近年大人気の陸っぱりライトソルトゲーム。アジングやメバリングがその代表だが、秋にはメッキをはじめターゲットの種類が一気に増える。今回は三重県・南伊勢を舞台に、多種目を狙った秋のライトソルト五目をお届けしたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
朝マヅメ狙いで五ケ所湾最奥部へ
さて取材日は9月24日。まず大宮さんが選んだポイントは、五ケ所湾最奥の五ケ所浦。周囲が明るくなりかけており、今からがまさにゴールデンタイムだ。
早速タックルを組む大宮さん。セットしたのはペンシルベイトだ。潮は上げ3分といったところで、これから潮位が上げてくるタイミング。その1投目、リズムよくドッグウオークさせていたペンシルベイトに、いきなりドカンと水柱が上がって大宮さん自身もびっくり。明らかに小魚の反応ではない。
ハリに乗らなかったので素早く回収し投げ直すが、パシャッとファーストヒットしたのはヒラセイゴだった。
出方からして、1投目で出たのはこの魚ではない。クロダイかシーバスか……と考えても仕方がないので、キャストを繰り返す大宮さんだが、投げるたびに反応がある。次にヒットしたのは、レア魚のオニヒラアジだ。
メッキと呼ばれるヒラアジ類だが、主に釣れるのは4種類。最も数が多いのがギンガメアジ。そしてGTで有名なロウニンアジ。数は少ないがカスミアジ、そしてこのオニヒラアジだ。
続けてヒットしたのは小さなコトヒキ、続けてロウニンアジ、さらには小ぶりながらクロダイまでヒット。最初のビッグバイトは気になるが、開始してわずか30分で5種目の魚をキャッチすることとなった。
その全てはペンシルベイトや小型のポッパーでのヒット。横で見ていても、「おっ!」と声が出るほど激しいチェイスを見せる。これがマヅメ時ならではのトップゲームの醍醐味だろう。
縦の動きに好反応
ワンドでダツのバラシはあったが、日が昇りきるとぱったり反応がなくなってしまった、ここで大宮さんは移動を決断。次は同じ五ケ所浦でも、やや沖に面したエリア。ここでもトップでひと通り探った後、メタルジグをセット。
「ここはマダイも出るんですよ」とのことで、以前は20cm台後半がジグに食ってきたらしい。その言葉通り、いきなり20cm級の小ダイがヒットする。続けてメタルジグの回収ヒットで、20cm台後半の良型ギンガメアジがロッドを絞る。このサイズともなるとファイトも強烈だ。
そして撮影の合間にサオを出していた私のローリングベイトのリフト&フォールにビッグヒット。リーダーが擦れる嫌な感触はあったが、どうにか浮かせたのはなんとクエ。しかも30cm近い良型だ。続けて大宮さんもひと回り小さいクエ、カサゴをキャッチする。
さらにカマスと続き、なんと朝の2カ所のポイントだけで、10種目釣りを達成してしまった。これだけ書けば、もう大爆釣……のような印象かもしれないが、1種目の数はそこまで出ていない。
カマスなどは群れでいるはずなので連発してもおかしくないのだが、キャッチは1匹のみ。ミノーやジグミノーのトゥイッチでチェイスはあっても、口を使うところまではいかない。
メタルジグやバイブレーションのリフト&フォールやショートジャークにはヒット連発。つまり横の動きには反応してもヒットまで至らず、縦の動きには口を使うといった状況なのだ。これはそこまで活性が高くないことを意味しており、決してパラダイスのような状況ではなかった……ということだ。
大宮さんの考えでは、その要因として挙げられるのが、海水の透明度の高さ。まとまった雨が降らず、濁りが全く入っていないので全ての魚の警戒心が非常に高まっていたと考えられる。
ヒットも表層は少なくボトムからのワンジャークで食ってきたり、ジャーク後のフォールでジグがひったくられたりというパターンが多かった。
また垂直護岸ではクランクベイトへのヒットもあった。これは底ではなく、壁面に着いているカサゴやハタを意図して狙ったもの。水深のある垂直護岸では、クランクの出番もありそうだ。