ヘラブナ釣り上達への道しるべ最終章:戸張誠の釣り談義④

今月のテーマは「戸張誠の釣り談議」。間もなく当企画300回目に達するのを機に戸張は当コーナーから引退する。そこで最終章はハウツーなど語らず、ヘラブナ釣りについて戸張に好きなだけ自由に語ってもらうことにした。今回は危機的状況に陥っているヘラ釣り人口の減少について、歯に衣を着せずに戸張に語ってもらう。キーワードはゲームの多様性だと言う。

TSURINEWS編集部 TSURINEWS編集部

淡水の釣り ヘラブナ釣り

ヘラブナ釣り人口減少打開策は?

昨今、ヘラ釣り人口の減少に歯止めが掛からない。

少子高齢化、趣味の多様化、釣り場の減少などなど。このままだと歴史あるヘラ釣りが存続の危機に立たされてしまうだろう。

打開策はないものだろうか?

 
戸張 誠

「ヘラ釣りに携わる企業や団体が釣り人口を増やそうと努力しているにも関わらず衰退の一途なのですから、個人レベルでどうこうできる話ではないでしょう。
悪く言えば10年後はさらに危機的状況に陥っているはずです。それはヘラ釣りに限ったことではないと思いますけどね。」

 

ですが人気が上昇している釣りもなかにありますよね。たとえばワカサギ釣りですが。

戸張 誠

「ドーム船の釣りですよね。確かに人気は出ているようですね。釣って楽しいし、何より食べても美味しい。」

 

この釣りから何か学べるものはないものでしょうか?

戸張 誠

もっとも大きな違いは初期投資の違いでしょうね。安く釣りが始められる。だから自分だけでなく子供や奥さん、友人なども誘いやすい。
そしてヘラ釣り同様に競技性もある。そして極めつけは食べても美味しい。

人気に拍車が掛かるのもうなずけますよね。」

 

ですがワカサギ釣りは季節限定です。ヘラ釣りのように通年できる釣りではないですよね?

戸張 誠

「アユ釣りもそうですが、釣期が限られているからこそ楽しめる時に楽しまないとみたいな感じになるのでしょうね。」

 

時期で釣る人はいる

以前の取材写真

それを言うならヘラでも同じような現象がありますよね。たとえば春の乗っ込みや真冬の釣り堀(ハコ)。季節外れでは見向きもされないのに、その時期だけは釣り人が押し寄せる。

戸張 誠

「いいところに気づきましたね。つまり釣り人はいるんですよ。ところが時期外れだと釣りをしなくなってしまう。暑さ寒さはどうしようもないことですが、それでも楽しいと思えれば人は竿を出すんです。」

 

つまり楽しいと感じさせない何かがあると?

戸張 誠

「はい。もはやヘラ釣り人口を今後一気に増やすことは不可能と言えるでしょう。であれば楽しいと感じる釣りを通年発信し続けることで、既存の釣り人に少しでも多く釣り場に足を運んでもらう。これこそが私たち業界人の務めであると感じているんです。」

 

それは釣り方のことですか?

戸張 誠

「それもあると思いますが、私は季節感だと考えます。
せっかく四季を通してさまざまな釣り場で釣りができるのですから、その時期に合った釣りをやる。やったことがない人には、それを経験してもらうための道を作る。釣果至上主義ではなかなか実現しにくいのですが、今後はそういうことにも力を注ぐべきだと考えています。」

 

釣果を追い求めると必然的に釣り方が限定されてしまう。それを排除していこうということでしょうか?

戸張 誠

「排除とはいささか言葉がキツイですが、たとえ優勝できない釣りであっても、楽しさならこっちのほうが上だよみたいな釣り方が、その時期その釣り場にはあると思うんです。それを積極的に推し進めたらどうかということです。」

 

ゲーム性の発展は?

たとえば私は底釣りが好きだと言っても宙が全盛の釣り場では、その釣りをやっても勝負は見えている。しかし底釣り限定にしてしまえば、同じ土俵で勝負ができる。

そういうことでしょうか?

戸張 誠

それもそうですし、秋なら両グルテンの宙釣りオンリーの大会を開くなど、やり方はいろいろあると思うんです

 

ゲーム性を高める案いくらでもあるはず?

そうやって釣り場や業界が季節に合った楽しい釣りを提案し推進すれば釣り人は釣り場に戻ってくると?

戸張 誠

「断定はできませんが一つの方法論としてそれもありかなと。結局のところヘラ釣りはゲーム性で発展してきたことは言うまでもない事実です。そのゲームの多様性をもっと広げることが、釣り人口の増加にもつながっていくのではと私は思っているんです。」

 

次回も「戸張誠の釣り談議」です。

「戸張誠の釣り談議①」から読む

<週刊へらニュース 戸張誠/TSURINEWS編>

この記事は『週刊へらニュース』2018年11月19日号に掲載された記事を再編集したものになります。