地磯エギングで高額リールがまさかの落水・・ 危険性と再発防止策とは?

地磯エギングで高額リールがまさかの落水・・ 危険性と再発防止策とは?

堤防でのエギングポイントが減少する中、新たな釣り場を求めて地磯に挑戦する釣り人が増えています。自らの足で山を歩き、磯を越えて新たなポイントを探すスタイルは、冒険心をくすぐる魅力にあふれています。しかし、その一方で予期せぬトラブルが発生することも。今回は、地磯でのエギング中に起きた痛恨のトラブルと、それを教訓にした対策についてご紹介します。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・谷口墨人)

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野中功二

伊豆をメインフィールドとするローカルアングラー。エギングメインですが、ジャンル問わず、海山に囲まれ自然に恵まれた伊豆で旬の釣りを楽しんでいます。

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地磯エギングでのトラブル

ある日のこと。私は地磯でエギングを行うため、藪漕ぎスタイルで新たなポイントを開拓しようと意気込んでおりました。スパイクシューズ、フローティングベスト、手袋をしっかりと装着し、ロッドにはティップカバーをつけ、ロッドベルトで固定しました。

リュックには予備のラインやエギ、小型の応急キットを収納し、リールにはシマノの高級モデル「ヴァンキッシュ」を装着した状態で出発。なお、この日に使用したロッドのリールシートは、下から上に締め込む「アップロック」と呼ばれるタイプでした。

万全の安全対策を施したつもりでしたが、それでも予想外のトラブルが発生しました。

地磯エギングで高額リールがまさかの落水・・ 危険性と再発防止策とは?伊豆エリアの地磯(提供:TSURINEWSライター・野中功二)

地磯釣行帰りの悲劇

釣行を終え、帰路についた際のことです。磯を歩き、垂れ下がったロープを利用して崖を登る場面で、思いもよらぬトラブルが発生しました。片手でロープを掴み、もう一方の手にはリールを装着したままのロッドを持ち、慎重に登り始めました。

地磯エギングで高額リールがまさかの落水・・ 危険性と再発防止策とは?ロープを伝って崖を登ることもある(提供:TSURINEWSライター・野中功二)

しかし、ここで問題が起こりました。ロッドのリールシートが「アップロック」タイプだったため、登る際の振動や負荷により徐々に緩んでしまっていたのです。そして、「あと少しで登り切れる」というタイミングで、リールのガタつきに気付きましたが、その直後に最悪の事態が発生しました。

シマノのヴァンキッシュがロッドから外れ、磯の上を転がりながらスローモーションのように崖を滑り落ちていったのです。そのまま海へと落下し、波間に消えていく高級リールの姿を、ただ見送ることしかできませんでした。市場価格5万円を超えるリールを失い、大きなショックを受けました。

トラブルを防ぐための対策

この経験を踏まえ、地磯でのエギングにおいては次のような安全対策を取ることを強く推奨いたします。

地磯エギングで高額リールがまさかの落水・・ 危険性と再発防止策とは?足場の不安定な地磯(提供:TSURINEWSライター・野中功二)

1. リールをロッドから外して移動する

移動時はリールを取り外し、バックに収納することで落下のリスクを完全になくせます。また、ロッドもリュックに固定することで両手が自由になり、崖や険しい道を安全に進むことができます。

2. 両手を自由にする工夫をする

崖や藪漕ぎでは、両手が自由に使える状態が理想的です。片手でロープを握りながら、もう一方の手でロッドを持つとバランスを崩しやすく、危険が伴います。移動時の装備の工夫が、安全性を向上させます。

3. リールシートの緩みに注意する

特に「アップロック」タイプのリールシートは、振動や衝撃により緩みやすいため、移動前には必ず締め直すことが重要です。少しでも違和感を覚えたら、すぐに調整することを心がけましょう。

4. 事前点検を徹底する

装備の緩みや破損がないか、移動前に必ず確認してください。些細な点検が、大きなトラブルを未然に防ぐ鍵となります。

地磯でのエギングは、挑戦の楽しさが詰まっている一方で、自然相手の釣行には予測不能な危険がつきものです。しっかりとした安全対策を行い、無理のない範囲で釣行を楽しんでいただければと思います。

<野中功二/TSURINEWSライター>