを中心に、釣果倍増間違いなしの「意外と釣れる」メバルプラッギングを紹介できたらと思う。
ポイントの選定
港湾部の場合は明るい常夜灯周りにポイントを絞りがちであるものの、照度はそれほど関係なく、藻場の隣接するシャローや水深の比較的あるテトラ帯などもオススメだ。
特にこれからの時期はバチ抜けやハク(ボラの稚魚)、稚後ユなど大量のベイトが接岸してくる季節でもあるため、それらの状況も把握しながらポイントの選定をするといいだろう。
また、プランクトンが多く集まる条件として、「向かい風」という要素がある。メバル=ナギという定説はあるものの、プラッキングの場合はある程度の向かい風は攻略可能なため、誰もいないポイントで大爆発なんていうことも何度か経験しているので試してみてほしい。
特に風によって潮目が岸について泡が足元に見えるような状況なら粘る価値大だ。
トレースの仕方
まれにライト周りなど走光性(光に集まる性質)プランクトンがわいているときは、さまざまなキャストコースでバイトが得られることがあるものの、プラグの釣り方の基本=「潮に逆らわずにルアーをトレースすること」が鉄則となる。
自分の立ち位置から潮上にキャストし、できるだけ潮の流れを横切ったり、逆らわない方がバイトは多く得られる。
ルアーアクション
またリトリーブのみよりもトゥイッチやジャークなどの誘いを要所で入れることで、バイト数を飛躍的に伸ばすことができる。
具体的にアクションを入れるタイミングはプラグの抵抗感が変わったときであり、アクション後にプラグの姿勢ができるだけ水平で漂うようなイメージを持つといいと思う。あくまでもイメージなので、不安な人は明るい時間や常夜灯のあるポイントで、自分の持っているプラグの姿勢やアクション時のダート幅などを確認しておくといいだろう。
釣果アップのコツ3点
フックサイズ変更とラインテンションで、フッキングミスやバラシを軽減。
①浮力調整
市販のメバルプラグの多くは各メーカーの開発海域の塩分に合わせて浮力調整されていることが多い(F、SF、SP、SS、Sなど)。
名古屋港と四日市でも塩分がかなり違うため、スプリットリングやフックサイズの変更で状況に合わせて浮力調整すると戦略の幅がアップする。
また食い上がる反転バイトが多いため、バーブレスフックに交換しておくと初期掛かりが深くなる。
②ラインテンション
アクション後のステイや漂わせでバイトが得られることが多いプラッキング。肝心なバイト時にラインテンションを張りすぎていると、フッキングミスやバラシにつながるため、張らず緩めずの適度なバランスが大切と考える。
理想はメバルの口の中にプラグがスッポリ入ること。活性の高い低いはバイトの深さにあまり関係ないと感じている。
プラグ=小魚ではなくさまざまな生き物的なアクションで小魚を模した形状のプラグが多いことから、ついつい小魚的な水平方向のアクションで誘いがちになる傾向があるものの、ソフトベイトのようなアクションも効果的。
プラントンは漂うだけでなく種類によってはトリッキーな動きをすることもあるため、アクションバリエーションはいろいろと試すことをお勧めしたい。
③ヘッドライト
プラッギングに限らずメバルは水面近くを常に意識している。ナイトゲームの海面へのヘッドライトの照射は釣れなくなる原因の最たるものだ。ルアー交換時やランディング、移動時なども意識しておくだけで釣果は大幅に増加する。
最近では赤色灯付(海中に光として入りづらい)のヘッドライトも販売されているので試してほしい。