釣りをしているとたまにあるのが、衣服が破けてしまうことだ。1年間ずっとフィールドに立っていると何かと無傷ではいかないが、衣服の破けもなんだか悲しいものがある。しかし挽回可能ではある。自宅に「裁縫道具」があればOK。筆者の経験から釣り服が破れたときの処置について紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
もはや釣りの一部?裁縫道具
どういう経緯で買ったのか覚えていないが、私の一人暮らしの家には、20年近くずっとミニ裁縫道具がある。裁縫道具というか、そう言っていいかもわからないが、下の画像のようなものだ。
100円均一で購入したことは覚えている。何度か人に、「縫物するの?」と聞かれたことがあるが、そういうことではない。おそらく最初も、破れた衣服を縫うために買ったのだ。
縫い針、糸。これだけあれば、ちょっとした衣服の破れには対応できる。釣り人はもっと厄介なラインを触るわけだから、簡単な破れを修理することなど、チョチョイノチョイだ。
衣服が破れてしまうことは、釣りをしていると本当によくある。それで釣りがダメになってしまうことも少ないが、いちいち服を買い直すのは勿体ないので、裁縫道具はもはや釣りにマストな関連品として手元に置いておきたい。
破れたジャンパー、素人補修
では、素人修理術について語っていきたい……のだが、その前にひとつ。前提として、釣りには絶対に「格好いい私服」を着ていってはいけない。おしゃれは一切無用である。
テレビや服屋がどう言おうが、リアルな目線で言えば、釣りのおしゃれは「絶対にやってはいけないこと」だ。釣りにおしゃれは無用どころか、足を引っ張る。機能性、機動性を見て、ダメになっても精神的に痛くない価格帯のものを優先しよう。
ジャンパーの修理
冬の釣りに使っているジャンパーだ。先日何かにひっかけて、十字に破れてしまった。このまま使い続けると穴が広がって寒さに弱くなりそうなので、いつものように裁縫道具を使って修理することにした。
まずは裁縫針に糸を通して、糸を2重に貼り合わせて、お尻の部分でノットする。確か「玉結び」というヤツである。そして、針を服に入れて、ざくざくと「まつり縫い」していく。
縫っていく、縫っていく。
最後は、糸のお尻の部分を、再び普通に結ぶみたいにする、「玉留め」だ。このへんは私が説明するよりも、ネット検索して図説か動画を見てもらった方がいいだろう。
完成!きれいに縫えた、とは言えないが、まず解けてきそうにはない。もともとおしゃれな服でもないし、こんなキズは釣りを集中してやってきた勲章のようなものだ、と、修繕まで自分でやってしまえば少し誇らしくさえ感じる。
過去の補修例
こんな感じで、これまであらゆる破れた衣服を縫ってきた。釣り服に限らず、軽度のものならば、私服もそうだ。御覧の通りテキトーなものなので、技術の向上も何もないが、簡単な裁縫ができれば、精神的に「まあ多少なら大丈夫だ」という安心感にはなっている。
過去には、実はピッグスキンのグローブの破れを縫ったこともある。指先がざくっと突き抜けるように破れてしまったのだ。かなり高価なものだったので、ビビったが、何とか当て布を使って補修した。ってまあ実は自分でしたのではなく、人に頼んだのだけれど……。
100均で買っておこう
何せ20年前に買った裁縫道具だ。数回の引っ越しを経験し、こうして手元に残っていることは軽い奇跡に近い。実は針の残り本数も少ないので、近々買い直さなくちゃいけないのかもしれない。まあそれでも案外、今後10年は生き残りそうな気もするのだが。
20年前と税率は変わってしまったが、この手の品は確実に100均にあるはずだ。手に入れておいて邪魔にはならない。おそらく元来手が器用な人ならば、もっと高度な、格好いい修繕ができるはずだ。釣りにいけない極寒期に、裁縫の腕も磨いてみれば……?
<井上海生/TSURINEWSライター>