乗っ込みシーズンは、数も型も期待できるマダイ釣りのハイライトのひとつ。
今年も例年通り各地で釣果が上がりだした。
そこで今週のつり作戦は、この乗っ込みマダイをピックアップ。
テンビン仕掛けで狙うコマセマダイ釣りの基本を、テレビの釣り番組でもおなじみの今井浩次さんに解説してもらった。
テンビン仕掛けのコマセマダイの釣り方
それでは基本的な釣り方から始めてみよう。
マダイがいるタナは、今までの経験から船長が何mぐらいと教えてくれるはずだ。
これを指示ダナと呼んでいる。
この指示ダナを中心にタナを上下しながらアタリが出るタナを探ってみる。
仮にマダイのタナが50mだと教えられたら、まきエを詰め50m+仕掛けの長さ分(3~4ヒロ)だけ余分に仕掛けを下ろし、すぐに仕掛けの長さ分だけ巻き上げる。
これはまきエの層とさしエを素早く同調させるためのテクニックで、タナ返しと呼んでいる。
タナ返しが終わったらサオをシャクってまきエをまき、仕掛けがなじむまで待つ。
このときにアタリがなければ、今度は2、3m巻き上げ、ここでもサオを振ってまきエをまき1分ほどアタリを待つ。
待っても気配がないようなら、今度は誘いを掛けてみることだ。
2パターンの誘い方
誘いとは、エサを意図的に動かしたり、動いているエサを止めたりしてエサを魚に注目させ、食べさせる行動を促すものだ。
マダイの場合、この誘いには2つのパターンがある。
ひとつは最もよくやる誘い上げと呼ばれるもので、エサを上方へ意図的に動かし、エサが逃げていくような演出をしてみたり、突然、マダイの目の前にエサが現われたような誘い方をしてみたりする。
誘い上げのやり方は、サオ先をゆっくり持ち上げ1、2m上方へエサを動かす。
誘い上げたら最低5秒はポーズを取ってアタリを待ち、なければ同じパターンでもう一度誘い上げる。
これでも食わなければ、もう一度サオをスタート位置へ戻し、再び誘う。
これの繰り返しだ。
ただ、あまり頻繁に誘いをかけると、大型より小型のマダイ(チャリコ)が先に反応して小型ばかりが釣れ続いたり、エサが落ち着かないために大型が警戒するので、適当な間を取りながら誘いをかけることが大切だ。
もうひとつの誘い方は落とし込みとか誘い下げと呼ばれるもので、仕掛けを下方に動かして誘う方法だ。
誘い下げのときは、親指でリールのスプールを押さえながら、できるだけゆっくり仕掛けを下ろすのがポイント。
ハリスの半分の長さまで仕掛けを下ろしたら、ここで一度、サオを振ってまきエをまいてから、すぐにハリスの半分の長さまで巻き上げアタリを待つ。
このやり方は、タナ返しと同じで、まきエとさしエを同調させやすい利点があるし、まきエがほぼ一点に集中するので、狙ったタナにマダイを寄せやすいのだ。
ただ、マダイは常に上から落ちてくるエサを見ているので、まきエが効いてくるとタナがうわずりやすい。
そのため、アタリが止まったときはタナを上げて狙うとアタリが持続する。
アワセはサオが舞い込んでから!
アタリは、誘った直後によく出る。
ただサオ先を震わせる前アタリが出ても、慌ててアワせないこと。
しっかりハリ掛かりするまで待った方がバレにくいので、サオが舞い込んだ時点で大きくアワセを入れ、しっかりフッキングさせる。
引きの強さで大体の魚の大きさが分かるから、大きいと思ったら少しドラグを緩めてやり取りする。
巻き上げる途中で、サオをたたくような引き方をするときは間違いなくマダイだ。
底さえ切ってしまえば根に入られることもないし、ゆっくりやり取りを楽しんで取り込めばいい。