渓流釣りは、山間の清流で魚を狙う魅力的な釣りです。美しい自然の中で釣れる魚は、種類ごとに性格や好むポイントが変わってきます。本記事では、渓流釣りで狙える代表的な魚種を紹介し、それぞれの生態や釣り方のポイントを解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・落合浩大)

イワナ
イワナはサケ科イワナ属に分類され、体の側面に広がる白い斑点が特徴的な渓流魚です。渓流釣りの代表的な魚種であり、「渓流の王者」と称されることもあります。
イワナは地域ごとに異なる亜種が存在し、「ニッコウイワナ」「ヤマトイワナ」「エゾイワナ(アメマス)」「ゴギ」などが代表的です。それぞれ模様や生活環境に若干の違いがありますが、基本的な生態や行動パターンは共通しています。

イワナを釣るときのポイント
イワナは冷たい水を好み、他の渓魚に比べると上流域を好んで生息します。特に源流付近などはイワナのみがターゲットになることも多いです。
性格は臆病な魚で、普段は岩陰や倒木の陰に隠れたり、底付近に定位したりして、流れてくるエサを待っていることが多いです。また、比較的流れの緩やかなポイントを好むのも特徴です。
一方で、臆病でありながら貪欲な一面を持ち、捕食スイッチが入ると大胆にエサへアタックしてきます。ヤマメなどと比べると、一度狙ったエサやルアーに何度も食いつくことが多く、繰り返し同じポイントを攻めることで釣果が上がることもあります。

ヤマメ
ヤマメはサケ科サケ属に属し、サクラマスの陸封型として知られています。体の側面に並ぶ「パーマーク」と呼ばれる特徴的な斑点があり、その魚体の美しさから「渓流の女王」とも呼ばれます。
この魚は北海道や本州の日本海側、関東以北の太平洋側、さらには九州の一部など、特定の地域に分布しています。近縁種であるアマゴとは生息域が分かれており、西日本ではほとんど見られません。

ヤマメを釣るときのポイント
ヤマメはイワナよりもやや下流の区域に生息していることが多いですが、上流域で混泳していることも珍しくありません。
遊泳力が高く、速い流れに適応できるため、エサを待つポイントはイワナとは異なります。ヤマメは流れの中で捕食する習性があり、オープンなエリアでエサを待っていることが多いです。特に、エサが流れてきやすい水流の変化がある場所や、流れが集まるスポットを狙ってみましょう。
また、渓流魚の中でも警戒心が強く、釣り人の姿や物音に敏感に反応するのが大きな特徴です。エサが付いた針でも違和感を覚えるとすぐに吐き出すなど繊細な面があるため、流れの中を自然にエサやルアーが漂うようにしながら、慎重にアプローチすることが重要です。
アマゴ
アマゴはサツキマスの陸封型で、ヤマメと同じくサケ科サケ属に分類される渓流魚です。ヤマメと近い種で、見た目も似ていますが、体側に赤い斑点があるのが大きな特徴で、この模様によって識別できます。
生息域はヤマメとは異なり、西日本の太平洋側や四国、九州の一部に分布しています。

アマゴを釣るときのポイント
生態はヤマメとほぼ同じですが、警戒心はアマゴのほうが薄いというアングラーもいます。ヤマメ同様、流れの中でエサを待つスタイルをとるので、流芯や流れの筋などを狙ってみましょう。
ニジマス
ニジマスは、本来日本には生息していない魚種です。しかし、一部の渓流で釣りのターゲットとして放流されており、北海道では自然繁殖している河川もあります。
養殖で容易に大きく成長する魚のため、特定の放流河川では大型の個体を狙うことも可能です。

ニジマスを釣るときのポイント
ニジマスは、遊泳力が他の渓魚に比べて低いため、比較的緩やかな流れを好む傾向があります。そのため、流れの緩い淵や落ち込みの近くを狙うとよいでしょう。特に、大型個体の場合、川幅の狭い渓流ではその魚体により居着ける場所が限られるため、大型を放流している場所では水深があり、流れの緩いポイントを探してみましょう。
また、他の渓魚同様に警戒心があり、学習能力も高いですが、エサに対して貪欲な一面も持つため、比較的釣りやすい魚といえます。
まとめ
これらの渓流魚は、それぞれ異なる生息環境や特性を持っています。同じ河川に混在することもあり、狙う場所や釣り方を工夫することで、特定の魚種を釣り分けることも可能です。また、どの魚種も警戒心が高いのは共通しているため、釣り場へのアプローチは慎重に行うのがコツです。
<TSURINEWS編集部・渡辺>